【31番札所竹林寺】紅葉の名所の魅力・見どころ・見頃を徹底紹介

高知県高知市にある「竹林寺(ちくりんじ)」は、四国八十八ヶ所霊場の31番札所で、高知県内でもっとも有名な寺院のひとつです。自然が豊かな五台山の中腹に位置する寺院で、四季折々の風景が楽しめますが、特に秋の紅葉の名所で、多くの観光客・参拝者が訪れます。

スポンサーリンク

 

竹林寺とは

高知県高知市の中心部にある標高約140mの五台山(ごだいさん)の中腹にある「竹林寺(ちくりんじ)」は、真言宗智山派の寺院です。

奈良時代の神亀元年(724年)に聖武天皇(しょうむてんのう)が唐の五台山で文殊菩薩に拝する夢を見たたことから、僧・行基(ぎょうき)に五台山に似た山を捜すように命じたところ、この地が霊地であると感得し栴檀の木に文殊菩薩像を刻み、山上に堂宇を建立して安置したのが、竹林寺の起源だとつたわっています。その後、平安時代に入り大同年間(806~810年)に弘法大師空海(こうぼうだいし)が滞在し、瑜伽行法を修法し、荒廃した堂塔を修復したとされています。

このような由縁から、四国の弘法大師空海ゆかりの地を巡る四国八十八ヶ所霊場巡礼の31番札所になっているほか、土佐国(現在の高知県)の真言宗布教の中心的な存在として武家からの信仰もあつく発展し、高知県内でもっとも有名な寺院のひとつとして現代でも名をはせています。

竹林寺_本堂

竹林寺の杮葺の屋根が特徴的な本堂に祀られている御本尊は文殊菩薩で、日本三大文殊のひとつに数えらえています。

五台山の豊かな自然の中にたたずむ寺院で、四季折々の風景が楽しめるので、たくさんの観光客が訪れる観光名所でもありますが、特に秋の紅葉が美しいことで知られています。

本記事では、竹林寺の紅葉の魅力・見どころ・見頃などを詳細に紹介します。

 

竹林寺の紅葉の魅力と見どころ

竹林寺の紅葉の最大の魅力は、数々の歴史的建造物と紅葉のコンビネーションです。

広大な境内に、特徴的な寺院建築がたくさんあり、その建造物に寄り添うように、また、覆うように木々が配置されていて、いろいろな風景・表情を楽しむことができます。

まず、最初の見どころは、境内入口の巨大な山門と紅葉のコンビネーションです。
苔むした風情のある石段を登っていくと、紅葉に取り囲まれた迫力ある山門がお出迎えしてくれて、境内の紅葉の期待感が高まります。

竹林寺_紅葉_山門

入母屋造の立派な山門の中では金剛力士像が寺院を守り、紅葉の時期には赤や黄色の葉で山門が覆われます。

山門をくぐると、木が林立した参道を通りますが、秋の時期はこの参道が紅葉のトンネルになり、幻想的な雰囲気です。

竹林寺_紅葉_参道

カラフルな木々に囲まれた参道を通って、境内奥へ進んでいきます。

竹林寺_紅葉_苔庭

苔が一面を覆う木立に木漏れ日がさし、赤く散ったモミジを美しく照らしている様子を見ることができました。

境内最奥部に進んでいくと、各種堂宇がありますが、最初に目に飛び込んでくるのは、竹林寺のシンボルにもなっている五重塔です。
この五重塔は、高さ31.2m、間口4.8mの総檜造の壮麗な伝統的建築物です。明治32年(1899年)の台風により倒壊して以来、再建を目指し、昭和55年(1980年)に復興再建された、高知県内唯一の五重塔です。
建築年代は比較的新しいですが、鎌倉時代初期の様式を再現し、伝統的な工法で建造された、現代では法令的にも技術的にもほぼ建築不可能ともいえるたいへん貴重な伝統的建築物です。

竹林寺_紅葉_五重塔

五重塔と紅葉のコンビネーションは、竹林寺を象徴する景観です。

紅葉の最盛期になると、本堂前もカラフルに彩られます。御本尊・文殊菩薩に知恵のご利益を祈願する際には、色づく木々にもぜひ目を向けてみてください。

竹林寺_紅葉_本堂

本堂前の大きなイチョウの木から黄色い葉が降り注ぐ様子は必見です。

 

