愛媛県今治市は、四国八十八ヶ所霊場のうちの6ヶ寺がある札所密集地。自転車の聖地「しまなみ海道」の四国側の玄関口であるこの街で、1日のポタリング遍路に挑戦します。59番国分寺から出発地である今治港に戻る道です。
59番札所国分寺からの帰り道
愛媛県今治市は54番札所延命寺から59番札所国分寺までの6つのお寺が集まる札所密集地で、全て参拝しても20km程度の距離の範囲です。今回は、自転車の聖地である今治にちなみ、折りたたみ自転車を使って1日で6つの札所をめぐる「今治6ヶ寺めぐり」を企画しました。
※出発からの経緯については、下記のリンクをご覧ください。
【今治6ヶ寺めぐり-ポタリング編その1】スタートの今治港から55番札所南光坊
【今治6ヶ寺めぐり-ポタリング編その2】55番南光坊から54番延命寺へ
【今治6ヶ寺めぐり-ポタリング編その3】56番泰山寺と57番栄福寺と武田屋八幡饅頭
【今治6ヶ寺めぐり-ポタリング編その4】58番仙遊寺から59番国分寺
6ヶ寺めぐりの最後の札所、59番札所国分寺に到着し、あとは出発地である今治市中心市街地に戻るだけとなった今回のポタリング遍路。国分寺を出る頃には15時を過ぎていましたが、約6キロの道を戻るだけなので、暗くなるまでには時間の余裕があります。国分寺の東側にある国の史跡「国分寺塔跡」を見学し、国分寺エリアを後にしました。
【「伊予国分寺塔跡」 地図】
帰り道の景色
国分寺周辺の「唐子台」は少し高台になった住宅地で、道の切れ間から海が見えました。ここから今治中心部までは、海と並行して走る平坦な道がいくつもあるので、どの道を選んでも迷うことはないと思います。
今治城を見学
しばらく走り進めると、お堀と城が見えてきました。今治城です。
今治城は戦国時代の武将「藤堂高虎(とうどうたかとら)」が関ヶ原の合戦で軍功をあげた際に、徳川家康より今治12万石を与えられ築城したもので、日本100名城の一つに数えられる平城です。築城当初は城内に船入場が備えられ、海から直接船が入ることのできた日本屈指の海城だったそうです。石垣の堂々とした姿に惹かれ、寄り道することにしました。
今治城内部のあれこれ
城を建てた藤堂高虎の築城技術には定評があり、加藤清正、黒田勘兵衛らとともに「三大築城名人」に数えられているそうです。明治維新の廃藩の際、建物のほとんどは壊されましたが、内堀と主郭部の石垣は当時のまま残っています。実際に城内を散策しても戦国時代らしい硬派な印象を受けるお城でした。
【「今治城」 地図】
旅の出発地でもあるゴールに向かう
今治城を出ると、ゴールまでは目と鼻の先です。城の前の道は港へとつながっているので、海を横目に眺めながら、車を止めたホテルの駐車場へと進んでいきました。
駐車場に到着したのは、16時15分。国分寺から今治城見学を経て、約1時間で着きました。日も沈みかける時間帯で、自転車で帰り着くにはちょうど良い頃合いです。この後わたしは車で家に帰りましたが、今治市内に宿をとってゆっくりするのも良いかと思います(今治はB級グルメや居酒屋が充実しています!)。
今治6ヶ寺めぐりの感想
今回の自転車を使ったポタリングスタイル(自転車で散歩すること)の今治6ヶ寺めぐりは、お寺だけをピンポイントでまわるなら全長約27kmの行程(走行時間は約3時間弱)ですが、たっぷり寄り道してかかった時間は6時間強。1日かけて自転車でポタリングする距離としては、ちょうど良い距離感だと思います。
体力面は、スピードは出さずに休憩しながら進んでいるので、ほとんど負担は感じませんでした(当方中年女性&ステイホームで体力減退中)。ただなんとなく散策するよりも、お寺めぐりという軸があって、その上にグルメや買い物、史跡巡りなどを入れられるので、コース計画は立てやすいと思います。
今治はサイクリストに開かれた街で、自転車乗り向けの情報やサービスも多く、スポーツタイプのレンタサイクルも充実しています。手ぶらで訪れても本格的なサイクリング/ポタリングができる環境が整っているので、サイクリング/ポタリングの初心者でも安心だと思います。自転車での今治散策をぜひ楽しんでみてください。