【38番札所金剛福寺】トロピカルな雰囲気の境内で早朝参拝

札所間の距離が最も長く遠方に位置する38番札所金剛福寺。距離は長いが平坦なルートを走行し、たどり着いたのはあまり見かけない植物がトロピカルな雰囲気を醸し出すお寺だった。

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ご近所札所が最も遠い場所に位置する霊山

ミニベロ遍路 金剛福寺

金剛福寺のお庭は手入れが届いていて素敵

38番札所金剛福寺は、四国八十八ヶ所霊場の札所の中では、その前と次のお寺との距離が一番遠い寺院となる。37番札所岩本寺から約90km、次の39番札所延光寺まで約70kmという位置関係。道のりが遠く、特に歩き遍路の人達にとっては精神的にたいへんな、つまり頑張らなければならない区間となる。
自転車遍路の場合、前の37番札所から遠回りした道を含めて約100kmが実質的な走行距離として考えておく必要がある。つまり、一日がかりとなるわけだが、それらの区間の道の状況としてはほとんど平坦なルートとなるため、あまり体力を消耗するようなこともなく、一定のペースを守り楽しく走り抜けることができるファンルートといえる。

 

金剛福寺での早朝参拝

前日の足摺岬への到着時間が遅かったため、次の日の朝に金剛福寺でお参りをすることにした。四国八十八ヶ所霊場の札所は基本的に17時に納経所が閉まるため、もし札所に到着する時間が遅く参拝がかなわなかった場合などは、翌朝に持ち越すことになる。朝は早い時間通常7時頃から納経所が開いているので、その日の出発前に参拝を行うことも多い。
金剛福寺の境内の庭はとても綺麗で手入れが行き届いている。仕事に精を出す庭師さんが何人かおられた。参拝者のためにお庭を丁寧に掃除しているのだろう。黙々と手元を動かす彼らを眺めながら、もしかするとこれもある種の瞑想のひとつかもしれないな、と感じた。庭の真ん中にたくさんの鯉が泳ぐ大きな池があり、それを囲むように散策が可能となっている。いわゆる、回遊式庭園のひとつだ。庭に芭蕉の木があり、南国の雰囲気を醸し出す役割を果たしていた。海の香り、そしてあまり他では見かけない種類の植物とお寺の池の組み合わせが創作料理のように面白く、その一風変わった雰囲気を持つお寺の境内は私を落ち着かせた。

 

【38番札所】  蹉跎山 補陀洛院 金剛福寺(さださん ふだらくいん こんごうふくじ)
宗派: 真言宗豊山派
本尊: 三面千手観世音菩薩
真言: おん ばざらたらま きりく
開基: 弘法大師
住所: 高知県土佐清水市足摺岬214-1
電話: 0880-88-0038

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この記事を書いた人

兵庫県出身で、5歳の時に英国に移住し、2017年より京都を拠点に活動している。訪日外国人対象のツーリストガイド、大手インバウンド旅行会社の運営マネージャーなど、いろいろな観光サービスに従事し、すべての観光客が、本物の日本文化に触れ、特に美しい自然を体験してくれることを望む。