【屋島】紅葉の名所の魅力・見どころ・見頃を徹底紹介

香川県高松市にある台形の山容が特徴的な「屋島(やしま)」は、数多くの遺跡や豊かな自然・景観を有している高松市のシンボル的な存在である観光名所です。山と海が織り成す四季折々の風景が楽しめますが、特に秋の紅葉の名所で、多くの見物客が訪れます。

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屋島とは

香川県高松市の北東部、瀬戸内海に面した台形上の山が「屋島(やしま)」です。
その特徴的な山容から、古来から瀬戸内海の海路の目印となり、海外との交流交易海路に面していることもあり軍事的な要衝でもありました。

名称に「島」とついていることからもわかるように、江戸時代までは陸から離れた島で、江戸時代に始まる塩田開発と干拓水田が埋め立てられ、現在は陸続きになっています。

歴史的にみると、663年に起こった「白村江の戦い」の後に屋嶋城が築かれ、山上の全域が城塞となり、奈良時代には唐の僧であった鑑真(がんじん)が「屋島寺(やしまじ)」を創建、平安時代末期に起こった源平合戦では重要な局地戦となった「屋島の戦い」の戦場になるなど、日本の歴史の重要局面でたびたび登場します。

多くの遺跡や豊かな自然・景観を有していることから、昭和9年(1934年)に日本で初の国立公園に指定された「瀬戸内海国立公園」の指定区域のひとつとなり、国の史跡・天然記念物にも指定されています。
昭和時代には観光名所として大いににぎわい、現代でも高松市のシンボル的な存在として親しまれています。

山と海が織り成す四季折々の風景が楽しめるので、地元の人やたくさんの観光客が訪れていますが、特に秋の紅葉が美しいことで知られています。

本記事では、屋島の紅葉の魅力・見どころ・見頃などを詳細に紹介します。

屋島_高松市中心市街地

高松市の中心市街地から台形の特徴的な山容を一望できる「屋島」です。

 

屋島の紅葉の魅力と見どころ

屋島の紅葉の最大の魅力は、カラフルに色づく山肌と、周辺の景観とのコンビネーションです。

屋島山上に登ると、平面で広大な山頂に長距離におよぶ遊歩道および展望スペースが整備されていて、様々な方角を見渡すことができるので、いろいろな屋島の姿や周辺景観を楽しむことができます。

まずご紹介するのは、数ある展望スペースの中でも最も有名な「獅子の霊巌(ししのれいがん)」付近の景観です。
獅子の霊巌は、海に向かって吠えているような獅子そっくりの岩のことで、この周辺には飲食店やお土産物店などが並び、小さい皿状の土器を投げて開運や厄除けを祈願する「かわらけ投げ」をすることができ、多くの観光客が訪れます。
令和4年(2022年)には、屋島山上の新たな観光拠点・ランドマークとしてガラス張りの回遊型施設「やしまーる」が整備され、絶景のフォトスポットとしても話題になっています。

獅子の霊巌エリアから秋の紅葉の時期に北方向を眺めると、カラフルに色づく山肌と瀬戸内海の多島美のコンビネーションを楽しむことができます。

屋島_紅葉_瀬戸内海

赤や緑のマーブルに染まった山が瀬戸内海に突き出し、おだやかな瀬戸内海と海に浮かぶ小島の数々と組み合わさる風景は、屋島の紅葉を象徴する風景です。

獅子の霊巌エリアから西方向を見てみると、たくさんの船が行き交う高松港やビルや住宅が立ち並ぶ高松市中心市街地を見下ろすことができ、こちらの方角の眺めも非常に特徴的です。
夜になると市街地の建物に灯る光が浮かび上がり、夜景スポットとしても人気があります。

屋島_紅葉_高松市中心市街地

眼下の獅子の霊巌周辺の色づく木々と高松市街地の風景のコンビネーションも個性的です。

屋島_紅葉_お土産物店

お土産物店が立ち並ぶ通りは、紅葉の時期には特に風情があります。

屋島山上には、四国の弘法大師空海ゆかりの地を巡る四国八十八ヶ所霊場巡礼の84番札所屋島寺があり、寺院の歴史的建造物と紅葉のコンビネーションも楽しむことができます。

屋島_紅葉_屋島寺山門

屋島寺の歴史を感じる寺院建築と紅葉の組み合わせも、屋島の紅葉の見どころのひとつです。

さらに、屋島の紅葉は山の麓の周辺から色づく屋島を眺めるのもおすすめです。

屋島_紅葉_南山麓から

屋島を南の方角から北に向かって眺めると、きれいな台形の山が紅葉で染まっている様子を眺めることができます。

屋島_紅葉_ことでん

屋島の麓を走るローカル電車「ことでん」のレトロな車両と屋島の紅葉のコンビネーションも乙です。

屋島_屋島富士_讃岐東照宮屋島神社

紅葉の時期の写真ではありませんが、南側の麓にある讃岐東照宮屋島神社あたりからの山容はとがっていて「屋島富士」とも呼ばれており、多様な姿を楽しむことができるのが屋島の魅力のひとつです。

