【知多四国霊場】巡礼文化も根付くタコとフグとビーチのリゾート島「日間賀島」

愛知県の三河湾に浮かぶ「日間賀島」には、知多四国霊場37番札所大光院があり、お遍路さんが船で訪れます。タコとフグが名物グルメで、海水浴や温泉、歴史散策など、たくさんの魅力が詰まったリゾート島として人気があります。

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三河湾に浮かぶリゾート島「日間賀島」

愛知県の知多半島と渥美半島に囲まれた三河湾に浮かぶ「日間賀島(ひまかじま)」「篠島(しのじま)」「佐久島(さくしま)」の3島は「三河湾三島」と呼ばれています。
その中の日間賀島は、愛知県南知多町に属し、知多半島の南知多町師崎港(もろざきこう)から高速船で10分、美浜町の河和港(こうわこう)から20分の定期船でアクセスできます。日間賀島全域が三河湾国定公園に指定されており、美しい自然と豊かな海の幸が年中楽しめ、マリンアクティビティや宿泊施設も充実しているリゾート島として人気があります。

日間賀島_高速船

日々たくさんの観光客を乗せた高速船が、知多半島と日間賀島を往復しています。

 

名物グルメ「タコ」「フグ」

日間賀島の名物といえば「タコ」です。島の周辺で獲れた新鮮なタコを丸ごとゆでた茹蛸(ゆでだこ)をはじめ、刺身、唐揚げ、しゃぶしゃぶなど、様々なタコ料理をお値打ち価格で提供する飲食店が複数あり、年中お客さんがたえません。中でも、タコの旨味が染み込んだ「タコ飯」は、日間賀島の名物料理として有名です。タコには、タンパク質とタウリンが豊富で抗酸化物質も含まれており、血流促進、免疫力アップ、肝機能も高める働きなどがあるとされているので、健康食としても人気になっています。

日間賀島_タコモニュメント

タコのモニュメントは人気の撮影スポットです。

日間賀島_たこ焼き

もちろん「たこ焼き」も日間賀島の定番グルメのひとつです。

冬が近づくと、日間賀島は「フグ」の島へと変わります。全国でも屈指のトラフグの漁場として知られ、10月から3月位までが、身が締り脂がのり旨味を増すフグの旬の季節とされています。島内には、フグ料理を提供する料理旅館や民宿が多数あり、毎年年末年始には特ににぎわいます。繊細な味わいと弾力のある白身は、てっさ(刺身)、てっちり(鍋料理)、唐揚げ、寿司、雑炊など、様々な調理法で楽しむことができ、白子焼きは贅沢な珍味です。また、クサフグというトラフグの一種を活用した土産物も人気があります。

日間賀島西港から東に伸びる通りには、たくさんの飲食店が並び、食べ歩きスポットとしてにぎわっています。地物の魚介類の天ぷら、たこ焼き、タコやエビをプレスして焼くソフト焼きなど、その場で熱々をほおばるグルメが人気を集めています。

日間賀島_西港グルメストリート

飲食店街はハイシーズンには行列ができるお店もあります。

 

太陽が降り注ぐビーチと歴史が長い温泉

日間賀島には2つのビーチがあり、海水浴場として昭和30年(1955年)頃から人気です。
西浜海水浴場(サンセットビーチ)は、西港からすぐの場所で、夕日が美しく見えることで知られ、夏の海水浴はもちろん、イルカと触れ合ったりエサやり体験ができるアクティビティもあります。
東浜海水浴場(サンライズビーチ)は、東港から徒歩5分の場所で、日間賀島の原風景ともいえる自然豊かなのんびりした雰囲気で、水平線から登ってくる朝日を見ることができます。
2つのビーチは砂の質感や景色が異なるので、それぞれに違った魅力があり、若者やカップルには特に好評です。

日間賀島_ビーチ

美しいビーチは日間賀島を訪れる目的の大きな要素のひとつです。

日間賀島は温泉地としても知られています。その歴史は古く、江戸時代に「熱の湯」と呼ばれていた温泉が尾張徳川家の療養場として重宝されていたという記録ものこっています。現在の温泉は、昭和30年代(1955年~1964年)に開発されたのもので、地下水目的で掘削した際に、偶然に温泉がわきでたのが始まりだそうです。源泉かけ流しの温泉旅館の宿泊でじっくりと満喫することはもちろん、日帰り入浴もできる宿も多いので短時間で気軽に温泉を楽しむこともできます。

