旧往還・添蚯蚓は、土佐國往来の要であり非常に重要視されたルート。藩によって入念に整備された痕跡が随所で見られます。

所々に石畳が敷かれた跡が残るそえみみず

石畳はそこが街道であることを示し、大雨等により土砂が流出するのを防ぐ意味がある。
石は濡れていると滑り易い。昔の旅人であれば草鞋履きなので滑らないでしょうが、洋靴を履いた現代人からすると厄介な存在。その代わり草鞋は都度編まないといけません。
草鞋と洋靴、双方メリットがあります。

—– こちらの記事に登場する主な地名・単語
添蚯蚓(そえみみず)
往還(おうかん)
久礼(くれ)
草鞋(わらじ)
七子峠(ななことうげ)
剣山(つるぎさん)
三嶺(みうね・さんれい)
双名島(ふたなじま) 

 

久礼湾に浮かぶ双名島に伝わる鬼の伝説

心優しい鬼の伝説が伝わる双名島が見える地点

そえみみず遍路道の様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。

旧往還そえみみず遍路道[前編]【36番札所「青龍寺」→37番札所「岩本寺」】

旧往還そえみみず遍路道[中編]【36番札所「青龍寺」→37番札所「岩本寺」】

 

長く緩やかなそえみみず遍路道は、峠や山頂といったものが存在しません。一応、登りが終わって下り始める場所はありますが、後年整備された新道である “久礼坂” としての峠は 「七子峠」
そえみみずを経由すると、むしろその峠の上を越えて行きます。

下り道が始まって 少し進んだところに展望が広がる地点があります。
眼下に見える海は太平洋と久礼湾。
奥の雲がかかっている部分は、高知県東部の室戸方面へ続く山なみ。
条件が良ければ、剣山や三嶺といった徳島県との県境の高山が見えるかもしれません。

久礼湾に浮かぶように見える二つの岩は「双名島」
当地に棲んでいた 心優しい鬼が運んだ大岩と伝わる。
津波や高潮の常襲地帯である久礼では、人々が海に怯えながら生活していることを沖の洞窟に暮らす鬼が知る。そこで持っている金棒に岩を二つ刺して運び、湾の入り口に据え置いたところ、久礼湾は波から守られる穏やかな海になった。しかしその代償に鬼は力尽きこの地で果てた。
久礼における鬼は優しく感謝される存在です。

 

七子峠に到着

車道と合流する地点

旧遍路道から新道へ出るところ。

【「そえみみず遍路道 七子峠方面出口」 地図】

 

左折して100mほど歩いたところで国道56号を渡り、久礼坂を登る大坂越え遍路道と合流。

そえみみず・大坂越え・国道56号合流点 「七子峠」

峠の標高は287m。霧が頻繁にかかる場所として有名。

 

久礼坂の交通ルートの変遷

久礼坂の谷間を眺める展望台からの景色

立派な橋脚は 最も新しく開通した 高知自動車道。

添蚯蚓往還

大坂道

明治26年(1893) 郡道開通(国道56号の前身)

昭和22年(1947) 国鉄土讃線 土佐久礼~影野駅間開通

平成24年(2012) 高知自動車道 中土佐~四万十町中央間開通

久礼坂の往来には、その時代時代の最新技術を用いて、より良い交通ルートが開かれてきたことがわかります。 

ここから地形は平地となりますが、第37番岩本寺へはまだ10km以上の距離があります。
前述のように朝は霧がかかり易く、気候は冷涼。冬には雪が観測されるなど高知県の主要都市としては四万十町窪川は異色の存在。秋は日没に気を付けて、冬は暖かい装備を忘れずにお持ちください。

 

【「七子峠」 地図】

 

 

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野瀬 照山

八十八ヶ所案内人・先達であり、旅人をお迎えするゲストハウスそらうみを運営。 四国八十八ヶ所結願30回、うち歩き遍路12回。 四国六番安楽寺出家得度。四国八十八ヶ所霊場会公認先達。 高松市一宮町で「さぬき高松ゲストハウスそらうみ(http://www.sanuki-soraumi.jp/)」を運営。