雨に降られた22番札所平等寺で、急遽宿泊をお願いしたにも関わらず、快く受け入れてくれた「橋本屋旅館」さん。女将さんの心遣いが嬉しく、23番札所薬王寺近くでドライブインと善根宿もされている遍路に理解の深いお宿です。
22番札所「平等寺」から急遽の宿泊依頼
この日は、善根宿「寿康康寿庵」を朝7時前に出発し、「鶴林寺への遍路ころがし」と「太龍寺への遍路ころがし」をなんとか乗り越え、大根峠を越えて、22番札所平等寺に到着したのが夕方5時納経ぎりぎりの時間で、途中で雨にも降られ、体力的にも精神的にもダメージが大きかったです。
宿泊は、野宿か善根宿を考えていたのですが、ちゃんと風呂に入って、布団で眠らないと、明日以降が厳しいと思い、夕方から急遽宿を探すことにしました。
平等寺門前すぐに「山茶花」という宿があるのですが、私が訪問した1月はシーズンオフなので、その日は営業していなかったのか、鍵が閉まっていて、電話もつながらず。そこで、平等寺門前に看板があった「橋本屋旅館」に電話しました。
女将さんが電話に出られて、橋本屋旅館さんもこの日は宿泊予約が入っておらず、休業状態で、しかも仕出しの営業もされていてそちらの方が多忙だったようなのですが、電話で困っていることが伝わったのか、快く受け入れていただきました。
お宿の場所は、平等寺から海沿いルートで約11km先の「由岐」にあります。
もうこの日はさらに歩く体力・気力がなかったので、平等寺最寄り駅の「新野駅」から電車に乗って「由岐駅」まで向かい、翌朝再度電車で平等寺まで戻って歩くことにしました。
翌朝は再度由岐を通過することになるので、荷物は旅館で預かっていただいて、平等寺から由岐までは荷物無しで歩くことができました。
由岐駅に到着すると、女将さんが車で迎えにきてくださっていて、雨の降る夜の真っ暗な中、たいへんありがたかったです。状況次第で、平等寺からの送迎もしてくださるようなので、事前に電話確認するとよいと思います。
女将さんの心遣いがうれしい、あったかい食事
急遽の宿泊で、他の宿泊客もいなかったので、本来食事の用意はなかったのですが、私が携帯食が何もなく、買い物や食事も不便な場所だったので、女将さんの気遣いですぐに用意できるもので、夕食を出していただきました。
仕出しの営業もされているとのことで、この日漁港であがった鰆のかぶと煮がメインディッシュで、ばら寿司とつみれがはいったあったかいお吸い物までつけていただき、予約無しで用意いただけたとは思えない豪華メニュー。思いがけず、漁港の地元めしをいただけて、たいへんありがたかったです。
お風呂にもゆっくり浸かり体を温めることができました。お風呂が一人用浴槽で、これがまた家に泊まっているようで気持ちがなごみました。複数人宿泊しているときは、順番を決めて、入浴する必要がありますが、この日は独り占め。
お部屋も一人宿泊には広すぎるぐらいのありがたい環境で、こたつがこれまたほっこりした気分になります。
急遽だったので、宿泊料金も確認せずだったのですが、翌朝精算時にはおそらくサービス価格のかなりお安い値段でした。
お接待と思って、ありがたく甘えてしまいました。とにかく、女将さんの心遣いがありがたいお宿でした。
「ドライブイン」と「善根宿」も運営されている
この橋本屋旅館さんですが、23番札所「薬王寺」近くで、バイキング形式のドライブインと、廃バスを活用した善根宿も運営されていて、お遍路さんに理解が深く、いろいろな形でお遍路さんをサポートされています。
私はドライブインと善根宿にはお世話にならなかったのですが、場所だけご案内しておきます。
ドライブインはしもと(「日和佐駅」すぐ)
※ご主人の体調不良により2015年5月10日で閉店との情報が入りました(2015年5月9日追記)
善根宿「はしもとバス」(23札所「薬王寺」から国道55号を「平等寺」に戻る方向に約2km、「北河内駅」近く、土佐東街道沿い)
困ったときにも、助けてくれる出会いがあるのが、歩き遍路の醍醐味でもあります。
四国のありがたい環境や人に感謝しながら、阿波の國のクライマックスへと進んでいきます。
施設名: | 橋本屋旅館 |
住所: | 徳島県海部郡美波町西由岐東18 |
電話: | 0884-78-0033 |