 

海上安全の信仰をあつめる知多四国霊場37番札所大光院

日間賀島には、知多四国霊場37番札所大光院(だいこういん)もあり、お遍路さんも島に訪れます。
鎌倉時代の建歴2年(1212年)、現在の南知多町大井にあった医王寺(いおうじ)が鎌倉時代に焼失し、一つの坊が日間賀島に再建されたのが始まりとされ、開山は秀養、中興は政雄と呼ばれる僧侶が尽力と伝わっています。日間賀島の東港から、徒歩3分の高台に建っていて、西港からは距離があるので、参拝者の多くは東港からアクセスしています。
※医王寺に関しては、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

【知多四国霊場】風光明媚な港町・南知多町にある札所群「大井の5ヶ寺」

宗派は真言宗豊山派で、御本尊は大日如来です。本堂右から、薬師如来・不動明王・大日如来・弘法大師の順に祀られています。別堂には金毘羅大権現が祀られており、海上安全の守り神として島民の信仰をあつめています。
大光院は、島の人々にとってなくてはならない場所として守り引き継がれていて、知多四国霊場を巡礼するお遍路さんはもちろん、観光客も訪れる人気スポットになっています。

知多四国霊場では、この大光院のように知多半島から離島に渡る札所があり、船で参拝に訪れる非日常感や、海に囲まれた島の自然や観光も楽しむことができるところも巡礼の魅力のひとつだと思います。
※同じく離島の札所がある篠島について、以下リンクの記事で紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

【知多四国霊場】札所が3ヶ寺あり伊勢神宮と関係が深い聖域「篠島」

知多四国霊場37番札所大光院

日間賀島の島民も信仰をあつめ、お遍路さんが訪れる知多四国霊場37番札所大光院。

 

章魚阿弥陀伝説の安楽寺

日間賀島には大光院以外にも神社仏閣が多数あり、興味深い謂れやエピソードがのこっています。

そのうちの一つが、安楽寺(あんらくじ)の「章魚阿弥陀(たこあみだ)」です。
日間賀島と隣の佐久島の間に大磯と呼ばれる場所があり、ここにかつては日間賀島と陸続きの島が存在し、筑前寺という寺があったそうです。しかし、室町時代後期の明応7年(1498年)に大地震(明応地震)がおこり、この島は地震と津波で海中に沈み、筑前寺の御本尊も行方不明になりました。月日がたち、その海域で漁師がタコ漁をしていると、筑前寺の御本尊とされる阿弥陀像を抱いたタコが引き上げられ、日間賀島の安楽寺に安置されて以降は章魚阿弥陀と呼ばれ、大切にされているというエピソードです。

日間賀島_安楽寺。

安楽寺には日間賀島の名物のタコと信仰が関係する興味深いエピソードがあります。

日間賀島_安楽寺_たこあみだ御朱印

阿弥陀如来とたこが描かれた可愛い御朱印が、御朱印集め好きの間で話題になっています。

この他にも、日間賀神社、八幡社、呑海院、鯖大師など、たくさんの信仰スポットがあり、島内での歴史散策もおすすめです。

 

三河湾に浮かぶ日間賀島は、小さな離島ですが、いろいろな魅力が詰まっています。知多半島からの船のアクセスが良いので、気軽に訪れることができる島でありながら、非日常感も存分に味わうことができます。
知多四国霊場巡礼で島を訪れた際には、タコやフグの名物グルメ、マリンアクティビティや温泉、歴史散策など、日間賀島の魅力をぜひ堪能してみてください。

 

【「日間賀島」 地図】

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この記事を書いた人

知多半島のお寺が好きで、知多四国霊場を中心にいろいろな霊場を巡礼し、観光やご当地グルメ(特にラーメン)も楽しんでいます。御朱印集めも趣味で、知多半島のお寺の御朱印はもちろん、全国各地の御朱印をもらいに巡り、アート御朱印などは取り寄せたりもしています。