【20番札所鶴林寺への遍路ころがし】自転車で登る阿波の3大難所のひとつである鶴林寺

阿波の3大難所のひとつである20番札所鶴林寺への登り坂。急坂にたどり着くまでのアプローチと自転車登坂本番の様子をお伝えする。

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20番札所鶴林寺への急坂アタック前半

20番札所鶴林寺に近づいていくと大井休憩所があり、そこからすぐのところで"鶴林寺4km"の看板が目に飛び込んでくる。阿波の三大難所の一つを自転車で挑戦。ハンドルを山側へ切り登りが始まる。
序盤は道路のコンディションもよく、大回りカーブの登りの為、行けるところまで立ちこぎで進みたい衝動に駆られるが、押して進むのと立ちこぎを交互に行っていく。荷物の重みとどこまでも続く登り傾斜を前に残りの体力を考え、「最初に頑張りすぎたら後が大変!」という気持ちになってくる。
20分ほど登っていくと、道路の脇に『四国のみち』という看板を発見。大井休憩所で見た歩き遍路用の山道案内板だった。大井休憩所から歩き遍路コース=2.1km、道路コース=4km。距離的に歩き遍路コースが無性に羨ましくなりながら自転車を押しながら登り進めていく。汗だくになり35分後、鶴峠に到着。

ミニベロ遍路 鶴林寺への道

鶴峠にある残り2kmの看板、生名方面との合流地点

ミニベロ遍路 鶴林寺への坂道アタック

無の境地、全身運動

 

20番札所鶴林寺への急坂アタック後半

半分経過ですでにヘトヘト。残り2kmの看板からは完全に手押しで登る。残り2kmの看板とともにここからの登りがさらに厳しさを増す。「まだ半分か」ここで出た言葉が自転車で押し登る疲労を物語る。基本的に立ちこぎは不可な傾斜を、手押しで残り2km進んでいく。古く割れたアスファルトの表面でタイヤ摩擦も強く、繰り返されるカーブに足の筋肉はもちろん、手押しで重さを支える腕の筋肉も疲労でパンパンになる。歩く時も同様で、登り傾斜がきつい道こそ外側大回りが基本。なんでも急がば回れが基本と自分に言い聞かせながら、そしてたまに道路脇に出現する雰囲気抜群の歩き遍路用のルートに嫉妬しながら無心で登り続ける。

ミニベロ遍路 鶴林寺山道との合流ポイント

歩き遍路用のルートは山道で、数ヵ所車道と合流ポイントがある

 

20番札所鶴林寺への急坂制覇

登り始めから1時間、ついに鶴林寺の駐車場に到着!
お寺でのお参りを終え、再びミニベロに乗り込もうとしていた時、年配の男性が「自転車でよくここまで上がってきたのぉ〜!」と満面の笑みで話しかけてくれた。疲労した心身への労いに少し救われた気持ちになった。少し大袈裟だがマラソンランナーの気持ちが少しわかった気がする。きっと孤独な戦いの中で沿道の応援からどれほどの力をもらえるのか。男性の一声はそんな想像すらできた気がした。車・歩き・自転車、それぞれ手段は違えど八十八ヶ所を巡るという行為の中で、同じコミュニティーに属しているような親近感を与えてくれる。労いの言葉も物理的ではない気持ちのお接待と受け止め、意気揚々と下りへ。

ミニベロ遍路 鶴林寺

凄まじい達成感を得られる鶴林寺

 

難所を終えての振り返り

試練の登り1時間、気分爽快下り10分。
山の上部は道が荒れ気味でカーブも多い為慎重にブレーキに力を込める。標高が下がるにつれ、緩やかなカーブの見晴らしもよく、風を切りながらあっという間に登りはじめのポイントへ戻ってきた。
登り汗だく1時間、下りはあっという間の10分。これぞ自転車遍路の振り幅。次にもしもう一度トライするならば、大井休憩所に自転車を駐車し、荷物を背負って2.1kmの雰囲気抜群の山道を歩いて登るのが最もいいアプローチだと強く感じた難所だった。

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この記事を書いた人

訪日外国人観光客向けにユニークな日本文化体験を提供する株式会社TABIKYO JAPAN(https://www.tabikyo-japan.com/)のサービスマネージャー。北海道出身で、世界50ヶ国以上を旅し、カナダ・イエローナイフの犬ぞりとオーロラ鑑賞や、富士山の登山などプロのアウトドアガイドとして13,000人以上を案内した実績があり、お客様と寄り添うガイディングで「一生に一度」のシチュエーションをナビゲートしている。