高知県の英雄といえば誰もがしる「坂本龍馬」です。高知市南部の景勝地であり有名な観光地でもある「桂浜」には、幕末にタイムスリップした気分で龍馬の足跡をたどることができる「高知県立坂本龍馬記念館」があります。
高知県の英雄「坂本龍馬」
高知県の歴史上の有名人として真っ先に名前が挙がるのが「坂本龍馬(さかもとりょうま)」ではないでしょうか。
坂本龍馬は、江戸時代後期の天保6年(1835年)に現在の高知県高知市上町に生まれた武士で、土佐藩(現在の高知県)を脱藩し、当時の日本を変えた一人といわれています。子供のころから剣のさばきが達者だったため、江戸へ修行に出て、知見を深め、一度土佐藩に帰った後、山奥を通り脱藩し、京都へ行きます。その後、海援隊(かいえんたい)を結成し、争い寸前だといわれていた薩摩藩(現在の鹿児島県)と長州藩(現在の山口県)を薩長同盟でつなげ大政奉還を実現させた立役者ともされています。
しかし、大政奉還を成し遂げた後に暗殺されてしまうという数奇な運命をたどります。このような劇的な人生が、現代の歴史ファンにも愛される理由のひとつになっているのでしょう。
太平洋の遥か彼方を望む桂浜の「坂本龍馬像」
現在の高知県内にも坂本龍馬ゆかりの地がたくさんあります。例えば、高知空港は高知龍馬空港という愛称がついていたり、あちこちで龍馬像があったりと、高知県民に英雄として称えられていることがわかります。
もっとも有名な龍馬像があるのが高知市南部の「桂浜(かつらはま)」です。
この像は、昭和時代初期に高知県の青年の募金活動によって建てられた歴史あるもので、像の高さは5.3m、台座を含めた総高は13.5mと大きく、ブーツを履いて、太平洋の遥か彼方を見据えている様子が印象的です。この像の写真を撮りたいがために高知県を訪れる龍馬ファンがたくさんいるほどです。
桂浜は、戦国時代の天正19年(1591年)に土佐の武将・長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)が浜の北側に浦戸城(うらどじょう)を築き、当時の土佐の中心地でした。また、桂浜は月の名所として有名で、高知県の民謡・よさこい節で「月の名所は桂浜」と歌詞に入っています。
龍馬像のみならず、現在でも景勝地として観光スポットになっており、お遍路ルートでも32番礼所禅師峰寺から33番礼所雪蹊寺へ行く途中のエリアにあたるため、お遍路さんも立ち寄りやすい立地です。
令和4年(2022年)には、ショッピングエリアがリニューアルして、おしゃれな飲食店もオープンしたことにより、さらに魅力が増しています。
ちなみに美しい浜ではあるのですが、太平洋から押し寄せる波がとても高く、遊泳は禁止となっていますのでご注意ください。
坂本龍馬や幕末の歴史を深く知ることができる「高知県立坂本龍馬記念館」
この桂浜で、龍馬ファンはもちろん観光客がたくさん立ち寄るスポットが「高知県立坂本龍馬記念館」です。桂浜エリアの太平洋を眺められる高台に建っていて、景色も抜群です。坂本龍馬の業績を称えるために平成3年(1991年)11月に開館し、明治維新150年を迎えた平成30年(2018年)4月に新館と本館がリニューアルオープンしました。
本館は地上2階から地下2階、新館は地上2階建てとなっていて、外見よりも内部はとても広く感じます。館内にはシアターをはじめ、常設展と別にシーズンごとに行われる特別展もあり、訪れる時期によっていろいろな展示物を楽しむことができます。
また、龍馬と同じぐらい高知県では有名なジョン万次郎の展示スペースや、龍馬と関りがあった人の展示品もあり、高知県の偉人のことをたくさん知ることができます。
※ジョン万次郎に関しては、以下リンクの野瀬照山さんの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
また、龍馬が生きた幕末の時代を深く知ることができる展示物が多数あり、ここでしか見ることができない希少な史料も盛りだくさんなので、坂本龍馬のことをよく知らないという人でも、歴史に興味がわいてくるように思います。
私が興味をひかれたのは、龍馬が姉に送った手紙の実物、龍馬が使用していたのと同じ型のピストル、龍馬が所属していた海援隊の規約集や龍馬が書いたされている下関の海戦図などで、歴史浪漫にどっぷりと浸ることができました。
高知県といえば坂本龍馬は外せません。高知県で有名な観光地である桂浜には、坂本龍馬像や高知県立坂本龍馬記念館があり、幕末にタイムスリップした気分で龍馬のことや幕末の歴史を知ることができますので、ぜひ立ち寄ってみてください。
【「高知県立坂本龍馬記念館」 地図】