88番札所「大窪寺」から順打ち方向に向かう遍路道の途中に、阿讃國境のシンボル「境目のイチョウ」があります。
初秋を迎えると色づき始める銀杏の木は、ある信仰を集めてきました。

境目の大銀杏

境目のイチョウの近くには、中務茂兵衛の標石があり、以下リンクの記事でご紹介していますのでぜひご覧ください。

中務茂兵衛、生きて四国遍路を回った証、最後の標石【阿讃県境「境目(さかいめ)」編】

 

—– こちらの記事に登場する主な地名・単語
銀杏(いちょう)
阿讃國境(あさんくにざかい)
境目(さかいめ)
乳神さま(ちちがみさま)
大坂夏の陣(おおさかなつのじん)
気根(きこん)

 

天然記念物・境目の大銀杏

徳島県の天然記念物に指定

大きさは天然記念物の銘板をご覧ください。樹齢推定約600年、阿讃國境のシンボルとして 近郷では知られた存在。
“境目” と言うくらいなので、県境付近に位置する樹木ですが、所在地は徳島県。ゆえに徳島県の天然記念物としてカウントされています。

香川県の案内看板もある

こちらの案内看板は香川県が建てたもの。
徳島県に香川県のもの? 県を越えて何か建てるのは色々縛りがありそうですが、県境特例でしょうか?

昔から “乳神さま” として信仰を集め、母乳の出が悪い女性がこの場所に参拝に訪れ、乳出を願いました。

また、大坂夏の陣に敗れ、徳川方による旧豊臣家臣の残党狩りから逃れるためにこの地に隠棲した武将がいたが、発見され こちらの銀杏の木の下で自刃したという悲しい伝説も伝わります。

 

銀杏が乳出に繋がるわけ

幹から湧き出るように突出した気根

銀杏を拝むと乳出が良くなる話は全国各地に存在します。
こちら銀杏の幹から発生した “気根” と呼ばれる部分。この気根が垂れ下がる様子が女性の乳房に似ていることから、銀杏を乳神さまと見立てる信仰の対象となりました。

なお、銀杏がなぜ気根を発生させるのかは今なお正確なことはわかっていない。

 

境目までの交通機関

大川バス・境目バス停

大銀杏の下にあるバス停、その名は “境目”
この場所は徳島県なのですが、バス会社は香川県東部の大川バスさん。県境特例です。

大川バス路線図

この場所までのバス路線が運行されていることに頭が下がります。

バスのダイヤ

終着停留所なので一方のみの発車ダイヤ掲示。なお、この場所から交通機関利用で徳島県側に行くことは可能。大川バスの到着に接続する形で阿波市のコミュニティバスが川島方面まで運行されています。

 

紅葉は間もなく

県境のシンボル

県境のシンボルである大銀杏は紅葉を迎えると、真っ黄色の鮮やかな姿へと変化します。

古くから阿讃の往来者を見守り、乳出に悩む女性にご利益を授けて来た有難い存在。この場所を通る時には
少し足を止めて、県境越えを楽しみつつ 乳神さまにお願い事をされてみてください。

※境目を越えて、與田寺方面に向かった先の様子は、以下リンクの記事に続きます。

本州への連絡汽船の案内が記された標石【「三宝寺」近く[香川県東かがわ市]】

 

【「境目のイチョウ」 地図】

 

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野瀬 照山

八十八ヶ所案内人・先達であり、旅人をお迎えするゲストハウスそらうみを運営。 四国八十八ヶ所結願30回、うち歩き遍路12回。 四国六番安楽寺出家得度。四国八十八ヶ所霊場会公認先達。 高松市一宮町で「さぬき高松ゲストハウスそらうみ(http://www.sanuki-soraumi.jp/)」を運営。