【82番奥の院鷲峰寺】鑑真和上がインドの聖山に見立てて開基したお寺

香川県高松市国分寺町にある鷲峰寺は、奈良時代に唐より渡来した鑑真和上が開いたお寺で、背後の鷲ノ山をインドの聖山「霊鷲山」に見立てて寺の名前がつけられました。また82番札所根香寺の奥の院でもあります。

 

鑑真和上の開基として知られる「圓通山鷲峰寺」

香川県高松市国分寺町の鷲ノ山(わしのやま)中腹にある圓通山鷲峰寺(えんつうざんしゅうぶじ)は、奈良時代に唐より渡来した鑑真和上が開いたと伝わるお寺で、82番札所根香寺の奥の院でもあります。
お寺の背後の鷲ノ山が、インドでお釈迦様が説法したといわれる聖山「霊鷲山」に似ていることから「鷲峰寺」と名付けられたそうです。

鷲峰寺山門_表

鷲峰寺の山門前の駐車スペースは小さいので、参拝以外の駐車は禁止されています。

鷲峰寺は平安時代前期に空海の甥である円珍の働きかけで清和天皇の勅願寺となった寺院ですが、戦国時代、土佐の長宗我部軍による讃岐侵攻を受けて伽藍が焼失。その後、高松藩初代藩主である松平頼重の命により江戸時代前期の1676年に再建されました。

高松松平家の祖である松平頼重は、高松藩藩主となった際に藩内の寺社整備を熱心に行ったことで知られる人物で、現在の鷲峰寺の姿が残っているのも、松平頼重公の功績といえます。

また、鷲峰寺は82番札所根香寺の奥の院でもあり、共通点としてはどちらも円珍に関わり深いお寺であること、鷲ノ山は古墳時代に石棺に使われた「鷲ノ山石」の産地で、また根香寺がある五色台もサヌカイトという石の産地であり、古代から聖地とされてきました。

参考記事:
【香川県五色台エリア】レイライン的な観点から見た札所の構造-82番札所根香寺

鷲峰寺山門からの眺め

山門から見た景色。

 

重要文化財「木造四天王立像」の拝観には予約が必要

本堂への参道には、国の重要文化財「木造四天王立像」が納められた収蔵庫があります。拝観には事前の予約が必要との情報がありましたので、希望する人はお寺に問い合わせてみると良いでしょう。

鷲峰寺四天王収蔵庫

四天王立像が納められた立派な収蔵庫。

鷲峰寺墓

収蔵庫の向かい側には「良圓」という人物の名が刻まれた五輪塔がありました。

 

若紅葉に囲まれた本堂へ

鷲峰寺は鑑真和上が釈迦如来像を安置したと伝わるお寺で、御本尊は釈迦如来です。
参道をまっすぐに進んだ先に階段があり、階段を上がった先に本堂、階段の下の左側に大師堂がある構造です。本堂横には「新四国道」というミニ八十八ヶ所霊場があり、約2kmの周回道に石仏が配置され、鷲ノ山中腹をぐるりと周遊することができます。

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鷲峰寺本堂までの階段

本堂へ続く階段。

鷲峰寺本堂

若紅葉が映える本堂の様子。

鷲峰寺ミニ88

全長2キロの道に石像が並ぶミニ八十八ヶ所が本堂横にあります。

鷲峰寺_菩薩と塔

大師堂の近くには虚空蔵菩薩と石造の五重塔がありました。

 

景色も緑も気持ちの良い参道

参拝した日の天気が良かったこともありますが、お寺が山の中腹で小高い場所にあるため、境内からは開けた心地よい景色を見ることができました。

焼失と再興の歴史を持つ鷲峰寺ですが、現在はその激動の歴史が想像できないほど穏やかな印象を受けました。小高い場所にあるので眺めも良く、ちょっとした散策にもってこい場所です。

鷲峰寺参道

本堂側から山門を見た参道の様子。

圓通山鷲峰寺瓦

山号である「圓通山」の圓の字が刻まれた瓦。

鷲ノ山

鷲峰寺のある鷲ノ山を遠くからみるとこのような形をしていますが、インドの霊鷲山に似ているのでしょうか?

 

香川県の国分寺エリア〜五色台エリアにかけては弘法大師の足跡が多く遺っており、古くより聖地とされてきた場所です。鷲峰寺はその中でも讃岐らしい穏やかな場所にありますので、ゆったりとした気持ちで霊場巡りが楽しめると思います。

 

【「82番奥の院鷲峰寺」 地図】

この記事を書いた人

廣瀬美音子
札幌で生まれ育ち、東京にて都市計画コンサルタントに従事。結婚を機に香川に移住し、地方自治体勤務などを経て、2019年から株式会社四国遍路(https://shikokuhenro.co.jp/)に入社。お遍路文化を通じた新しい四国の楽しみ方を模索しています。日本酒とワインが好き。