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第42番仏木寺から第43番明石寺へは標高480mの歯長峠が待ち受けます。しかしながら峠道は台風や集中豪雨によって数年前から通行止めになっています。今回遍路道の調査に同行させてもらい、現状を見てきました。

※当記事は歯長峠遍路道の安全保証や、歩行を推奨する内容の記事ではありません。

歯長峠下部の迂回路案内

 

歯長峠入口

歯長峠下部登り口

愛媛県宇和島市三間(みま)町の第42番仏木寺(ぶつもくじ)から時間にして約20分進んだところ。歯長峠の遍路道入口に差し掛かります。現在は横に松山自動車道が通っています。
歯長峠の三間側遍路道はここから県道31号へ合流するまでの下部と、県道31号から峠へ到達するまでの上部に分けることができます。

【「歯長峠下部遍路道 登り口付近」 地図】

 

地元の方々の想い

四国の道としては通行止めの見解

しかしながら、その両方ともが崩落により現在通行止め。その期間も長く、もう5年くらい?状況が変わっていない気がします。
元々遍路道に難があったものが、平成30年7月の西日本豪雨による集中豪雨によって、追い打ちをかけるように各所が崩落しました。この場所はみかん畑などの斜面崩落やJR線の路盤が流出するほど大きな被害が発生した宇和島市吉田町の近く。道の原型が残っているだけでも奇跡的かもしれません。

 

今回、遍路道の調査で歯長峠を上がろうとこの場所へ向かった際、地元の方と思しき山仕事姿の男性と出会い、

*「遍路道は通れないよ」
とご親切に教えていただきました。が、こちらは調査目的なのでその旨を伝えたところ、
*「宇和島市は通るな言うてるんやけどなあ」
とも。少し不服の様子でした。

事故に遭うかもしれない道へ行こうとする人を制止することは、人間として当然の行動。通る側はいかに自己責任と心掛けていても、地元住民の願いとしては難があるとわかっている道へ行って欲しくない。通行止めと周知され広く認知されている歯長峠は、特にそうではないでしょうか。
歯長峠遍路道へ向かうことはその想いを振り切って進むことになる。どこか後ろめたい気分で歩くことになったり、受け答えが良くなければ最悪住民さんとトラブルになるかもしれません。現状の歯長峠遍路道は事故の危険と併せて、それくらいのリスクを背負って進まなければならないな、と感じる出来事がありました。

 

下部遍路道の崩落現場

宇和島市としても通行止めの見解

きれいに敷き詰められた歯長峠下部遍路道の石畳ですが、遍路道入口から少し登ったところでこのような看板が立っていました。

通行止め
安全に通行することができない

ニュアンスに若干の違いがありますが、安全でないことは確かです。

行き止まり、そして山側へ迂回

先ほどの宇和島市の注意看板の先で突然遍路道が無くなります。ロープや杭は崩落個所へ進入しないためのもの。掴んで登坂の支え等にするのは危険です。

道が崩れてえぐられています

従来の遍路道の一部が崩落して、上側に迂回路が設けられていました。

迂回部分から谷の方向を撮ったところ

斜面が崩落して土砂が流れ出し、木々をなぎ倒したことがわかります。

 

県道31号に合流して下部遍路道終了

歯長峠下部遍路道から県道31号に合流するところ

遍路道は歯長峠上部へ向かって、一度下って県道31号へ合流します。

この手前で真っ直ぐ?下?と二又に分かれる箇所がありますが、仏木寺から来た場合は稜線をたどらずに「下」が正解。分岐点で真っ直ぐ進める?というような稜線道を見ることができる理由は、かつての遍路道は県道へ下りずに稜線を真っ直ぐ進んでいたため。県道工事の際にその稜線を開削したため遍路道ごと失われました。それまではここを道路へ下りることなく稜線を緩やかに歯長峠へ登っていました。
この先、上部遍路道には遍路道で一二を争う急登が登場しますが、それは県道工事に伴い歯長峠へ登る代替ルートとして新しく造られた遍路道です。

歯長峠の下部遍路道の崩落個所は、先の迂回路が設けられている一箇所のみでした。
歯長峠上部遍路道の調査結果は、以下リンクの記事に続きます。

通行止めが続く歯長峠遍路道の現況[峠上部の遍路道]【42番札所「仏木寺」→43番札所「明石寺」】

※当記事は歯長峠遍路道の安全保証や、歩行を推奨する内容の記事ではありません。

 

【「歯長峠下部遍路道と県道31号合流地点」 地図】

 

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野瀬 照山

八十八ヶ所案内人・先達であり、旅人をお迎えするゲストハウスそらうみを運営。 四国八十八ヶ所結願30回、うち歩き遍路12回。 四国六番安楽寺出家得度。四国八十八ヶ所霊場会公認先達。 高松市一宮町で「さぬき高松ゲストハウスそらうみ(http://www.sanuki-soraumi.jp/)」を運営。