82番札所根香寺から別格19番札所香西寺方面に下る歴史ある道が現在も残っており、四国のみちに指定されています。傾斜は少々きついですが、整備がいき届いた良道で、自然道を下りきった先には勝賀山の気持ちの良い景色が広がります。
82番札所根香寺から別格19番札所香西寺方面へ
82番札所根香寺を打ち終えた歩き遍路さんは、次の83番札所一宮寺を目指して、西方向のもと来た道を打ち戻り、南方向の鬼無方面に五色台を下っていくのが一般的です。
※鬼無方面への遍路道の様子は以下リンクのごんのすけさんの記事もご参照ください。
【82番札所根香寺→83番札所一宮寺】盆栽通りを下った先はお地蔵さん密集地域
この道とは別ルートで、東方向の別格19番札所香西寺方面に下る自然道も残っており、「四国のみち(四国自然歩道)」に指定されています。四国別格二十霊場もお参りされている人、高松市街地方面で宿泊したり立ち寄ったりする人はこちらのルートを選択すると良いです。
この記事では、82番札所根香寺をスタートして、五色台を下っていく道のりの前半部分をご紹介します。

82番札所根香寺の山門をくぐって、境内途中から道がスタートします。

山門から石段を下り、次の石段をのぼる手前を右に進む道があります。

境内から舗装路に出て、お寺の駐車スペース脇に四国のみちの道標があるところが入口です。
整備がいき届いた良道には歴史を感じる丁石あり
四国のみちの道標に従って右方向に下っていくと、すぐに自然道の区間に入っていきます。傾斜は少々きついですが、四国のみちとしてよく整備されていて、路面状況は良好で、とても歩きやすいです。

木のベンチの休憩スペースがところどころにあります。木漏れ日が気持ちの良い冬の晴れた日に歩きました。

道幅がしっかりあって、路面の整備状況もよいので歩きやすいです。

いくつか分岐点がありますが、四国のみちの道標があるので、迷うことはありません。
自然道の大部分が木が生い茂っているので、眺望を楽しめる場所は少ないのですが、木の隙間から瀬戸内海のブルーが覗ける場所や、歴史を感じる丁石(お寺までの距離を示す昔の道標)、涸れ沢を渡る木橋など、見どころや変化があって楽しい道のりです。

木の隙間から瀬戸内海のブルーと海に浮かぶ島が見えました。

82番札所根香寺から900mほど下ってきたところに六丁石が残されています。

涸れ沢を渡る木橋はちょっとしたアドベンチャー感もあります。
自然道を下り終えた先には勝賀山の気持ちの良い景色
約1.3kmの自然道を下り終えると、物々しい境界を通って、里の集落に入ります。

野生動物による農作物の被害が大きくなっている様子が、四国各地で見られます。

道を通るお遍路さんにメッセージもありました。防護柵の扉を開けて、通らせていただきます。
里の集落に入ってすぐの場所に、展望の開けた休憩スペースを用意してくださっていて、そこからは勝賀山の気持ちの良い景色が広がります。

標高364mの勝賀山が目の前に見える気持ちの良い展望休憩所です。

この休憩所の場所には八丁石が残されていて、八丁目休憩所と呼ばれています。
勝賀山の頂上は平坦になっていて、南北約350m・東西約160mの広さがあり、かつては周囲に土塁を巡らせた勝賀城があったそうです。鎌倉時代の13世紀に、領地や瀬戸内海を一望できる城として築かれ、以後300年にわたって、この地域一帯を支配する要となっていたとのこと。

勝賀城の情報が詳細に記された案内看板がありました。手書き修正が入っているのはご愛敬。
この八丁目休憩所で景色を眺めつつ一息ついてから、五色台麓の集落に入っていきますので、道や周辺の様子ががらっと変わります。
82番札所根香寺から別格19番札所香西寺方面に五色台を下る道のりの前半は、四国のみちに指定されている下り自然道で、歩きやすく景色や歴史も楽しむことができる良道でした。
この先の道のりの後半の様子は、以下リンクの記事に続きますので、ぜひこちらもご覧ください。
【82番札所根香寺→別格19番札所香西寺】五色台麓のみかん畑を抜けた先の分岐点に注意