【知多四国霊場34番札所性慶院→36番遍照寺】潮風香る港町のお遍路道

知多四国霊場34番札所性慶院から36番札所遍照寺に向かうお遍路道中は、知多半島を代表する港町を通ります。マリンレジャーの拠点でもあり、近海で獲れた新鮮な海の幸を求めるなど、多くの観光客でにぎわう人気スポットでもあります。

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知多半島を代表する漁港「大井港」「師崎港」

愛知県南知多町の大井(おおい)から師崎(もろざき)にかけての地域は、伊勢湾や三河湾の豊かな漁場に恵まれ、古くから漁業が発展してきました。

現在も知多半島を代表する漁港があります。
その中でも大井漁港と師崎漁港が特に有名で、伊勢湾や三河湾で取れた多様な魚介類が水揚げされ、漁港周辺には海産物を販売する直売所や新鮮な魚介類を使った料理が売りの宿泊施設がたくさんあります。
また、潮干狩りや釣りなどの海のレジャーも楽しめるため、人気の観光スポットにもなっています。

師崎漁港は、三河湾に浮かぶ日間賀島(ひまかじま)や篠島(しのじま)への島旅の玄関口でもあり、渥美半島の先端の伊良湖への船も出ているため、三河湾観光の拠点の役割もあります。
大井漁港は、弘法大師空海が知多半島に上陸した場所としても知られていて、知多四国霊場の原点となる信仰の地としても重要視されています。
※日間賀島と篠島に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

【知多四国霊場】巡礼文化も根付くタコとフグとビーチのリゾート島「日間賀島」

【知多四国霊場】札所が3ヶ寺あり伊勢神宮と関係が深い聖域「篠島」

南知多町の観光が注目されるようになったのは昭和30年頃に起こった観光ブームです。
庶民が観光レジャーを楽しむようになり、愛知県内の大都市圏・名古屋エリアなどから家族連れやグループで日帰り旅行や温泉宿泊旅行にこぞって訪れました。海水浴や潮干狩り、海鮮料理と温泉宿泊、島めぐりや知多四国霊場めぐりなどが人気になり、観光地としての認知が広がっていきました。

知多四国霊場巡礼においては、34番札所性慶院(しょうけいいん)から36番札所遍照寺(へんじょうじ)にの区間が、南知多町の港町の順路にあたります。特に徒歩で巡礼するお遍路さんは、のどかな漁港の雰囲気や三河湾からの気持ち良い海風を感じながら歩みを進めることができます。

このエリアの見どころをお遍路道順にご紹介していきます。

大井名所めぐりマップ

大井の観光マップには、「空海ロード」と呼ばれる弘法大師空海にちなんだ散策路も紹介されています。

師崎名所めぐりマップ

師崎の観光マップには、漁師町の見どころが紹介されています。

 

港町の老舗醸造蔵「徳吉醸造」

34番札所性慶院の山門を出て、県道281号線を東に約220m進むと県道247号線に合流しますので、大井漁港前の交差点を左折します。北に約300m進むと左に入る路地が見えてきますので左折し西方面に進みます。
路地を約60m進むと、左手に最初の見どころである「徳吉醸造(とくよしじょうぞう)」があります。

大井漁港前交差点

大井漁港前の交差点は、大井漁港が目の前の絶景ロケーションが広がっています。

徳吉醸造前交差点

県道247号線を北に進むと左側に徳吉醸造の看板がありますので、左折し路地に入ります。

徳吉醸造前路地

路地には歴史を感じる黒壁づくりの建物がひっそりと佇んでいます。

徳吉醸造は大正10年(1921年)創業の老舗で、南知多町で一軒だけの醸造所です。
元々は大井の港で材木や荷物の運搬する海運業を商いにしていましたが、嵐に巻き込まれたことにより商売をかえ、地域がら米、大豆、小麦といった材料の調達に都合がよかったため醸造業を始めたそうです。
徳吉醸造では、今でも「麹ふた」や「杉樽」を使った、昔ながらの伝統的な作り方で「豆みそ」や「たまり醤油」を製造し、伝統の味を守っています。地元で獲れた魚にあう調味料として、地元料理店や一般家庭に長年にわたり愛されてきました。
現在はネットでの取り寄せもできるため、気軽に地域の味が楽しむことができます。

店舗では、種類豊富な味噌や醤油のテイスティングもできるので、お遍路道中に立ち寄って、お気に入りの味を見つけてみていただきたいです。

徳吉醸造

徳吉醸造の直売所には様々な商品が陳列されており、お遍路土産にも重宝します。

 