 

屋島の紅葉の見頃

屋島の紅葉は、例年11月に入ると色づき始め、11月中旬頃から12月上旬頃に見頃を迎えることが多いです。山上の方もそれほど標高が高くはないので、平地の紅葉の時期と大きく異なることはありません。

ただし、気候条件や年によって変動がありますので、訪れる前には最新の情報をチェックしてください。紅葉の進行は、一般的に気温の変化に大きく影響されます。秋が深まり、朝晩の冷え込みが強くなると、紅葉が一気に進みます。

色づき始める前の緑豊かな時期や、徐々に色づき始め、緑と赤・黄が混ざり合う時期も美しいので、秋シーズンに複数回訪れて、それぞれの時期の風景を楽しむのもおすすめです。

また、日中と夜間の寒暖差が特に大きい時期に紅葉のピークが訪れるので、この時期は最も鮮やかな紅葉を楽しむことができるとされています。また、朝の光が差し込む時間帯や、夕方の柔らかい光が紅葉を照らす時間帯は特に美しいので、これらの時間帯を狙うと良いでしょう。

 

屋島への公共交通機関でのアクセス

屋島への公共交通機関でのアクセスは、鉄道の最寄駅のJR屋島駅およびことでん屋島駅から屋島山上に向かうシャトルバスが運行しています。JR屋島駅を出て、ことでん屋島駅を経由して屋島山上に向かいますので、所要時間はJR屋島駅から約18分、ことでん屋島駅から約10分で屋島山上に到着でき、運賃は大人200円、子ども・障がい者100円です。
ただし、毎週金曜日・土曜日・祝前日の日中の約90分に1便の運行に限られているので(2024年4月1日改定)、シャトルバスを利用する場合は、事前に時刻表をよく確認して計画を立ててください。

 

屋島への自家用車でのアクセス

公共交通機関でのアクセスが便利ではないので、多くの人が自家用車で屋島にアクセスしています。

高速道路からのアクセスは、高松自動車道・高松中央ICから約10km・約20分です。屋島の麓からは屋島スカイウェイが整備されていて、片側1車線の2車線が確保されていて走りやすい山道ですが、当然のことながらカーブが多く、自転車や歩行者の通行もあるので、安全には十分に注意して走行してください。

屋島山上には約400台駐車可能な屋島山上観光駐車場が設けられていて、駐車料金は普通車300円/1日の固定料金なので、屋島山上での長時間の滞在も安心です。

 

屋島訪問時の注意事項

秋の屋島は、山上の標高はそれほど高くはないものの、平地に比べて気温が低く、特に朝晩の冷え込みが強くなることが多いため、防寒対策をしっかりと行うことが重要です。脱ぎ着しやすいはおりものやマフラー、手袋、携帯用カイロなどを準備しておくと安心でしょう。
また、遊歩道や屋島寺境内は、未舗装で凹凸のある場所や石段・石畳などがあり、特に雨の日や落葉時期は足元が滑りやすくなりますので、履き慣れた歩きやすい靴で散策されることをおすすめします。

秋の屋島は紅葉狩りのお客さんでたいへんにぎわいますし、特に屋島寺にはお遍路さんをはじめ、信仰のための参拝に訪れる人がたくさんいらっしゃいますので、礼儀作法や他の訪問者への配慮を忘れずに、屋島の紅葉を楽しんでいただければと思います。

 

屋島の紅葉は、大きな山のいろいろな場所がカラフルに色づく様子と、屋島寺や周辺の瀬戸内海・高松市街地など多様な風景とのコンビネーションが魅力です。見頃の時期に訪れると、心を打つ美しい紅葉を存分に楽しむことができます。秋の訪れを感じながら、屋島で特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

※香川県の紅葉の名所を以下リンクの記事でまとめてご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

香川県の紅葉の名所5選(栗林公園・屋島・大窪寺・雲辺寺・白峯寺)

※屋島やその周辺、84番札所屋島寺に関しての情報は、以下リンクの記事でもご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

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【「屋島」 地図】

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この記事を書いた人

四国遍路情報サイト「四国遍路」を運営する株式会社四国遍路(https://shikokuhenro.co.jp/)の代表取締役。四国遍路の文化をより良い形で引き継いでいくために、四国遍路に新しい付加価値を生み出すべく日々奮闘中。