15番札所国分寺を出発すると、すぐに大きな国道192号に出て、いよいよ徳島市の街中に入ってきた実感が湧いてきます。16番札所観音寺では、「夜泣き地蔵」に遍路中にぐっすり眠れるように祈願していきましょう。
久々の市街地歩行
15番札所「国分寺」から16番札所「観音寺」までは、市街地を約2kmで、札所ラッシュが続いていきます。
大きな国道192号を通り、車の列、コンビニやスーパーマーケットも目に入り、これまでの山の中、川沿い、田園地帯とはまったく違った風景に、市街地に入ってきたなという実感が湧いてきます。普段の生活の中では、このような市街地に暮らし、24時間どこでもなんでも便利にできるのが当たり前になっているのに対して、遍路での違った景色や不便さを経験すると、どちらの方が自分にとって自然なのか、迷いも生じたように思います。
そんな市街地から一本脇に入った旧街道を進むと、これまた突然立派な山門が出現し、16番札所「観音寺」に到着です。今までが田舎道ばかりだった分、市街地にいきなり山門は違和感を感じます。でも、このあたりも昔はこんな環境ではなかったんだろうと想像しました。
「夜泣き地蔵」に遍路中のぐっすり睡眠を祈願
観音寺の見どころは、ずばり「夜泣き地蔵」です。
鐘楼門をくぐって右側、大師堂との間にいらっしゃって、歴史を感じる石の祠に囲まれています。
このお地蔵さま、その名のとおり、子どもの夜泣きを止めてくれて、健康や成長、病気が治ることを祈願するとよいとのこと。ご利益をあずかった人が、子どものよだれかけを奉納するそうです。
子どもだけではなく、ぐっすり眠れることを祈願すると、大人にもご利益があるそうです。
歩き遍路だと毎日極度の疲労で嫌でも眠ってしまうという人も多いとは思いますが、野宿なんかをすると環境によっては眠れないこともしばしば。睡眠が十分でないと、疲労が回復しないのをこれからの道のりで体験することもあるはずです。この夜泣き地蔵に遍路中のぐっすり睡眠を祈願されることをオススメします。
本堂横のかわいらしいお大師さまに見送られながら、さらに徳島市街中心部に歩を進めていきます。
【16番札所】 | 光耀山 千手院 観音寺(こうようざん せんじゅいん かんおんじ) |
宗派: | 高野山真言宗 |
本尊: | 千手観世音菩薩 |
真言: | おん ばざらたらま きりく そわか |
開基: | 弘法大師 |
住所: | 徳島県徳島市国府町観音寺49-2 |
電話: | 088-642-2375 |