【22番札所平等寺】四国遍路で足が治った伝説を伝える「箱車」

22番札所平等寺は、病気や身体の悪いところが治るご利益があるとされています。本堂の隅には、そのご利益を物語る「箱車」が置かれています。

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病気平癒の寺「平等寺」

22番平等寺本堂

22番平等寺本堂

山門をくぐり参道を通り、階段を上がったところにある本堂。
お堂から延びる糸は本尊・薬師如来と繋がっていて、握るとお薬師さまに触れているのと同等のご利益を頂けます。

中に入って右奥に目をやると…

22番平等寺本堂内 箱車

22番札所平等寺本堂内に見慣れないものがあります。

大きな小屋のようなものが置いてあります。

22番平等寺本堂内 箱車 拡大

近づいて見てみるとこのような形状をしています。

大人一人が入れる大きさ。
近づいて見てみると、薄いガラス窓や祈願文などが書かれていることがわかります。

 

日本版車椅子「箱車」

22番平等寺本堂内 箱車 説明書き

22番札所平等寺本堂内にある「箱車」の説明書き。

文章によると 「歩行が困難な方を乗せて動かす車椅子のような役割」 と書かれています。
言わば日本版車椅子。

この箱車の持ち主は高知県土佐郡地蔵寺村(現在の土佐町、早明浦ダムがある辺り)の父子。
足の不自由な息子の回復を願う父は箱車を製作。
息子を乗せて自身が車を曳いて、四国遍路を回っていた。

自宅から近い35番清瀧寺から回り始め、四国を時計回りに巡拝。
徳島県の22番平等寺へ来た時にご住職の加持祈祷を受けたところ、子は松葉杖で歩行できるまで回復。
喜びと自身が授かったご利益を後世に伝えるため、箱車をこちらに奉納した、と。

 

箱車に書かれている文字

22番平等寺 箱車文字

箱車にはたくさんの文字が書かれています。

右側に "奉納 四國八十八ヶ所 同行二人" の字が見える。

22番平等寺 箱車文字アップ

ドア部分をアップにしてみるとこのような文字が書かれています。

右から、

"南無大師遍照金剛"
"〇に土" "高知縣土佐郡地蔵寺村" "筒井林之助"
"南無阿弥陀佛"

仏さま・お大師様のご加護を受けて、土佐の筒井林之助という者が四国遍路を回っている、という周囲へのアピール。
そして今は物言わぬ物証として、絶えることなく訪れる巡拝者たちに四国遍路の功徳を説いていると言えるでしょう。

 

徳島県の22番札所平等寺へ行かれた際には、本堂の片隅に置かれているこちらの箱車をどうぞご覧ください。
そして病気平癒・無病息災のお祈りも忘れずに。

 

 

【22番札所】  白水山 医王院 平等寺(はくすいざん いおういん びょうどうじ)
宗派: 高野山真言宗
本尊: 薬師如来
真言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
開基: 弘法大師
住所: 徳島県阿南市新野町秋山177
電話: 0884-36-3522

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この記事を書いた人

四国遍路案内人・先達。四国八十八ヶ所結願50回、うち歩き遍路15回。四国六番安楽寺出家得度。四国八十八ヶ所霊場会公認先達。 高松市一宮町で「だんらん旅人宿そらうみ(http://www.sanuki-soraumi.jp/)」を運営。