42番札所仏木寺から43番札所明石寺へは標高480mの歯長峠を越えますが、旧道は通行止めだったため歯長トンネルで迂回しました。峠越えの後の休憩スポットは「道の駅どんぶり館」です。
宇和島市と西予市の市境「歯長峠」の名前の由来は「歯長又太郎」
42番札所仏木寺を出発し、次の43番札所明石寺へは、三間(みま)の盆地から一山越えて、西予市宇和町に進んでいく必要があります。
ということで、南予では恒例になった峠越えが待っています。
ここの峠の名前は「歯長峠(はながとうげ)」ですが、平安時代後期に平家の武将として活躍した「足利又太郎忠綱」にちなんで名付けられたそうです。
この武将は源氏に追われてこの地に滞在したといわれ、力は百人力、声は十里四方にも及び、その歯の長さは実に一寸余の大男だったそうで、「歯長又太郎」が別名だったことからきているようです。
歯長峠頂上は2014年8月の台風の影響で通行止め
最初の旧道登り坂をクリアすると、県道31号に合流し、しばらく進んだ先で再度旧道に上がる分岐があり、峠頂上に向かう前に休憩所があります。
階段すぐ上の休憩所から進む方向の道を見ると、まさかの表示が。
【歯長峠頂上前休憩所 地図】
2014年8月の台風の影響で土砂崩れを起こしたあと、復旧されていないようです。
高知県の須崎市から中土佐町の「焼坂峠(やけざかとうげ)」も同じ台風の影響で通行止めになっていましたので、この台風の威力はすさまじかったのだと思います。
※「焼坂峠」の様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。
【中土佐町遍路小屋】通行止めの焼坂峠を横目にドアがたくさんある小屋に宿泊
ちゃんと指示に従って迂回することにして、その前に休憩所でひと休みした際は、愛南町の「道の駅 みしょうMIC」で調達していた「ようかんパン」で糖分補給をしました。
※「ようかんパン」に関しては、以下リンクの記事もぜひご覧ください。
【道の駅みしょうMIC】「あんこonあんこ」の魅惑の甘味「羊羹パン」ほかおもしろパンの数々
そして、高台の休憩所から県道31号におりて、舗装路を少し進むと、歯長峠の下側を貫いている「歯長トンネル」があります。
このトンネルは、幅が狭く、歩道が独立していないので、車が通行しているときは細心の注意が必要です。
歯長トンネルを抜けた先に、未舗装路入口があり、県道31号を進むよりも大幅にショートカットできますので、その道を1km強一気に下ると歯長峠を制覇です。
通行止めがあり、なんとも中途半端な心残りな制覇になってしまいましたが、安全第一です。
「道の駅どんぶり館」でひと休み
峠を下りきると、西予市宇和町(せいよしうわちょう)に入り、この地域も三間と同じく盆地地形で、山に囲まれた平地の舗装路を歩いていきます。
峠で少々ダメージを蓄積しているので、ぼちぼち休みながら進みたいと思っているところで、休憩スポットはやっぱり「道の駅」でしょ。ということで、皆田(かいだ)地区にある「道の駅」は以下写真のような感じ。
皆田の「みちのえき」を過ぎて、1kmほど進んだ県道29号沿いに、こちらは正真正銘の道の駅、「道の駅どんぶり館」があります。
「どんぶり館」という不思議な名前の由来は、「一つの器(どんぶり)の中に、それぞれの町の良い物、いい味を盛り合わせることにより、それぞれがお互いに引き立て合い、そして豊かな味わいを作り出す空間」ということで、私が思っていた「丼」とは直接関係はなさそうです。
西予市が、平成の大合併で旧東宇和郡の4町(明浜町・宇和町・野村町・城川町)と三瓶町の合わせて5町が合併してできた市なので、それぞれの町の融和を強く意識する事情もあるようです。
これだけの合併があったので、市の面積が大きく(愛媛県では久万高原町に次いで2番目の大きさ)、海も山もあるので、宇和海の新鮮な魚介類、宇和盆地でとれる米、大野ヶ原高原の大根や果物など四季を通じ多種多様な農作物や果物が実っていることが自慢のようです。ここ「道の駅どんぶり館」にも確かに多種多様な生産物が、生産者さん直売で新鮮な状態で並んでいました。
私が期待していた「丼」に関しては、ピンとくるものがなかったので、地元の方手作りの「チキン南蛮弁当」と「中華甘酢肉団子」を昼食にいただきました。
施設名: | 道の駅 どんぶり館 |
営業時間: | 8:00~18:00 |
定休日: | 年始 |
住所: | 愛媛県西予市宇和町稲生118番地 |
電話: | 0894-62-5778 |
施設HP: | http://donburikan.jp/ |
道の駅どんぶり館までたどり着くと、43番札所明石寺までは2km弱で目と鼻の先です。
歯長峠の旧道が復旧され、次回は峠越えを完遂できることを願いつつ、西予市宇和町の遍路道を進んでいきます。