南知多の海産物がそろう「ヤマキ海産」

お遍路の道順では、路地を戻って再度県道247号線を進みます。大井漁港前交差点から道なりに約1km南方面に進むと、次の見どころである「ヤマキ海産」があります。

ヤマキ海産前

県道247号線のゆるやかな坂道の途中に「ヤマキ海産」の店舗があります。

ヤマキ海産は、海産物の加工・販売を行う会社です。地元で獲れる新鮮な魚介類を中心に、海産物を使用した干物や佃煮、珍味などを製造・販売し、品質の高さで知られています。南知多町内のいろいろな場所でヤマキ海産の商品が販売されています。
この場所は工場直売所があり、試食をして購入できるのが魅力で、観光スポットにもなっています。知多四国霊場の協賛店でもあり、お遍路さんが立ち寄る姿もしばしば見かけます。

ヤマキ水産工場直売所

ヤマキ海産工場直売所では、ここで製造された海産加工品はもちろん、地元銘菓なども販売されています。

35番札所成願寺(せいがんじ)はヤマキ海産を右折し、県道247号線を南方面に約200m進むと、右手に入る路地が見えてきますので右折し西方面に進みます。
分岐から約220m路地を進むと右手側に35番札所成願寺に到着します。

35番札所成願寺分岐

35番札所成願寺への分岐には、知多四国霊場の旗と道標が設置されていますので目印にしてください。

35番札所成願寺

細い路地を真っ直ぐ進むと、右手に35番札所成願寺が見えます。

 

知多半島の有名観光スポット「師崎漁港朝市」

35番札所成願寺から36番札所遍照寺に向かうには、来た道を戻り県道247号線に再度合流し、左折して南方面に進みます。
県道247号線を約1.2km南下すると、左手に「マルイ商店」が見えてきますので、左折し東方面に進みます。漁港を道なりに約900m進むと、次の見どころである「師崎漁港朝市」に到着します。

師崎漁港の朝市は、愛知県南知多町の師崎港で毎週土曜と日曜の朝からお昼まで開催される、知多半島を代表する人気の朝市です。伊勢湾や三河湾で水揚げされたばかりの新鮮な魚介類をはじめ、干物や加工品、地元で採れた季節の野菜や果物が豊富に揃います。地元の漁師や農家が直接販売しているので、商品に関する説明や調理方法のアドバイスも受けられます。
この朝市の魅力は、試食をしながら買い物を楽しめることです。出店者のこだわりが詰まった一品をその場で味わい、お気に入りの商品を見つけることができます。新鮮な食材と港町の賑やかな雰囲気を満喫できる師崎漁港の朝市で、地元の味覚をぜひ堪能してみてください。

師崎漁港の朝市

師崎漁港のすぐ隣に朝市の会場が設置されています。

36番札所遍照寺に向かうには、師漁港崎朝市から西に入る道がありますので右折し約130m進むと県道247号線に再度合流します。さらに約200m南方面に進み、左に大きくカーブする手前を右に入り、路地を西方面に進みます。約90mほど道なりに進むと、36番札所遍照寺に到着します。

36番札所遍照寺分岐

港町には細い路地がいくつもあり、36番札所遍照寺へも路地に入っていきます。

36番札所遍照寺_路地分岐

路地に36番札所遍照寺の道標と看板があるので、目印にしてください。

36番札所遍照寺

36番遍照寺の御本尊は弁財天で、山門が赤いのが特徴です。

 

愛知県南知多町にある34番札所性慶院から36番札所遍照寺までのお遍路道中の港町エリアは、古くから漁業と観光で栄えてきました。知多四国霊場巡礼においても、弘法大師空海が知多半島に上陸した地として重要視されています。
潮風を浴び、海の恵みを味わいながらゆったりと散策していただきたいエリアです。

※34番札所遍照寺が含まれる大井地域の5ヶ寺を、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

【知多四国霊場】風光明媚な港町・南知多町にある札所群「大井の5ヶ寺」

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この記事を書いた人

知多半島のお寺が好きで、知多四国霊場を中心にいろいろな霊場を巡礼し、観光やご当地グルメ(特にラーメン)も楽しんでいます。御朱印集めも趣味で、知多半島のお寺の御朱印はもちろん、全国各地の御朱印をもらいに巡り、アート御朱印などは取り寄せたりもしています。