84番札所屋島寺がある台形の山「屋島」からの下り遍路道はスリリングでワイルドな道のりです。少々ビビる看板をいくつも発見しましたので、まとめてご紹介します。
登り遍路道で既に危険な兆候あり
84番札所屋島寺は、標高280mの台形の山「屋島」の山頂付近にあり、山を登ってお寺にアプローチします。
この登り遍路道は急勾配の坂道ですが、足元は舗装されていて、安全に歩くことができます。
※屋島寺への登山道の様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。
【84番札所屋島寺への遍路道】屋島を登る急坂にはお大師さまにまつわる伝説の数々あり
ただし、登山道の入口付近にはいくつか物騒な看板があり、少々警戒しながら山に入っていきました。

ここまでの遍路道でイノシシとの遭遇は免れてきましたが、警戒はしておかなければいけないですね。

蜂との遭遇を注意喚起されたのはここが初めてだったように思います。蜂の集団に襲われたらある意味イノシシより恐ろしいかも。
登り遍路道はよく整備されていて、地元の方々が散歩もされていて人通りが多いので、まったく危険を感じることはなく、無事に84番札所「屋島寺」に到着することができました。
ただし、登った山は必ず下りがあるということで、山下りの遍路道はなかなかスリリングな道のりだったので、以下ご紹介していきたいと思います。
「血の池」と廃墟ホテルから始まるスリリングな山下り遍路道
屋島寺の参拝後は、境内に入ってきた山門・四天王門とは別のお寺境内東側の「東大門」から出て、東方向に進んでいきます。
その途中には、「瑠璃宝(るりほう)の池」という池があり、この池はお大師さまが屋島寺を現在の場所に移築した際に、お経と宝珠を納めて池としたそうなのですが、竜神が宝珠を奪いに来るという言い伝えもある伝説スポットです。
さらに池の紹介看板に通称「血の池」というただならぬ表記がありました。
この名の由来は、源平合戦の際にこの地で激戦を繰り広げた武士達が血の付いた刀をこの池で洗って池が血の色に染まったことからつけられたそうで、それを聞くと、ちょっと恐ろしい雰囲気を感じてきてしまいました。

屋島寺近くでのどかな雰囲気の池なのですが、エピソードを聞くと恐ろしくなってくるから不思議です。
さらに進んでいくと、昔は大勢の観光客が訪れたであろう大きな旅館が廃墟になっていて、ガラスが割れたり、窓やドアが開けっぱなし、ゴミが散乱していて、これもあまりよい気持ちはしませんでした。
なんとなく暗い気持ちになりながら、山下り遍路道の入口方向に進んでいきます。

下り遍路道は「屋島」の東側斜面を下っていきますが、山上から下り方向を眺めると、高松市街方向とは味が違う山と入り組んだ湾の景色が眼下に広がっています。
たくさんの危険な看板が掲示されている屋島からの山下り遍路道
屋島からの下り遍路道の入口は、ワイルドな道であることを予感させるに十分な雰囲気でした。

お地蔵さんが見守ってはくれていますが、リアルな山火事注意ポスターがワイルドな山道であることを示しています。
少し進むと、さらにこんな看板がありました。

かなり詳細な注意喚起で少々ビビります。
この下り遍路道は、看板の内容通り、かなりスリリングな道のりです。

階段状になっていますが、段差がまちまちで1段の段差がとても大きい部分もあり、注意が必要です。

たしかに足元には注意が必要で、ずっと下を向いて歩いていくことになりました。

雨が降ったりしてぬかるんでいるときは確かにスリップ注意で、綱に捕まりながら歩きたくなりますが、綱を掴むのも危険なので、気をつけてください。
ここまでワイルドな下り道は、ここまでの遍路山道の中でもなかなか経験しなかったぐらいです。
ゆっくりゆっくり慎重に下っていった先には、自動車専用の「屋島ドライブウェイ」があり、この道を横切って歩き遍路道を進むのですが、ここにも危険?な看板がありました。

屋島ドライブウェイ自体は歩行者通行禁止なのですが、横断する場合は「速く」渡らなければならないのです。
そして、屋島の山中ではイノシシ出現率がほんとうに高いのであろう看板もありました。

遍路道にはイノシシ対策の柵があって、ふもとの住宅地にイノシシが侵入しないように工夫されていました。

イノシシが罠にかかっている様子を怖いもの見たさはありますが、できれば遭遇したくないものです。
このようにたくさんの危険をお知らせしてくれる看板がある遍路道をなんとか無事に下りきりました。
ここまでの注意喚起があった遍路道はここだけのように思います。
屋島からの下り遍路道は、たくさんの注意喚起も理解できるワイルドな遍路道です。
細心の注意を払うことはもちろんですが、数ある危険な看板にも注目してみると、それはそれで楽しむことができるかもしれません。