【桃陵公園】瀬戸内海一望の桜の名所でお花見と多度津町の歴史探訪

77番札所道隆寺がある香川県多度津町のおすすめ観光スポット「桃陵公園」をご紹介します。春の桜の名所として有名で、綺麗に整備された遊歩道を散策すると、いろいろな景色や歴史に出会うことができます。

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77番札所道隆寺がある香川県多度津町

77番札所道隆寺は香川県の中央部の多度津町(たどつちょう)にあります。
本尊は薬師如来で「眼なおし薬師」の名で慕われています。幼少より目が悪かった丸亀京極藩の京極左馬造が、本尊の薬師如来に祈願したところ、全快し、以後医学を学んで「眼病の達人」と呼ばれるほどのご典医になったということが由来だそうです。

道隆寺の最寄駅で徒歩約15分のJR多度津駅は、香川県と愛媛県をつなぐ予讃線と、香川県と高知県をつなぐ土讃線の分岐駅になっていて、昔から車両工場や多数の留置線がある四国の鉄道の要所です。
また、江戸時代には多度津港がこんぴらさんに参詣する人の上陸港の役割を担い、北前船が寄港する貿易拠点にもなっていたので、港町として繁栄し、旧市街地には豪商の邸宅跡など当時の面影も残っています。

このように、多度津町は昔から四国の交通の要所・玄関口として栄えてきた歴史があります。

 

桜の名所「桃陵公園」

道隆寺参拝など多度津町を訪れたときに、ぜひ立ち寄っていただきたいおすすめスポットが「桃陵(とうりょう)公園」です。
桃陵公園までのアクセスは、JR多度津駅から徒歩約25分で、無料駐車場が完備されているので、私は車で訪れました。面積10.06haの広大な敷地に、いろいろな種類の木が植えられていて、1年を通して様々な花を楽しむことができることが特徴です。

その中でも特に有名なのが春の桜です。
公園内には、なんと2,500本の桜が植えらていて、満開の頃には、多くの花見客で賑わい、イベントも開催されます。期間限定でライトアップもされるので、夜桜も楽しむことができます。
桜の見頃は、その年の気候状況によって変動しますが、3月下旬から4月上旬がおすすめの時期です。

桃陵公園_桜_アップ

私が訪れた日は、あいにくの雨でしたが、満開に近いすばらしい桜を見ることができました。

 

お散歩におすすめの遊歩道

桃陵公園はぐるりと一周できる遊歩道に整備されていて、特に春シーズンは、美しい桜が咲く中をお花見しながらのんびりお散歩を楽しむことができます。

桃陵公園_遊歩道_桜ライトアップ

綺麗に整備された遊歩道沿いにも桜が立ち並びます。夜にちょうちんに灯がともるとまた違った雰囲気になるのだと思います。

桃陵公園_ウォーキングコースマップ

かわいい手書きのウォーキングコース案内看板にほっこりしました。

いくつかのウォーキングコースが設定されていますので、時間の都合を考慮して、興味があるエリアに行ってみてください。全コースをまわると約2kmですので、時間に余裕があれば、ぜひいろいろ巡ってみていただきたいです。
休憩所やお手洗いが複数箇所あるので、お散歩途中での休憩も安心です。

しばらく歩くと「出会いの広場」という所にたどり着きました。素敵なネーミングに興味津々です。
桃陵公園は高台にあるので、多度津港と瀬戸内海が一望できます。私が訪れた日はあいにくのお天気でしたが、晴れていれば絶景なのだと思います。
出会いの広場にも桜が美しく咲いていて、公園内のいろいろな場所でいろいろな景色と桜の組み合わせを見ることができました。

桃陵公園_出会いの広場

公園内には瀬戸内海の景色を楽しむことができる店舗スペースがいくつもあります。

雨の日のお花見散歩でしたが、遊歩道を進んでいくと、その所々で新しい景色に出会えるため退屈しません。雨であることをついつい忘れてしまうほど、夢中になれました。

歩いて行った先に「さぬき百景」という表示があり、その横には階段がありました。この先には一体どんな景色が待ってくれているのか、期待がふくらみます。

桃陵公園_さぬき百景

「さぬき百景」の表示は香川県内観光中に他の場所でもいくつか見つけました。

 

戦争の記憶を現代に伝える「一太郎やぁい像」

さらにしばらく進むと、香川県全体の案内図とともに、不思議な表示を見つけました。

桃陵公園_一太郎やぁい像案内看板

「一太郎やぁい像」とは何のことでしょう?

