7番札所十楽寺では、「不動明王」と「愛染明王」の明王二仏の迫力が見ものです。私は、札所を参拝しているときには、なぜか不動明王様に常に引きつけられ続けました。
慰霊と平和を願う「不動明王」
6番札所安楽寺を出発すると1km少しの短い距離で7番札所十楽寺に到着します。
札所巡りで、なぜか「不動明王」に興味を持ち、いろいろな札所で写真を撮ったりしたのですが、十楽寺の不動明王もそのひとつです。あとから思い起こせば、3番札所金泉寺の「倶利伽羅龍王」がきっかけだったような気もしています。
十楽寺の不動明王は以下写真のようなかなりいかつい様相。
この不動明王は、脇の石碑にもあるように、太平洋戦争の特攻飛行で亡くなった予備学生の慰霊と、平和や交通安全を願うために安置されたそうです。境内からは少し外れた場所にいらっしゃるのですが、不動明王様にはなぜか引きつけられるようで、見逃しませんでした。
十楽寺を訪れる際は、ぜひ不動明王の前で、平和を祈願して、次の札所に向かってほしいものです。
縁結び・家庭円満の「愛染明王」
十楽寺には、もう一仏の明王が安置されており、それが「愛染明王」です。
愛染明王もなかなか厳しい表情をされていて、炎と太陽を想起させる赤い体で煩悩を焼き尽くし、3つの目で過去・現在・未来の全ての世界を見通し、6本の腕で悪者を払うといわれています。煩悩のひとつである「愛欲」を悟りに変える力を持つそうで、縁結び・家庭円満のご利益があるそうです。
二人の明王が厳しい表情やいかつい様相をされているのは、悪や煩悩を払うためなのです。けして怒られているわけではないようで安心しました。
近代的な建物の宿坊も有名な十楽寺
6番札所安楽寺から引き続き、立派な宿坊でも有名です。建物が近代的で、ほぼビジネスホテルのような設備とのこと。
打ち始めてから初日宿泊として、6~7番札所あたりが時間や距離がちょうど良いので、重宝されているようですね。
明王二仏に、悪や煩悩を払っていただき、以後の遍路旅の安全を願い、次の札所にゆっくり進んでください。
【7番札所】 | 光明山 蓮華院 十楽寺(こうみょうざん れんげいん じゅうらくじ) |
宗派: | 高野山真言宗 |
本尊: | 阿弥陀如来 |
真言: | おん あみりた ていせいから うん |
開基: | 弘法大師 |
住所: | 徳島県阿波市土成町高尾字法教田58 |
電話: | 088-695-2150 |