阿波の関所である19番札所立江寺を無事通過できると、次の20番札所鶴林寺は2番目の難所「遍路ころがし」です。その手前の善根宿「寿康康寿庵」は水・トイレ・電気・コンロなどのありがたい設備を備えてくれています。
※善根宿「寿康康寿庵」は運営を取りやめたとの情報提供がありました(2024年10月)。
しばらくの平地歩行に別れを告げる
13番札所大日寺で徳島市内に入ってから、徳島市街ルートを通ってくると、しばらくは平地で12番札所焼山寺を思えば、大都会を通過してきます。最初にして最大の難所「焼山寺への遍路ころがし」の疲労も少しずつ回復していかなければいけない道のりです。
徳島市内を抜け、海に近い沿岸地域を南に小松島市内に入り、18番札所恩山寺を打ち、阿波の関所である19番札所立江寺を無事通過できれば、再度山の中に入っていきます。次の20番札所鶴林寺への登山は、2番目の「遍路ころがし」です。
それに備えて、登山手前で休養できるたいへんありがたい善根宿「寿康康寿庵(じゅこうこうじゅあん)」をこの記事でご紹介します。
「法泉寺」が目印
19番札所立江寺を出発して、内陸の山方向に田舎道を進んでいきますが、約4km進んだ遍路道沿い右側に「法泉寺前」バス停があり、ここが善根宿「寿康康寿庵」の目印です。
この善根宿は、このバス停から少し道を入った丘の上の「法泉寺(ほうせんじ)」の住職さんが運営してくださっているとのことです。
山登りの難所を前に休養していくのには立地は最高で、多くの歩き野宿遍路さんが利用する有名施設です。私が訪問した際も、何度も巡拝して博識な自転車遍路さんがいらっしゃって、いろいろ教えていただきました。
水・トイレ・電気はもちろんコンロまである充実施設
この施設は、野宿遍路さんにはありがたい必須要件「水」「トイレ」「電気」が揃っています。
小屋の目の前の「東司」の表示がトイレです。ちなみに「東司」は「とうす」と読み、仏教寺院でトイレのことをこう呼ぶそうです。トイレにも電気完備なので、暗くなってからや早朝でも安心して利用できます。
施設内は、畳敷きの寝るスペースが4畳ほどあり、板敷の机があるスペースも広いので、複数人でもかなりの人数まで宿泊できると思います。
寝具もたくさん置いていただいていますが、他の善根宿もそうですが、清潔に保たれているかは不明なので、不安な方は自分の寝袋を使うのが良いと思います。
今更ではありますが、野宿をされる方は、テントはなくてもなんとかなりますが、寝袋は必須です。私が歩いていたのは1~2月の気温の低い時期だったので、氷点下まで対応できる寝袋を装備していました。
これだけでもかなり充実の設備なのですが、私が驚いたのは電気コンロがあるところ。お湯を沸かしたり、簡単な調理も可能なので、食料の準備さえあれば、善根宿で温かい食事ができてしまいます。
ただし、この寿康康寿庵の近くには買い物できるところはないので、前もって用意が必要です。
私は何も用意していなかったのですが、同泊だった用意周到な自転車遍路さんに、電気コンロで温めたおでんをお接待していただいちゃいました。
滞在中に温かいコーヒーも何杯もいただいてしまい、寒さをしのぎ、体を温めることができました。
たいへんありがたい善根宿「寿康康寿庵」で十分休養をとって、二番目の難所「鶴林寺への遍路ころがし」に挑みます。
施設名: | 寿康康寿庵(法泉寺) |
住所: | 徳島県小松島市櫛渕町山口3 |
電話: | 0885-37-3193 |