桃陵公園_一太郎やぁい像

進んだ先には立派な像がたっていました。

明治時代の日露戦争のとき、眼下に広がる多度津港から多くの将兵が船に乗って出兵していきました。このなかに岡田梶太郎(通称「一太郎」)がいました。一太郎の母カメは、三豊郡豊田村から我が子を見送ろうと、早朝にかけつけましたが、船はすでに岸を離れており、カメは大声で「一太郎やぁい、わかったら鉄砲をあげろ」と叫びました。
この母心を象徴するエピソードを、後世にも残す目的でこの銅像が、昭和6年に建造されたそうです。しかし太平洋戦争中の金属回収で撤去されてしまいました。
現在の像は、元の台石の上に、多度津町の彫刻家神原象峰氏が昭和18年にコンクリートで製作したものとのこと。
戦争の悲惨な歴史を知り、あらためて生かされていることへの感謝と世界平和を願うばかりです。

 

多度津町の発展に尽力した「今井浩三」

さらに公園内にもうひとつ像を見つけました。

桃陵公園_今井浩三像

元香川県議の今井浩三の像です。

多度津町長を経て、香川県議になった今井浩三は、その後、学校建設や国鉄多度津工場の誘致など、多度津町の発展に尽力し、昭和天皇即位の記念事業として桃陵公園をつくるときに、この像も作られたそうです。

桃陵公園のお散歩では景色や花を楽しむだけではなく、地域の歴史も学ぶことができました。

 

少林寺拳法発祥の地

また、桃陵公園に隣接する形で大きな寺院があり、ここは「少林寺拳法発祥の地」として知られる桜金剛禅総本山少林寺です。

桃陵公園_金剛禅総本山少林寺

遠くからでも見える金剛禅総本山少林寺の塔は多度津町のランドマークです。

初代師家・宗道臣が、1947年に多度津町で創始した少林寺拳法。現在では、日本だけでも約2,000もの道院がある他、日本以外のいろいろな国でも拳士が増えていて、この総本部が「金剛禅総本山少林寺」なのです。
少林寺拳法の教えや技術の修練を通して、強い心を鍛える拳士が、子どもからシニア世代まで、また世界中のいろいろな地域に広がっていて、この総本山は憧れの地になっているそうです。

 

ここまで、香川県多度津町にある「桃陵公園」をご紹介してきました。桜の名所として有名な桃陵公園ですが、広大な園内をゆっくりウォーキングしてみると、いろいろな景色を楽しむことができたり、多度津町の歴史を探訪することもできました。
77番札所道隆寺参拝や、香川県に観光に訪れた際には、ゆっくり時間をとって、桃陵公園の自然や歴史をぜひ楽しんでみてください。

※同じ多度津町内にある77番札所道隆寺と、おすすめの立ち寄りスポットを以下リンクの記事でご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。

【77番札所道隆寺】眼病平癒祈願の目なおし薬師如来さま

【根ッ子うどん】田園地帯にポツンとある温室でいただく極太麺のかけうどん

 

【「桃陵公園」 地図】

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この記事を書いた人

観光業界で従事した経験がある旅行・ホテル関連のテーマが得意なライター。グルメ、旅、四国が大好き! お遍路さんは初心者ですが、人との出会いを通して学び、成長できる旅だと思うので、いつかは歩き遍路に挑戦してみたいと思っています。 自身の経験が少しでも四国を旅する人のお役に立てたら嬉しいです♡