竹林寺の紅葉の見頃

竹林寺の紅葉は、例年11月に入ると色づき始め、11月中旬頃から12月上旬頃に見頃を迎えることが多いです。五台山の山中の立地ではありますが、それほど標高が高くはないので、平地の紅葉の時期と大きく異なることはありません。

ただし、気候条件や年によって変動がありますので、訪れる前には最新の情報をチェックしてください。紅葉の進行は、一般的に気温の変化に大きく影響されます。秋が深まり、朝晩の冷え込みが強くなると、紅葉が一気に進みます。

色づき始める前の緑豊かな時期や、徐々に色づき始め、緑と赤・黄が混ざり合う時期も美しいので、秋シーズンに複数回訪れて、それぞれの時期の風景を楽しむのもおすすめです。

また、日中と夜間の寒暖差が特に大きい時期に紅葉のピークが訪れるので、この時期は最も鮮やかな紅葉を楽しむことができるとされています。また、朝の光が差し込む時間帯や、夕方の柔らかい光が紅葉を照らす時間帯は特に美しいので、これらの時間帯を狙うと良いでしょう。

 

竹林寺への公共交通機関でのアクセス

竹林寺への公共交通機関でのアクセスは、JR高知駅から高知市内の観光スポットをまわる周遊バス「MY遊バス」の利用が便利で、JR高知駅バス停から竹林寺前バス停まで約25分で到着することができます。ただし、平日1日6便、休日1日9便の運行で、便数がそれほど多いわけではないので、利用する際には事前に時刻表や運行状況を詳細に確認されることをおすすめします。

 

竹林寺への自家用車でのアクセス

竹林寺へは多くの人が自家用車でアクセスしています。
高知自動車道・高知ICから約6km・約20分で到着することができ、高知市内観光の際に立ち寄りやすい立地です。五台山の麓からはカーブと傾斜がある山道を通行しますし、一方通行の道もありますので、安全に十分気を付けて運転してください。
特に紅葉のシーズンは渋滞が発生することもしばしばですし、竹林寺隣には人気観光スポットの牧野植物園もあるので、他車への配慮も必要です。

駐車場は、参拝者用の無料駐車場が約100台分整備されていますので通常シーズンは十分なキャパシティなのですが、大型連休などの混雑期は臨時駐車場が設置され、そこからのシャトルバスが運行されることもあります。

 

竹林寺訪問時の注意事項

秋の竹林寺は、特に朝晩は冷え込みが強くなることもあり、防寒対策を行っておくのがよいと思います。脱ぎ着しやすいはおりものやマフラー、手袋、携帯用カイロなどを準備しておくと安心でしょう。
また、境内は石段や未舗装で凹凸のある場所があり、特に雨の日や落葉時期は足元が滑りやすくなりますので、履き慣れた歩きやすい靴で散策されることをおすすめします。

竹林寺は寺院ですので、巡礼のお遍路さんをはじめ、信仰のための参拝に訪れる人がたくさんいらっしゃいます。礼儀作法や他の訪問者への配慮を忘れずに、寺院の静謐な雰囲気を楽しんでいただければと思います。

 

竹林寺の紅葉は、自然の美しさと歴史的な建造物が織りなす絶景や、秋が深まるにつれて変化していく木々の色づきが魅力です。見頃の時期に訪れると、心を打つ美しい紅葉を存分に楽しむことができます。秋の訪れを感じながら、竹林寺で特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

※竹林寺や周辺の情報は、以下リンクの記事でもご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

【30番札所善楽寺→31番札所竹林寺】謝りながら走る路面電車を横目に歩道橋を渡った先は「植物園」

【31番札所竹林寺】「よさこい節」の舞台で文殊の知恵は授かれたのだろうか

【31番札所竹林寺】杮葺の屋根が美しい本堂と本式塔建築で再建された五重塔

【31番札所竹林寺近く】かつて遍路道であった五台山登山口の脇にある中務茂兵衛標石

【31番札所竹林寺近く】京都の中心で暮らす人物による五台山麓の中務茂兵衛標石

 

【「31番札所竹林寺」 地図】

四国遍路巡礼に
おすすめの納経帳

千年帳販売サイトバナー 千年帳販売サイトバナー

この記事を書いた人

四国遍路情報サイト「四国遍路」を運営する株式会社四国遍路(https://shikokuhenro.co.jp/)の代表取締役。四国遍路の文化をより良い形で引き継いでいくために、四国遍路に新しい付加価値を生み出すべく日々奮闘中。