仁淀川を渡って土佐市に入ると、次の札所は標高130mの清瀧寺への山登りです。山へは行き帰り同じ道の打ち戻りになりますので、遍路道途中の土佐市観光笹岡ハイヤーさんに大きな荷物を預けてから挑みましょう。
仁淀川は水質・水辺利用率全国1位
「通夜堂」に宿泊させていただいた34番札所種間寺を朝出発し、田園地帯を4kmほど歩けば、大河「仁淀川(によどがわ)」に差しかかり、「仁淀川大橋」で川を渡れば、高知市から土佐市に入っていきます。
余談ですが、この日は種間寺を出発した直後に、山火事が起きていたようで、防災放送と消防車のサイレンが田舎道に鳴り響いていて異常な光景でした。
この仁淀川ですが、あとから調べてみて、いろいろな特徴があることを知りましたので、ここでご紹介しようと思います。
写真を見ていただいてわかるようになかなか大きな川なのですが、実は愛媛県の石鎚山系が水源で、ここ高知県土佐市から太平洋に流れる一級河川。流域面積も広く、四国では「吉野川」「四万十川」に次ぐ第3位の位置付けです。しかも水質、水辺利用率は日本一なのだそうです(調査当初)。
水質の指標はわかりやすくて、汚染物質が少ないきれいな水が流れていることを指しますが、これを聞くと同じ高知県の四万十川が「日本最後の清流」なんて呼ばれることを思い出すかもしれません。
ここで出てくる「清流」という言葉には明確な定義はないようで、実際には四万十川の水質はそれほどよいデータではないそうです。
「清流」と呼ばれるのは、流域の生態系が豊かであったり、自然に近い状態の里山が多く残っていることが理由とのこと。水質を基準にすると、仁淀川が実は日本一の「清流」ともとれてしまうかもしれません。
もうひとつの「水辺利用率」というのは聞きなれない言葉ですよね。
これは国土交通省が「河川空間利用実態調査」ということを行っており、河川流域で散策・水遊び・スポーツ・釣りなどで人間に利用されているエリアがどのぐらいあるかを調査しているとのことで、仁淀川は日本で1番利用されているんだそうです。
水がきれいで、川で遊び放題なんて、四国の自然の奥深さ・底力を感じます。
川ひとつとってみても、まだまだ知らないことはたくさんあるなと実感しました。
土佐市街では鷺や猫が道案内
仁淀川を渡った先は土佐市中心市街地になりますので、コンビニ・スーパー・飲食店などが多くあるエリアです。備蓄物で足りなくなっているものがあれば調達しておくとよいと思います。
市街地に入ったと思いきや、1kmも歩くと、再び田園風景と目の前に山が広がる田舎道に入ります。
けっこうな街中のはずなのに、鷺を見かけたり、たくさんの野良猫が分岐点で道案内をしてくれたり、どれだけ自然豊かでのどかなんだと感じ入ってしまいました。
「土佐市観光笹岡ハイヤー」さんで荷物預かりのお接待あり
市街地を抜けて、田んぼが広がり、目の前に高速道路「高知自動車道」と清瀧寺がある山が見えたあたりの遍路道沿いに「土佐市観光笹岡ハイヤー」というタクシー会社があり、「お遍路さん休憩所 お荷物無料預かります お気軽に」という大きい看板がかかっています。
この地点から35番札所清瀧寺までは距離で約1.5km、標高130m地点までの山登りがあり、参拝後は同じ道を打ち戻ってきますので、大きい荷物を預かってもらって、身軽に進むとよいと思います。
登りの打ち戻りで荷物を預かってもらえるお接待といえば、10番札所切幡寺参道の「須見光栄堂」さんを思い出しますが、このようなサービスはたいへん助かります。
ちなみに清瀧寺への車道はとても狭くて急カーブが続くため、車遍路さんや観光バス遍路さんが、この土佐市観光笹岡ハイヤーさんの「地元の運転に慣れた」ドライバーさんのタクシーに乗り換えてお寺に向かうこともあるそうです。
会社の写真を撮るのを忘れたので、連絡先と地図のみ掲載しておきますので、参考にしてください。
【会社名】 | 土佐市観光有限会社 笹岡ハイヤー |
住所: | 高知県土佐市高岡町乙2670-1 |
電話: | 088-852-1237 |
会社HP: | http://tosashi-kankou.com/ |
雄大な仁淀川に見守られながら、大きな荷物を預けて身軽になり、山の中腹の清瀧寺にチャレンジしてください。