高知県大月町の小学校で行われている大月へんろ道の「道しるべ札」取り付けは、最後に山を下って海沿いの遍路道である赤泊の浜にたどり着きます。山から海へのダイナミックな景色の転換が見事です。
冒険気分の下り道
大月小学校の子ども達と「道しるべ札」を取り付けながら、山を下っていきます。少し急な下り道で障害物もちらほら。手すりのない橋を渡るのも、冒険気分を高めてくれます。
※大月小学校おへんろ授業の校外授業前半の様子は、以下リンクの記事でご紹介しています。
【大月小学校おへんろ授業1】大月町の月山神社で御神体と神仏習合の歴史にふれる
【大月小学校おへんろ授業2】大月へんろ道で小学生と道しるべ札を設置
38番札所金剛福寺を打ち終えたお遍路さんは、距離の長い大月経由の遍路道より「打戻り」の土佐清水〜三原村経由の道を選ぶ人が多いと聞きます。ですが、途中で出会ったお遍路さんは「何度かお遍路を続けているとこちらの(遠回りの)大月へんろ道を選びたくなってくる」と言っていました。
景色が良く、未舗装の土の道が心地よいのだそうです。
確かに気持ちよく歩ける上に、子ども達の道しるべ札にも励ましてもらえるなど、他にはない特徴的があるのが大月へんろ道です。少しハードな部分もありますが、歩く価値のある道だと思います。
海へと続く大月へんろ道
橋を渡り、特徴的な緑のトンネルをくぐり抜けると、すぐに海が見えてきます。この景色の変化も大月へんろ道の魅力のひとつだと思います。
ゴロゴロと石の転がる海岸で解散
辿り着いた赤泊の浜は、大きめの石がゴロゴロと転がる海岸でした。波が打ち寄せるたびに、石が海中で転がされゴロゴロゴロ…という音も聞こえてきます。このゴロゴロと音がなる/ゴロゴロとした石が転がる海岸は、高知県や徳島県沿岸に特徴的な光景で、室戸周辺のゴロゴロ海岸が有名です。
大浦まで行った子ども達も赤泊の浜に合流し、一緒にお昼ご飯を食べます。それから先達さんの話を聞いて、ここでおへんろ授業は終了です。バスで帰る小学生を見送ってから、私たちもこの場所で解散しました。
大月へんろ道のダイナミックな景色の変化に触れた遍路授業。自然が身近にあっても、普段はほとんど外で遊ばないという子どももいて、今回のお遍路授業は自然体験のいい機会でもあったようです。地元の遍路文化を楽しく学ぶおへんろ授業は、子ども達に新鮮な驚きを与えていたようでした。
※大月へんろ道の保全活動の様子をご紹介した以下リンクの記事もぜひご覧ください。
【「赤泊の浜」 地図】