【知多四国霊場】初めての巡拝でも安心の参拝作法のご案内

知多四国霊場の札所での参拝作法をご紹介します。四国八十八ヶ所霊場の参拝作法と共通の部分が多いですが、知多四国霊場ならではのルールや気をつけておかなければいけないことがあるので、これを知っておくと安心して巡拝できます。

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一、札所の境内に入る

札所に到着したら、境内への入口には山門がある場合が多いです。山門の前では合掌・一礼してから境内に入ります。境内は仏さまがいらっしゃる聖域ですので、俗界(私たちの住んでる所)と聖域の境目が山門ですので、気持ちを正し、挨拶をしてから、山門をくぐり境内に入るのが礼儀作法です。
知多四国霊場の札所では山門がなく、入口に石柱だけの寺院も有りますので、その場合でも境内に入るときは、山門をくぐるときと同様に、合掌・一礼して入ってください。

四国八十八ヶ所霊場巡礼では、札所の境内に入ったら、お寺に来たこととこれから参拝する合図として鐘を打つのが作法とされていますが、知多四国霊場では鐘は打ちません。札所の近隣に民家が密集しているので、ご近所のご迷惑にならないように、ご配慮ください。

知多四国霊場1番札所曹源寺_山門

知多四国霊場の始まりである1番札所曹源寺の山門をくぐり、巡礼をスタートします。

 

二、身を清める

札所の境内に入ったらまず手水舎に行き、身を清めます。柄杓で水をとり、左手から水をかけ、次に右手、さらに左手で水を受けて口をすすぎ、残りの水で柄杓の柄を流して、元の場所に戻します。
コロナ禍があったことで、手水舎に水をはっていない寺院もありますので、塗香(粉状の身体に塗って身を清めるお香)や、ウエットティッシュを持参して、身を清めるのもよいでしょう。

知多四国霊場63番札所大善院_手水舎

知多四国霊場63番札所大善院の手水舎。身を清め心を鎮めてからお参りします。

 

三、本堂でお参り

身を清めたら、まずは本堂に向かいます。ロウソクを点け、お線香をあげ、お参り前の準備を整えます。知多四国霊場では、ロウソク台や線香台がない札所もあるので、その場合は省略します。
知多四国霊場の札所では、ロウソクの火は、お参りが終わったら消すのが作法です。無人の札所やお寺の人が不在の場合もままあるので 、ロウソクに火が長時間ついていると危険です。過去にロウソク台が燃えたり、ロウソク台のガラスが割れる事案がありました。ロウソクとお線香の火の取り扱いには、十分注意してください。

その後、納札とお賽銭を納めてから、合掌礼拝し、お経を奉納します。知多四国霊場では読経(その場でお経を読むこと)でお経を奉納する人が大半ですが、あらかじめ用意しておいた写経(お経を書き写すこと)も人気です。写経は邪気を払い、心を安定させ、リラックスできるといわれており、信仰上の功徳も大きいです。
納札や写経は、専用の箱がお堂に設置されていますので、その箱に納めます。箱に納める際は投げ入れたりすることなく、丁寧に入れましょう。
読経は「知多四国巡拝のおつとめ」という知多四国霊場専用の経本がありますので、これを読むのが一般的です。知多四国霊場の各札所で300円で購入できます。心を落ち着かせて、心を込めてお経を奉納します。ご自身の読む速さ・声の大きさで問題ありませんが、近くに他の参拝者がいる場合や、お寺で法事などの行事が行われている場合などは、配慮して読経するのがよいでしょう。

知多四国霊場1番札所曹源寺_本堂

知多四国霊場1番札所曹源寺の本堂。本堂でその札所の御本尊にお参りします。

また、知多四国霊場の札所は、弘法大師空海が開祖の真言宗だけではなく、曹洞宗、浄土宗、西山浄土宗、臨済宗、天台宗、尾張高野山宗、時宗と様々な宗派の寺院で構成されています。各宗派によって、厳密にいうとお経の違いなどがありますが、「知多四国巡拝のおつとめ」のお経を奉納すれば問題ありません。御本尊様の真言は、本堂に看板が設置されていますので、それを確認するとよいでしょう。

