讃岐國最初の66番札所雲辺寺は、四国霊場最高峰の標高911mにあり、お寺に登る登山道は当然のごとく「遍路ころがし」とよばれる難所です。心も体もしっかり準備を整えて挑みましょう。
佐野集落から「雲辺寺」を目指す
愛媛県から雲辺寺に向かう複数ルートの中から「佐野道」を選択し、県境の「境目峠」を越え、香川県ではなく一時的に徳島県三好市に入り、佐野集落方面に進んできました。
※県境の遍路道の様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。
【65番札所三角寺→66番札所雲辺寺】愛媛県から一時的に徳島県に入る「境目峠」は旧道が断然オススメ
私は「佐野」の手前にある「お食事処 水車」で昼食休憩をとってから、午後一番の時間帯から雲辺寺を目指すことにしました。
四国霊場最高峰の標高911mへの「遍路ころがし」
66番札所雲辺寺は、標高911mの雲辺寺山の山頂にあり、札所の中で最も高い位置にあるお寺です。
前出の登山道入り口地点が標高約300mで、既に山の中に入ってはきているのですが、ここから距離約4kmで標高差約600mを登る急坂遍路道になり、登山の難所である「遍路ころがし」とよばれています。
※他所の「遍路ころがし」に関しては、以下タグリンクの記事もぜひご覧ください。
「佐野」の登山道入り口から、初めは数軒の住宅の間を階段と急な生活道路を登っていき、少し進んだ先の広場で以下写真の立て看板を見つけました。
広場で大便ってまさかと思いますが、ここまでの道のりを思い出してみると、愛媛県の「椿堂」を通過してからは、トイレ休憩所はなく、トイレをお借りできそうなお店も極端に少ないエリアでした。
それを前提に、地域の方にご迷惑をおかけすることがないように、前もって心も体も準備を整えて雲辺寺への「遍路ころがし」に挑んでください。
ちなみに、ここから先の登山道にも整備された休憩所はなく、もちろんトイレもお寺にたどり着かないとないので、注意が必要です。
私も休憩スポットが少ないことは事前に知らなかったのですが、昼食で立ち寄った「お食事処 水車」でトイレはもちろん食料・飲料調達もしていたので、助かりました。
難所の前には「備えあれば憂いなし」の言葉が身にしみます。
噂にたがわぬ急坂でワイルドな遍路道
しばらくは家が数軒あるエリアを進み、その先は当然の未舗装山道が始まります。
整備はしっかりしてくださっていて歩きやすいのですが、傾斜角度はかなりのもので、足が前に進んでいきません。
かなり前傾姿勢になりながら、はうようにして山道を登っていた先に、おかしなものを発見。
そして、その先では一瞬焦る光景も。
急坂未舗装遍路道を2kmほど進むと、舗装林道に合流します。
愛媛県の県境から「曼陀峠道」「境目峠道」を選択すると、この道を進んでくることになります。
この林道の傾斜はきつくはなく、距離約2kmで標高差200mほどを登っていきます。
逆算すると、ここまでの未舗装路の距離約2kmで標高差400mほどを登ってきたことになります。
しばらく進むと、林道脇の未舗装路に再び入ります。
未舗装路から再度舗装林道に合流すれば、駐車場に車を止めた車遍路さんも歩いてこられている参道で、しばらく歩くと境内に到着です。
ということで、四国霊場最高峰の雲辺寺への「遍路ころがし」を制覇です。
「佐野」の登山道入り口から、私は90分ほどで登りきり、標高が高い割にはスムーズに進むことができましたが、愛媛県境から休憩・トイレスポットがほとんど無い道のりになりますので、くれぐれも事前準備を怠ることのないように歩んでください。