札所間最長距離の37番札所岩本寺と38番札所金剛福寺の中継拠点となる四万十市中村は、「土佐の小京都」とも名の付く歴史ある地域です。宿泊施設や飲食店も多い中心市街地に、ノスタルジックな銭湯「中村温泉」があります。
札所間最長区間の中継拠点「四万十市中村」
高知県内のお遍路道中、順打ちで四万十町の37番札所岩本寺を打ち終わると、土佐清水市足摺岬の第38番札所金剛福寺を目指すことになりますが、この区間は90kmほどの距離があり、四国八十八ヶ所霊場の札所間で最も長距離の区間です。
この区間の中継拠点となる都市が四万十市で、市町村合併前は「中村市」で、中村と呼ばれていた市中心部は「土佐の小京都」と名の付く歴史ある地域で、伝統文化や古い景観を現代に残していて、高知県西部の観光拠点として宿泊施設や飲食店が多いエリアです。次の札所まで距離も長いと先を急ぎたくなるところですが、無理をせず、ゆっくり休憩・宿泊し、観光を楽しみながら、四国最南端の足摺岬を目指したいものです。
四万十市中心部の中村にある昔ながらの銭湯「中村温泉」
四万十市中心部の中村で休憩したり宿泊したりした際に、ぜひ立ち寄ってみていただきたいのが、この記事でご紹介する「中村温泉」です。
飲食店や宿泊施設が立ち並ぶ中心市街地に立地しているので、アクセスは便利なのですが、幹線道路から少し脇道に入るため、初めての人は見つけるのに少し苦労するかもしれません。
ちなみに施設名に「温泉」とありますが、お湯は天然温泉ではなく、銭湯形態の公衆浴場です。地元の人でも知らない人がいるぐらいの知る人ぞ知る穴場スポットです。
※私が中村温泉に徒歩で向かう途中で道に迷い、地元の人に聞きましたが、その人はご存知ではなかったです。
ノスタルジックな銭湯設備
施設内は、昭和の時代の銭湯そのものの雰囲気です。
靴箱に靴を入れ、番頭さんに入浴料を払い脱衣場へ。ちなみに入浴料金は大人400円・小人150円(2023年4月現在)のリーズナブルな銭湯価格です。
脱衣場は外観から想像するよりも広くて、ゆったりと過ごせました。肝心の浴室は4つの湯船があり、熱いお湯と普通のお湯、電気風呂があります。私が訪れた時は適温でしたが、ネット情報ではかなり熱くて、熱すぎて水を入れたなんて書き込みもありました。昔ながらの銭湯は、温度が高めであることがよくあるように思いますし、温度差があるふたつの湯船があることもしばしば。ここも昔ながらの銭湯のおもしろいところとして楽しんでみてください。
湯船ではゆったりと過ごすことができますが、小規模の銭湯なので、最近のスーパー銭湯にあるような立派な休憩スペースはありませんので、風呂上がりにゆっくりと休憩というわけにはいかないです。
石鹸やシャンプー、タオルなどのアメニティも常備されていませんので、必要な人は持参してくださいね。
中村で宿泊と高知グルメ
中村は高知県西部の最大都市なので、高知県西部では希少な街らしい街という雰囲気です。宿泊施設も多く、お遍路道中や観光拠点にぴったりです。
中村温泉がある中心市街地は、商店や飲み屋が立ち並んでいるので、お遍路道中にお酒を楽しみたい人はぜひ立ち寄ってみてください。中村は四万十川が太平洋にそそぐ河口のエリアにあたりますので、川や海の恵みを存分に味わうこともできますよ。
高知県の名物といえば「カツオのたたき」ですが、特に中村を含む西部エリアはカツオの質が良いと評判です。
順打ちだと四国最南端の足摺岬を目指すはてしない道のり。先を急ぎたくなる区間ではありますが、無理をせず、着実に進むことも大切です。四万十市中心部の中村は、昔ながらの風情が残る街で、飲食店や宿泊施設が多い中継拠点に便利です。ノスタルジックな中村温泉は知る人ぞ知る穴場スポットなので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
施設名 | 中村温泉(なかむらおんせん) |
住所 | 高知県四万十市中村大橋通6-2-27 |
電話 | 0880-34-5808 |
営業時間 | 13:00-22:00 |