二番目の遍路ころがしに挑む前の水・トイレ・電気・コンロ・寝具完備の善根宿【寿康康寿庵(法泉寺)】
阿波の関所である19番札所「立江寺」を無事通過できると、次の20番札所「鶴林寺」は二番目の難所「遍路ころがし」です。
その手前のたいへんありがたい善根宿「寿康康寿庵(じゅこうこうじゅあん)」でひと休みしていきましょう。
しばらくの平地歩行に別れを告げる
13番札所「大日寺」で徳島市内に入ってから、徳島市街ルートを通ってくると、しばらくは平地で12番札所「焼山寺」を思えば、大都会を通過してきます。
最初にして最大の難所「焼山寺への遍路ころがし」の疲労も少しずつ回復していかなければいけない道のりです。
徳島市内を抜け、海に近い沿岸地域を南に小松島市内に入り、18番札所「恩山寺」を打ち、阿波の関所である19番札所「立江寺」を無事通過できれば、再度山の中に入っていきます。
次の20番札所「鶴林寺」への登山は、二番目の「遍路ころがし」です。
それに備えて、登山手前で休養できるたいへんありがたい善根宿「寿康康寿庵(じゅこうこうじゅあん)」をこの記事でご紹介します。
「法泉寺」が目印
19番札所「立江寺」を出発して、内陸の山方向に田舎道を進んでいきますが、約4km進んだ遍路道沿い右側に「法泉寺前」バス停があり、ここが善根宿「寿康康寿庵」の目印です。

進んできた方向からバス停手前側目の前にプレハブ小屋があり、これが「寿康康寿庵」です。

わかりやすいのですが、いわゆるプレハブ小屋なので、先を急いで油断していると見逃しますよ。
この善根宿は、このバス停から少し道を入った丘の上の「法泉寺(ほうせんじ)」の住職さんが運営してくださっているとのことです。
山登りの難所を前に休養していくのには立地は最高で、多くの歩き野宿遍路さんが利用する有名施設です。
私が訪問した際も、何度も巡拝して博識な自転車遍路さんがいらっしゃって、いろいろ教えていただきました。
水・トイレ・電気はもちろんコンロまである充実施設
この施設は、野宿遍路さんにはありがたい必須要件「水」「トイレ」「電気」が揃っています。

「水」と「電気」があると野宿がとても快適になります。そのほかにもいろいろなものを置いてくださっています。
小屋の目の前の「東司」の表示がトイレです。
ちなみに「東司」は「とうす」と読み、仏教寺院でトイレのことをこう呼ぶそうです。
トイレにも電気完備なので、暗くなってからや早朝でも安心して利用できます。

歩き遍路をしていると、洋式すら当たり前ではなくなります。
施設内は、畳敷きの寝るスペースが4畳ほどあり、板敷の机があるスペースも広いので、複数人でもかなりの人数まで宿泊できると思います。
寝具もたくさん置いていただいていますが、他の善根宿もそうですが、清潔に保たれているかは不明なので、不安な方は自分の寝袋を使うのが良いと思います。
今更ではありますが、野宿をされる方は、テントはなくてもなんとかなりますが、寝袋は必須です。
私が歩いていたのは1~2月の気温の低い時期だったので、氷点下まで対応できる寝袋を装備していました。

良い環境で眠れると、次の日の回復具合が全然違います。
これだけでもかなり充実の設備なのですが、私が驚いたのは電気コンロがあるところ。
お湯を沸かしたり、簡単な調理も可能なので、食料の準備さえあれば、善根宿で温かい食事ができてしまいます。
ただし、この「寿康康寿庵」の近くには買い物できるところはないので、前もって用意が必要です。
私は何も用意していなかたのですが、同泊だった用意周到な自転車遍路さんに、電気コンロで温めたおでんをお接待していただいちゃいました。
滞在中に温かいコーヒーも何杯もいただいてしまい、寒さをしのぎ、体を温めることができました。

善根宿でこんな食事をいただけるとは思ってもいませんでした。
たいへんありがたい善根宿「寿康康寿庵」で十分休養をとって、二番目の難所「鶴林寺への遍路ころがし」に挑みます。
施設名: | 寿康康寿庵(法泉寺) |
住所: | 徳島県小松島市櫛渕町山口3 |
電話: | 0885-37-3193 |

ごんのすけ

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初めまして!
今年3月でした、雨がシトシト降る寒い日でした、2度目のお遍路でしたが今回は寄らせていただきました。
涙が出るほど嬉しかった「壽康康壽庵」さんの休憩所、お二人ほど先客がいらっしゃいましたがとても良い方で
又、トイレをお借りしましたが心和らぐお言葉思わず声を出して使わせていただきました。自宅の傍のバス停が法泉町バス停と言います、感謝感謝でした。
コメントありがとうございます!
野宿をするお遍路さんにとってはたいへんありがたい施設ですよね。