68番札所神恵院と境内を同じくする69番札所観音寺の本堂(金堂)は、室町時代の部材を用いて江戸時代に建立された重要文化財です。室町時代作庭の回遊式日本庭園「巍巍園」もお見逃しなく。
68番札所神恵院と共通の境内
69番札所観音寺は、観音寺市街の海沿いにある「琴弾山」の中腹に位置し、68番札所神恵院と境内が共通の珍しい形態のお寺です。
琴弾山の山頂にある「琴弾八幡宮」創建の歴史と関わりが深く、これに関する情報は神恵院の記事で詳しくご紹介しています。
※神恵院と隣接の「琴弾公園」の様子は以下リンクの記事をぜひご覧ください。
【68番札所神恵院】元は「琴弾八幡宮」のお寺の本堂(西金堂)は最新式
【琴弾公園】観音寺市といえば「銭形砂絵(寛永通宝)」と「銭形くん」
神恵院は元は琴弾八幡宮併設のお寺だったので、元々観音寺の境内であった場所に神恵院が明治時代以降合流した形になります。
観音寺は、大同2年(807年)に空海が第7世住職として入山し、奈良の興福寺を模して、聖観世音菩薩像を刻み本尊とし、札所に定めたという歴史をもつそうです。
室町時代の部材を使い江戸時代に建立の本堂は重要文化財
観音寺の本堂(金堂)は、室町時代に建てられたものの部材をそのまま用いて、江戸時代の延宝5年(1677年)に建立された歴史をもつお堂で、国の重要文化財に指定されています。
神恵院の本堂(西金堂)が2002年新築のコンクリート打ちっぱなしの建物なので、同じ境内でこれほどまでに様子が違う本堂の姿は、とても印象に残ります。
大師堂も同じく朱塗りのお堂なので、ちゃんとペアになっている感じが私は気に入りました。
室町時代作庭の回遊式日本庭園「巍巍園」
観音寺の見どころとして外せないのが、室町時代に作庭されたという回遊式日本庭園「巍巍園(ぎぎえん)」です。
神恵院の本堂の建物の中に入り、階段をあがってから左方向に進んで建物を出ると、巍巍園を一望することができます。
私が訪れたのは冬の時期なので、なんとなく寂しい風景にも見えますが、あたたかい季節になってくると色鮮やかな花も咲くそうで、また違った表情の庭園になるのだと思います。
お寺の中の奥まったところにありますので、お見逃しのないように。
69番札所観音寺では、朱塗りの本堂・大師堂と、回遊式日本庭園の巍巍園がとても印象に残りました。
1境内で2札所の納経を立て続けに行い、琴弾公園観光も含めた観音寺市周遊をコンパクトに一気に終わらせ、次の70番札所本山寺がある三豊市方面に歩を進めていきます。
【69番札所】 | 七宝山 観音寺(しっぽうざん かんのんじ) |
宗派: | 真言宗大覚寺派 |
本尊: | 聖観音世音菩薩 |
真言: | おん あろりきゃ そわか |
開基: | 日証上人 |
住所: | 香川県観音寺市八幡町1-2-7 |
電話: | 0875-25-3871 |