知多四国巡拝のおつとめ

「知多四国巡拝のおつとめ」に則って読経をすれば、どの札所でも問題ありません。

 

四、弘法堂(大師堂)でお参り

本堂のお参りが終わったら、弘法大師空海が祀られている弘法堂をお参りします。
お参りの手順は本堂でのお参りと同様です。弘法堂には、札所によっては弘法大師空海とともに観音様や地蔵様が並んでいることがありますので、それぞれの仏様のことを思い、丁寧にお参りするのがよいでしょう。
本堂・弘法堂の他にもお堂がある札所が多いですので、どのような仏様が祀られているのか、じっくり境内を巡って、お参りしていくのがおすすめです。

知多四国霊場1番札所曹源寺_弘法堂

知多四国霊場1番札所曹源寺の弘法堂。弘法堂には弘法大師が祀られています。

 

五、納経所で納経印をいただく

お参りが終われば、緑色の暖簾が目印の納経所にて納経印をいただきます。
知多四国霊場では、納経印のみであれば納経料は100円です。御朱印(墨書と御朱印)をいただく場合は納経料は300円で、納経帳(御朱印帳)に手書きでいただくことができます。札所によっては、事情により書き置きの御朱印のみの場合もありますのでご留意ください。
四国八十八ヶ所霊場巡礼では、御朱印をいただくと、御本尊の御影もいただけますが、知多四国霊場では御影の授与はありません。知多四国霊場専用の納経帳には、各札所の御本尊と弘法大師の御影が印刷されています。

知多四国霊場_納経帳_本尊弘法大師印刷

知多四国霊場専用の納経帳にはこのように札所ごとに御本尊と弘法大師が印刷されています。

知多四国霊場86番札所観音寺_納経印

専用納経帳に納経印をいただいたいくのが知多四国霊場のベーシックな納経です。

知多四国霊場_手書き御朱印

手書きの御朱印をいただける札所もあります。

いくつかの札所では、カラフルでかわいいデザインの特別な御朱印をいただくこともできます。定期的に出してる4番札所延命寺、毎月オリジナルの御朱印を出してる27番札所誓海寺、44番札所大宝寺、46番札所如意輪寺、49番札所吉祥寺、絵画的な御朱印を出してる63番札所大善院、書体が美しく種類が豊富な43番札所岩屋寺などにあり、御朱印帳も販売している札所が多いです。

納経所の開所時間は朝7時から夕方5時までになってます。時間と気持ちに余裕を持って札所を訪れるようにしてください。本堂・弘法堂をお参りし、お参りした証として納経印・御朱印をいただくのが本来の順番ですが、閉所時間が迫っている場合は、あせってお参りを済ませるよりも、お参りより先に納経所で納経印・御朱印をいただいてから、しっかりとお参りするのがよいでしょう。
また、本堂・弘法堂に他の参拝者がたくさんいる場合も、納経所で先に納経印・御朱印をいただいた後に、落ち着いてお参りするのもおすすめです。

札所の納経所に常にお寺の人が待機しているわけではありません。納経所にはインターホンが設置されていますので、納経所に不在の場合は、インターホンでお知らせしてください。
お寺の人が外出していたり、法事などの行事で対応できない場合もありますので、その際は納経所の前に納経印の入った箱が置いてありますので、ご自身で印をおすこともあります。

 

ここまで知多四国霊場の札所での参拝作法をご紹介しました。作法に則って参拝するにこしたことはないですが、特に初めのうちはこの通りにできなくても、仏様を敬う気持ちや、敬意をもって他者にも配慮して霊場巡礼を楽しむことが重要ですので、形だけにとらわれることなく、自分なりの巡礼をしていただければと思います。

※知多四国霊場の参拝スタイルや準備物に関して、以下リンクの記事で詳しくご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

【知多四国霊場】参拝スタイルや巡礼の準備物と弘法大師空海御生誕1250年記念特別企画

 

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この記事を書いた人

知多半島のお寺が好きで、知多四国霊場を中心にいろいろな霊場を巡礼し、観光やご当地グルメ(特にラーメン)も楽しんでいます。御朱印集めも趣味で、知多半島のお寺の御朱印はもちろん、全国各地の御朱印をもらいに巡り、アート御朱印などは取り寄せたりもしています。