67番札所大興寺近くの「金山うどん」は、焼肉屋も営む珍しいうどん屋です。自慢の牛肉を甘辛く炊いてのせた「肉ぶっかけ」は、脂の旨みがうどんにからみつく極上の一杯でした。
67番札所大興寺近くのうどん屋から「さぬきうどん遍路旅」のスタート
66番札所雲辺寺から山を下ってきて、讃岐遍路道がスタートし、67番札所大興寺を参拝しました。
香川県讃岐國の名物といえば、言わずもがなの「さぬきうどん」です。
うどんの生産量は全国の都道府県で断トツのナンバー1、最近では「うどん県」なる呼称も誕生し、観光の目玉にもなっています。
うどんの始まりは、空海が唐から持ち帰った「唐菓子(小麦粉にアンコを入れて煮たもの)」が源流という説もあり、お遍路との関連性もあるかもしれない、地域に根付いた食べ物です。
徳島県から始まった遍路旅の道中で、各県で多くのうどん屋を見かけ、四国全体にうどん文化が広がっていると感じていましたが、ここまでの道中では、うどん屋に入店するのを我慢してきました。
というのも、うどんは本場讃岐國まで無事たどり着くことができたあかつきには、嫌というほど食べると心に決めていたからなのです。
ということで、遍路旅も終盤になってきた香川県讃岐國で、遍路旅初めてうどんを食べることになり、ここから「さぬきうどん遍路旅」もスタートです。
栄えあるスタート店に選んだのは、四国遍路Twitterフォロワーのうどん好きの方にオススメいただいた、大興寺近くの「金山(かなやま)うどん」でした。
焼肉屋も営む珍しいうどん屋
大興寺を出発して、次の68番札所神恵院方面は西方向ですが、金山うどんは逆の東方向で、国道377号を番外霊場「砥石観音」方面に約4km進む必要があります。
遍路道からはそれなりの距離を外れることになるので、本数は少ないですが、タイミングがあえばコミュニティバスを使うのもよいと思います。
お店は、国道377号と県道5号の大きな交差点「長瀬」にあり、看板がとても目立つのでわかりやすいです。
お店の外観でまず目を引かれるのは、うどん屋らしからぬ表示です。
昼間は焼肉コーナーは閉まっていましたが、焼肉コーナー営業中には、焼肉を食べながらうどんも注文できるとか。
そして、うどんメニューの中でもお店の名物は焼肉屋だけに「牛肉」が入ったメニューだそうです。
「さぬきうどん遍路旅」スタートにして、いきなり珍しい店に入り、肉はいいけど肝心のうどんはどうなんだろうと、少々疑いながら、「肉ぶっかけ(冷たいの)」を注文しました。
甘辛脂がうどんにからみつく極上の一杯
さぬきうどんのお店は、自分で配膳をするセルフスタイルのお店が多いですが、金山うどんは入店してそのまま席に着き、席まで注文をとりにきてくれますので、「肉ぶっかけ」を告げて、しばしの待ち時間です。
といっても、さすがにうどんは調理が早い。
2分ほどで肉ぶっかけが到着です。
写真を見ていただくとわかるように、牛肉には脂がしっかりのっていて、その脂が「甘い」のです。
この脂の甘味と旨みが、これまたいい具合に甘辛なぶっかけだしにも溶け込んでいます。
少々心配していた肝心の「うどん」ですが、なんのその、表面に凹凸があり、ひねりも効いているので、甘辛だしが麺にからみついて、旨みを持ち上げてくれます。
名物の牛肉と甘辛だしに合うように計算されているように感じました。
そして、ぐびぐびと飲むようにうどんをすすり、一瞬にして完食しようかという直前で、レモンを絞ると酸味が口直しになり、甘辛味が最後にはさっぱりと締めることができました。
実食時間は約3分、入店から10分にも満たない短時間の出来事でしたが、遍路旅初めての「うどん」にして、いきなり特別な体験といえる一杯をいただいてしまいました。
讃岐初めての店で、私にとっては極上レベルだったので、これから先の「さぬきうどん」がより楽しみになった一方で、この店が基準レベルになるとそれを超える店が現れるのか不安にもなりました。
ということで、遍路旅初めての「うどん」は、焼肉店も営む珍しいのお店「金山うどん」で、極上の「肉ぶっかけ」をいただき、幸先の良い讃岐路スタートとなりました。
店名: | 金山うどん(かなやまうどん) |
営業時間: | 9:00~21:00 |
定休日: | 火曜 |
住所: | 香川県三豊市山本町財田西1190-1 |
電話: | 0875-63-3889 |