51番札所石手寺参拝後、道後温泉方面に向かう遍路道は2ルートありますが、お寺の裏山の奥の院から日本一の高さの「日中友好弘法大師像」を拝んで進むルートが圧倒的にオススメです。
石手寺から道後温泉には2ルート
51番札所石手寺の参拝を終えると、日本三古湯のひとつで松山の観光名所でもある「道後温泉」方面に進んでいきますが、多くのお遍路さんはお寺門前の県道187号に戻って西方向に進むと思います。
ここで、遍路地図「四国遍路ひとり歩き同行二人」をよく見ていただくと、道後温泉方面には2ルートあり、石手寺の裏山方面に登っていくルートが示されています。
このルートを見逃しがちなのですが、わたし的にはこちらのルートの方が圧倒的にオススメなので、本記事でご紹介したいと思います。

裏山遍路道の入口は本堂のすぐ左側「マントラ洞窟」と、いかついお面や不思議な石が並ぶお堂の間にあります。

マントラ洞窟は金剛界と胎蔵界をあらわしているとのことで、洞窟内で二手にわかれ道になっています。ここを通り抜けても山の裏側に出ることができますが、お遍路さんはぜひ山登りをしてください。

遍路道入口は、「山四国」の入口と共通です。ちゃんと「へんろみち保存協力会」の道標が立っていますので、わかりやすいと思います。
石手寺の裏山と隣山の山中に仏像が配置され、ミニ88ヶ所参りができるようになっています。
これをすべて制覇するのはかなりハードですので、時間と体力によっぽど余裕がある方だけにしておいた方がよいと思います。
裏山頂上の奥の院と隣山頂上の「日中友好弘法大師像」
登山道入り口から山の中に入ると、ミニ88ヶ所参りの仏像が並んでいるクネクネで分岐が多い細道を進みます。
山登りといっても、標高差40m程度で山頂まで5分程度の距離ですので、ご安心を。
遍路道標に従って山頂にたどり着くと、そこには小さなお堂があり、ここが51番奥の院「愛宕社」です。

遍路道の道標が山頂にもきちんと設置されています。草木がぼうぼうで隠れていますが…

これが51番奥の院「愛宕社」です。お堂を探し当てた宝探し感が味わえます。
進んできた遍路道方向に振り向くと、松山市南部の市街地を一望の素晴らしい景色を臨むことができます。

一瞬大きな「五重塔」に見えるかもしれませんが、人の身長より低いミニチュア版です。「浄土寺」「繁多寺」もそうだったのですが、お寺自体はそれほど高い場所になくても、景色を楽しめる札所が続きます。
そして、この裏山に登るべき一番の理由は、隣の山の頂上にいらっしゃる「日中友好弘法大師像」を真正面に眺めることができる特等席展望台があることです。

「愛宕社」すぐ横に展望台があり、隣の山の頂上のお大師さまを拝めます。これだけ大きいお大師さま像ですが、石手寺に参拝した際に気がつかない方も多いので、ぜひしっかりと眺めていってください。

このお大師さま像は、高さ16mで日本一の高さを誇るそうです。体は中国、顔はインドの方向を向いているとのこと。
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裏山を抜ければ「伊佐爾波神社」に山上からアプローチ
裏山の未舗装路を抜けて、遍路道は左方向に進みますが、右方向に少し下ると「マントラ塔」「苦行釈迦像」「閻魔堂」などがあるお寺とはまた違った神秘的な空気が流れる場所がありますので、そちらに立ち寄るのもよいと思います。
左方向に舗装路を進んでいくと、湯月公園のテニスコートがあり、それを通過すると、松山八社八幡の1番社で国の重要文化財に指定されている八幡造の本殿が見事な「伊佐爾波(いさにわ)神社」の裏口がありますので、こちらも余裕があれば立ち寄るとよいと思います。

「道後温泉」方面からは、長い坂道と石段を登る「伊佐爾波神社」も、石手寺の裏山を抜けてくると、直接山の中腹の本殿にアプローチできます。
伊佐爾波神社を下っていけば、道後温泉の温泉街にたどり着きます。
※「道後温泉」の様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。
【道後温泉】日本三古湯のひとつ「道後温泉」の温泉街を「丸型ポスト」とともに巡る
51番札所石手寺参拝後の裏山遍路道は気がつかないお遍路さんが多いですが、こちらのルートが圧倒的にオススメです。
日本一の高さの「日中友好弘法大師像」も見逃すことがないように、真正面から拝んでいってください。