87番札所長尾寺から少し南に進んだ先に香川県東讃地域きっての桜の名所「香川県立亀鶴公園」があります。この公園は、歩き遍路さんにありがたい環境の良い野宿スポットでもあります。
「弁慶の馬の墓」「俳句の石碑」の宗林寺
87番札所長尾寺を出発し、少し遍路道を外れてお寺の周辺を散策すると、静御前の母「磯野禅師」のお墓や、私が遍路旅で注目し続けていた「丸型ポスト」を発見することができました。
※長尾寺周辺の「丸型ポスト」に関しては、以下リンクの記事もぜひご覧ください。
【87番札所長尾寺周辺】遍路旅最終盤で「丸型ポスト」密集地帯を発見
次の結願の88番札所大窪寺へは、長尾寺の南側に見える山地方向に進んでいきますが、約1km歩いた先の遍路道沿いで目を引くものを発見しました。
84番札所屋島寺がある屋島は、平安時代末期の源平合戦の「屋島の戦い」の舞台としても有名ですが、源義経の軍勢は平家を追って阿波國から山を越えて讃岐國の屋島に行軍したといわれていて、長尾寺のあたりは通り道だったようです。
四国山地を越えて屋島が見えてきたこのあたりで、弁慶が乗っていた馬が亡くなったそうで、この地に馬を弔った墓が残っています。
この「弁慶の馬の墓」がある宗林寺の参道にはたくさんの石碑があり、それぞれに句が刻まれていて、興味があられる方はひとつひとつチェックしてみると楽しいと思います。
東讃地域きっての桜の名所「亀鶴公園」
「志度寺」「長尾寺」「大窪寺」の「上がり3ヶ寺」がある「さぬき市」は、さすが結願への重要地域だけあって、お遍路に対する意識が高く、道標や休憩所、史跡の整備・維持管理がいきとどいている印象を持ちます。
上の写真の道標に「亀鶴公園」とあり、この公園方向に進むと少し遍路道からは外れますが、お遍路道中の立ち寄りスポットとして有名な場所なので、ちょっとのぞいてみることにしました。
この公園の名前は「亀鶴(きかく)」と読みますが、鶴が飛ぶ姿に見える「鶴ガ山」と、池に浮かぶ島が亀に見えることから、この名前が付けられたそうで、元々はたくさんの古墳が造られた場所だったそうです。
この公園が名所である由縁は、春には桜が咲き乱れるそうで、上の写真に見える池の中に浮かぶ島に渡る長さ約300mの堤が桜並木道になるとのこと。
香川県の東側地域「東讃(とうさん)地域」きっての桜の名所なのだそうです。
上の池の写真の手前側に見える花壇には「菖蒲(しょうぶ)」がたくさん植わっていて、春の桜、初夏の菖蒲のシーズンにこのあたりを通るお遍路さんはぜひ立ち寄ってみていただきたい公園です。
【「香川県立亀鶴公園 」 地図】
野宿可能な東屋と立ち寄り入浴施設「ツインパルながお」
「亀鶴公園」は立ち寄り観光スポットとしてもオススメなのですが、歩き遍路さんにはありがたい野宿可能スポットでもあるのです。
公園入口の駐車場と宇佐神社の間の位置にコンクリート造りの大きな東屋があり、ここは野宿可能な場所として終日開放してくださっています。
飲み物の自動販売機や東屋すぐ隣にはトイレもあり、とても環境のよい野宿スポットです。
また、「亀鶴公園」から歩いて5分ほどのところに、立ち寄り入浴も可能な多目的レジャー施設「ツインパルながお」もあり、野宿前の入浴や、山の上の「大窪寺」を目指す前の休憩にも格好のスポットです。
※2019年10月より「ツインパルながお」の温泉営業は廃止されましたが、トレーニングルーム利用でシャワーが使えます(510円)。
【「ツインパルながお」 地図】
87番札所長尾寺から88番札所大窪寺までの遍路道は、距離が長く山登りの難所でもあります。
「亀鶴公園」に立ち寄って、景色を楽しみながら結願への準備を万端に整えるのも選択肢のひとつです。