【高野山金剛峰寺】見事な襖絵・日本最大級石庭「蟠龍庭」と生活感ある台所の対比

高野山金剛峰寺の主殿は、たくさんの広間があり、見事な襖絵の数々を見学することができます。わたし的なオススメスポットは、主殿から眺める日本最大級の石庭「蟠龍庭」と、立派な建物の中にいきなり生活感を感じる「台所」です。

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元々は高野山全体が「金剛峰寺」

高野山内に入ると、たくさんの寺院や門、塔などを目にすることができますが、元々は高野山全体を「金剛峰寺(こんごうぶじ)」と称し、山全体がひとつのお寺という考え方だったそうです。
信仰の中心として多くの人が参拝するのが「壇上伽藍(だんじょうがらん)」と「奥の院(おくのいん)」で、現在金剛峰寺と呼ばれているのは、明治時代に豊臣秀吉ゆかりの寺院である「青巖寺」と「興山寺」を合併し「金剛峯寺」と改称したお寺です。青巖寺(剃髪寺)は秀吉が亡母の菩提のために建立したもので、豊臣秀次が自刃した場所としても知られています。

この記事では金剛峰寺の見どころをご紹介します。

高野山金剛峰寺 正門

高野山のまちなかの中心に位置し、参拝というより観光目的の方が多く訪問されています。

上の写真が正門なのですが、昔はこの門をくぐってお寺に入ることができるのは、天皇・皇族・高野山の重職だけだったそうです。
一般の僧は、門に設けられている小さな通用口を使っていたとのこと。
現在は参拝客も含め、正門を通ってお寺に入っていきます。

 

主殿の屋根の上に注目

山門をくぐると正面に堂々とした「主殿」があります。

高野山金剛峰寺 主殿

開創1200年記念で、弘法大師持仏御開帳中により五色の「御手綱」でご縁を結ぶことができます。

この主殿正面の柵がある入口は「大玄関」で、ここも正門同様、天皇・皇族・高野山の重職だけが通ることができる玄関とのことで、右手にまわって参拝客入口から「主殿」に上がっていきます。

主殿の写真をもう一度よく見ていただくと、屋根の上に「桶」が置かれています。
これは「天水桶(てんすいおけ)」というそうで、普段から雨水をためておいて、火災が発生したときに屋根に水をまいて湿らせ、少しでも類焼を食い止めるためのものとのことです。
よく見ておかないと見逃しますので、要チェックでお願いします。

主殿内には拝観料500円を払って入場します。
高野山内には拝観料がかかる場所がいくつかあり、開創1200年記念大法会中(2015年4月2日~5月21日)は、拝観フリーパス(期間中何度でも拝観可能)と記念品がセットになった「大法会参拝志納・記念品」が献香料3,000円とのことなので、記念品に興味のある方や、期間中何度も拝観する方は、こちらの選択がよいかもしれません。
※興味のある方は以下リンクにてご確認ください。

高野山 開創1200年 | 高野山真言宗 総本山金剛峯寺: http://www.koyasan.or.jp/k1200/

開創1200年記念期間以外も、複数施設を拝観できる共通内拝券があるようなので、参考にその情報もご案内しておきます。

諸堂共通内拝券 | 一般社団法人高野山宿坊協会: http://www.shukubo.net/contents/exeperiences/topics.html

 

襖絵の一大美術館の先には日本最大級の石庭

主殿に入っていくと、すぐの「持仏間(じぶつま)」には御本尊の弘法大師が奉安されており、開創1200年大法会中は特別御開帳で拝観と「御手綱(みてづな)」でご縁を結ぶこともできます。
そのあとは、たくさんの広間が続き、各部屋のふすまには見事な襖絵がほどこされており、さながら絵画美術館のようでした。
すべて撮影禁止なので、写真でご紹介できないのは残念ですが、見ごたえのあるお部屋ばかりです。

順路にそって進んでいくと、お茶のお接待を受けることができる「新別殿(しんべつでん)」や、金箔がきらびやかな昔の天皇の応接間「書院上段の間」、天皇随行者が不寝番をした「武者隠し」など、立ち寄るべきスポットがたくさんありますが、わたし的なオススメスポットは「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」です。
ここは写真撮影可能でしたので、まずは写真をご覧ください。

高野山金剛峰寺 蟠龍庭

私の写真では、この庭園の魅力を伝えきれません。たくさんの観光客の中、撮影するのも困難。

この蟠龍庭は、弘法大師御入定1150年・御遠忌大法会の際に造園され、2,340平方メートルの石庭は、国内で最大級とのことで、雲海の中で向かって左に雄、向かって右に雌の一対の龍が向かい合い、奥殿を守っているように表現されているそうです。
龍を表す石は、お大師さまご誕生の地である四国の花崗岩が使われており、四国遍路とのご縁も感じることができます。
壮大にして繊細な石庭に圧倒されるばかりでした。

 

一転して生活感のある「台所」

そして、華やかなお寺内が続く中で、わたし的にとても楽しめたのが「台所」がある「いろりの間」です。

現在は日常では使っていないそうですが、江戸時代まではここで大勢の僧侶の食事をつくっていたそうです。
お寺の、しかも金剛峰寺のような名刹で、日常を垣間見るような空間が公開されていることに驚き、襖絵以上に見入ってしまいました。
多くの参拝者はスルーしていたようですが、もったいない気がします。

高野山金剛峰寺 台所

家具や柱、壁にすすが残っていて、現役バリバリだった頃の雰囲気がそのまま残っています。

高野山金剛峰寺 台所 竈

年季の入った竈ですが今でも重要行事の時に使われることがあるそうです。

 

遍路後のお礼参りは奥の院ですが、金剛峰寺は高野山真言宗の総本山であり、史跡としても名所なので、ぜひ立ち寄ってみてください。

 

【寺名】  高野山真言宗 総本山 金剛峰寺(こうやさんしんごんしゅう そうほんざん こんごうぶじ)
宗派: 高野山真言宗
開基: 弘法大師
住所: 和歌山県伊都郡高野町高野山132
電話: 0736-56-2011

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この記事を書いた人

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。