9番札所法輪寺から11番札所藤井寺へのミニベロ遍路の道のりは、市街地や住宅地を抜けていくと風景や空気がガラッと変わる瞬間が訪れる。吉野川潜水橋との出会いもそのひとつだった。
走行データその2 9番札所法輪寺~11番札所藤井寺
区間距離:14.98km
実質所要時間:76min
平均走行スピード:13.2km/h
獲得標高:167m
一級河川「吉野川」にかかる潜水橋との出会い
9番札所法輪寺から10番札所切幡寺を経て、しばし南へ進むと吉野川河川敷に当たる。吉野川は、高知県と徳島県を流れる一級河川で、吉野川水系の本流。その長さは194 km、流域面積は3,750 km²で、紀伊水道に注ぐ豊富な水量を有する。山間部の多い四国の地形により、一度上流で大雨が降り続くと水量・水位が一気に増すことも多いため、利根川・筑後川と並び四国三郎の異名を持つ日本三大暴れ川の1つと数えられるそうだ。
そんな川を渡ることになるが、その橋がいわゆる潜水橋。四万十川の沈下橋は随分有名だが、四国の各地で見られる特徴的な橋。川が増水した時にも流されないように、わざと水の中に沈んで激流に耐える設計となっている。いわゆるガードレール的なものがなく、とりわけ“四国を旅している”気持ちを高めてくれる不思議な存在の橋である。
橋の両サイドに広がる吉野川河川敷には、様々な作物が育てられており、鳥も飛び交う。1番札所から進んできたルートの周辺とはガラッと毛色が異なる風景となる。市街地を走って来たのちに広がる自然の風景や大きな河川が目に飛び込んでくるアプローチも手伝い、記念写真を撮らずにはいられない場所だった。写真撮影をするにはおすすめのスポットだ。
初日のゴールとタイミング
かなり太陽が傾き、水面を照らす光の色が暖かみを増してきた。ずっと見ていたくなる川面の色の移り変わりを後にして、初日のゴール予定地である11番札所藤井寺へ。藤井寺に到着する500mほど手前で、またまたずいぶん気持ちのよい田んぼの農道を通過する。景色に見惚れながら走りすぎてしまい写真を撮り損ねてしまったが、時間に余裕があれば、そこら辺りでまた一度座ってほっこりするなどしてみてもいいかもしれない。
最後に少し坂道を上ったのち11番札所に到着し、ミニベロ遍路の初日を無事に走行し終えることができた。本日11度目の参拝。時刻はちょうど17時を指していた。心地良い達成感に包まれる。ちなみに、四国八十八ヶ所の札所は17時に納経所を閉めるので、お遍路さんについては原則としてその時刻までに参拝をおえることをオススメする。