3番札所金泉寺は、弘法大師空海が掘ったという伝説があり、寺名の由来にもなっている長寿をもたらす「黄金の井戸」がよく知られています。境内で私の印象に残ったのは、煩悩を打ち破る「倶利伽羅龍王」の迫力あるお姿です。
一般的な金泉寺の見どころ
一般的に金泉寺の見どころとされているのは、お寺の名前の由来にもなっている「黄金の井戸」です。
弘仁年間(810年 - 824年)に空海がお寺を訪れた際、日照りによる水不足に苦しむ住民のために井戸を掘り、ここから「黄金井の霊水」が湧出したとされることから金泉寺に寺号があらためられたといわれています。
「長寿をもたらす黄金の井戸」 とされていて、覗いて顔がきれいにうつれば長寿、うつらなかったり、ボヤけていると病気や事故に注意する必要があるそうです。
また、源平合戦とも関連があり、寿永4年(1185年)の2月に屋島(香川県:屋島の合戦)に向かう途中の源義経が必勝祈願の為に立ち寄ったといわれ、戦勝祈願をしたとされる観音堂は「勝運観音」と呼ばれていたり、武蔵坊弁慶に力試しのために持ち上げさせたといわれる「弁慶の力石」も残っています。
倶利伽羅龍王(くりからりゅうおう)の迫力
一般的な見どころにはなっていないようですが、私が注目したのは倶利伽羅龍王です。まずは写真でご覧ください。
倶利伽羅龍王というのは、不動明王が右手に持つ剣に龍が燃え盛る炎となって巻き付いていて、仏教の根本的な3つの煩悩「貪・瞋・癡(とん・じん・ち)」を打ち破る象徴とされているそうです。
本堂・大師堂の間に鎮座していますので、ぜひお見逃しのなきよう。
お遍路で煩悩を打ち払えるかはわかりませんが、その象徴とされる倶利伽羅龍王の迫力に思いをはせるのは貴重な経験になると思います。
朱塗りの「仁王門」「多宝塔」は見ごたえ十分
その他にも見ごたえ十分の金泉寺。
たどり着いて、まず圧倒されるのは2番札所「極楽寺」に引き続きの見事な朱塗りの「仁王門」です。
本堂奥の同じく朱塗りの橋を渡った先の「多宝塔」も立派な佇まい。
序盤の札所は、参拝で精一杯になりがちですが、札所内の見どころや歴史に触れながら、お遍路を楽しんでいただければと思います。
【3番札所】 | 亀光山 釈迦院 金泉寺(きこうざん しゃかいん こんせんじ) |
宗派: | 高野山真言宗 |
本尊: | 釈迦如来 |
真言: | のうまく さんまんだ ぼだなん ばく |
開基: | 行基菩薩 |
住所: | 徳島県板野郡板野町大寺字亀山下66 |
電話: | 088-672-1087 |