23番札所薬王寺を出発してからは、果てしなく先の室戸岬を目指して、海沿いの国道55線をひたすら南下します。歩道未整備区間がありますが、お遍路さんのための「グリーンライン」に守られ、一歩一歩進んでいきます。
75km先の室戸岬「最御崎寺」を目指す
23番札所薬王寺を出発すると、次の札所は室戸岬の24番札所最御崎寺で、その距離75km、札所間の距離が2番目に長い試練の道です。この道のりは海を左手に見ながら、国道55号線舗装路をひたすら南下する道のりです。
私はこの日、22番札所「平等寺」からスタートし、23番札所「薬王寺」を打ったあと、「道の駅日和佐」で休憩をはさみ、別格4番「鯖大師」まで歩きました。
距離にして40kmを少し超える長距離歩行で、あとから思えば、早く進みたい焦りと、「遍路ころがし」といわれる徳島の難所をクリアし、アップダウンの少ない舗装路に油断があったと思います。
室戸岬への長距離歩行とペースアップがあとあとの苦難につながってしまうのですが、それは別の機会にご紹介するとして、みなさんはけっして体に無理のない範囲で一歩一歩ゆっくり歩まれることをオススメします。
この記事では、23番札所「薬王寺」から、この日の宿泊場所である別格4番「鯖大師」までの道のりの国道55号沿いの注目スポットをご紹介します。
お遍路さんのための「グリーンライン」
しばらく進んで、美波町から牟岐町に入っていくあたりで、歩道がない場所に行き当たります。国道55号は車の交通量がとても多く、広い道でもあるので、スピードもかなり出して走っています。そんな道で歩道がないと、歩き遍路さんは危険にさらされてしまうのです。
ここで注目していただきたのが、上の写真の緑のラインです。歩道がないのですが、区切りの白線に加えて、緑のラインで車道と路肩の境目をわかりやすくしてくれています。
これが「グリーンライン」と呼ばれるもので、すぐに歩道を整備するのは難しいものの、ドライバーに注意して運転するように促す目的で国土交通省が整備をしてくれています。
しかも、道のどちら側を歩けば安全かも看板で指示してくれますので、危険ではありながら、歩行者にもドライバーにも十分な注意喚起にはなっていると思います。
歩き遍路さんが歩くことを前提にいろいろな対策をしてくれている四国の道のりに感謝の意も強まっていきます。
ちなみにこの「グリーンライン」は、薬王寺より手前の星越峠周辺から整備が始まったようで、平等寺から国道旧55号の峠越え山ルートを選択した場合は、ここに牟岐にたどり着く前にかなりお世話になっているはずです。
私は海岸ルートを選択したので、牟岐手前で初めて遭遇しました。
※薬王寺までの遍路道の様子は、以下記事もぜひご覧ください。
【22番札所平等寺→23番札所薬王寺】海岸ルートで大浜海岸「厄除橋」から薬王寺を眺める
「聖火宿泊記念」「さぬきうどんイートインローソン」「ロボット寿し」
牟岐のまちに入っていくと、おもしろスポットがいくつかありましたので、まとめてご紹介。
まず、JR牟岐駅前には「東京オリンピック聖火宿泊記念」の聖火ランナー像。
ちょっと調べてみると、東京オリンピックの聖火リレーは全国をまわることを前提に4つのコースでリレーされ、10万人以上の聖火ランナーがいたそうです。牟岐にもそのうちのひとつのルートで聖火が運ばれてきたそうです。
二つめは、「さぬきうどん」のイートインコーナーが併設された「ローソン」です。
遍路で四国を一周する中で、無数のローソンを見かけ、買い物でお世話にもなりましたが、「さぬきうどん」のイートイン併設はここだけでした。しかも「讃岐」でもなく「阿波」なんですけどね。
相当気になりましたが、私は本場讃岐に入るまではうどんは食べないこと(私は「うどん断ち」と呼んでいます)にしていたので、なくなく素通りし、この店がどういう経緯でこんなお店になっているのかもわからずじまい。
もしご存じの方がいらっしゃったらぜひ教えていただきたいです。
あまりに気になるので、店舗情報も載せておきます。
店舗名: | ローソン 牟岐町中村 |
住所: | 徳島県海部郡牟岐町大字中村字大谷30‐1 |
電話: | 0884-72-1244 |
最後三つめは「ロボット寿し」です。
とにかく写真にてご確認ください。
寿し握りの機械が握っているということなのでしょうか。もしそうだとしても、それをアピールしなくてもよいような気がするのですが。ここも真相不明なので、もし事情をご存じの方がいらっしゃったら教えてください。
ということで、牟岐に入ってくだらない写真を撮っているときは、完全に日没し、真っ暗になっていますね。振り返ると、よくこんな余裕があったもんだと思います。
この日は初めての夜間歩行で、田舎の夜は本当の意味で「真っ暗」なので、懐中電灯を持って歩きました。目的地の別格4番「鯖大師」に到着したのは20時を過ぎていました。こんな無理はすべきではないと、あとからかなり反省しました。
ともすれば単調な国道を淡々と歩いてしまいがちですが、各地域にはいろいろなものがありますので、なるべく目を配り、楽しみながら進んでいかれるとよいと思います。