41番札所龍光寺から42番札所仏木寺に向かう歩き遍路道は、国史跡にも指定された昔から残るルートがあるのですが、この道を見逃してしまう歩きお遍路さんが多いです。自然豊かな貴重な古道なので、ぜひお見知りおきを。
41番札所龍光寺の参道途中の標石が目印
41番札所龍光寺を参拝後、42番札所仏木寺に向かう歩き遍路道は、2016年に国史跡「伊予遍路道 仏木寺道」として指定された古道が残っています。
ただ、この道への入口が少々わかりづらく、多くの歩きお遍路さんが違うルートをたどることが多いので、この記事でご紹介しようと思います。
41番札所龍光寺の門前の鳥居近くに、国土交通省が指定している長距離自然歩道「四国のみち」の道標が立っており、これに次の「42番札所仏木寺」の方向を示す表示があるため、龍光寺参拝後に参道入口まで戻って四国のみちを進む歩きお遍路さんが多いです。
2015年に歩き遍路をしたごんのすけさんも四国のみちを歩いていますので、その時の様子は以下リンクの記事をご参照ください。
【42番札所仏木寺】お大師さまが牛の背に乗って進んだ先には唐から投げた宝珠
国史跡の古道遍路道への入口は、龍光寺の登り坂参道の途中にある標石を目印にお寺駐車情報方向に進む必要があります。
お寺駐車場と墓地を通り抜けて山越えの古道遍路道へ
標石を目印に参道から曲がって脇道に入っていくと、そこは龍光寺の参拝者用駐車場があります。
駐車場の山側斜面はお墓が立ち並ぶ墓地になっていますが、その墓地に入っていく階段が遍路古道の入口になっていて、墓地を通り抜けて龍光寺の境内の裏側の山の中に入っていきます。
墓地を抜けると、山の中の自然道が始まり、ここから約450mは山の中を歩んでいきます。
峠越えの古道遍路道には遍路墓など貴重な史跡が残る
山の中の古道遍路道は、龍光寺境内がある山の東側斜面から、西側の方に抜けるルートになるので、しばらくは登り坂が続き、尾根を越える峠を目指していきます。
しばらく登っていくとほどなくして尾根にたどり着き、この峠を越えると下り道が始まります。
下り道の距離は約150m程度なので、ゆっくり慎重に歩んでもそれほど時間がかかることもなく、龍光寺から山を越えた西側の県道31号に出ます。
このような自然や歴史、地域の生活感を感じることができる道を進むことができるのは歩き遍路ならではの貴重な体験ですし、お遍路の醍醐味のひとつですね。
国史跡指定されていることもあってか、道の整備も行き届いていて、距離や傾斜の難易度も低いので、安全に昔のお遍路さんの雰囲気を味わえる良道だと思います。
【「仏木寺道 県道31号合流地点」 地図】
仏木寺への県道31号はチューリップ・コスモス街道
県道31号の合流地点には新旧の道標が設置されていて、ここでも道に迷うことなく北方向に進み仏木寺を目指します。
ここまでの県道31号の様子の写真をみて気が付かれた人がいるかもしれませんが、県道31号沿いに可憐なコスモスの花が咲き乱れています。
このエリアでは、地域住民の人達が花いっぱい運動の一環でコスモスを植えていて、秋のお遍路シーズンにお遍路さんの目を楽しませ癒しになっていると評判です。
また、チューリップもたくさん植えられていて、春の季節には色とりどりのチューリップの花が遍路道を彩ります。
41番札所龍光寺から42番札所仏木寺に向かうルートのうち、龍光寺の裏山を抜ける古道は、2016年に国史跡「伊予遍路道 仏木寺道」として指定され、歴史や自然を感じることができる良道です。
古道を抜けた先の県道31号は、季節の花が咲き乱れ景色も楽しむことができるので、歩きお遍路さんはぜひ一度この道を歩いてみてください。