四国八十八ヶ所霊場には 「大日寺」 という札所寺院が3ヶ寺存在します。土佐國にある28番札所大日寺は、奥の院にまつられている薬師如来が特に首から上の病気を治して下さる仏様として知られています。
—– 記事に登場する主な地名・単語
第28番大日寺(だい28ばんだいにちじ)
手水舎(ちょうずしゃ)
爪彫薬師(つめほりやくし)
加持水(かじすい)
奥の院・爪彫薬師堂への参道
28番札所大日寺の奥の院へは、札所本堂へ続く階段を登ったところの手水舎の前から分岐します。
整備された参道を100mほど歩くと、奥の院入口。
以前はここから未舗装路でしたが、近年整備され、奥の院まで全て足元が良い参道が続いています。
参道の終点、階段を上がった丘の上に小さなお堂があります。
奥の院・爪彫薬師堂
まつられている仏様は薬師如来。一般的に "病気平癒" "厄除け" のご利益を頂くことができる仏様です。
当初、大師(弘法大師、空海)が訪れた際、山を分け入ったこの場所に留まり、楠木の大木に薬師如来像を刻んだ。
それは自身の爪を用いて像を彫ったことから "爪彫薬師" の名前がある。
とりわけ病気の中でも 「首から上の病」に霊験あらたかと伝わります。
堂前を湧き出る湧水は、大師由来の加持水として渇水時も枯れたことが無い霊水であり、飲用すると万病に効くとされます。
奉納されている穴の開いた石の秘密
奥の院・爪彫薬師参拝では、
爪彫薬師参拝
↓
病気が治った
↓
お礼参りの際に穴の開いた石を持参する
独特の風習が伝わります。
お堂の横にびっしり石が積まれていますが、いずれも穴が開いているもの。すなわち、病気が治ってお礼参りに訪れた方々の人数、もしくは治った病気の件数といえる。
長い年月をかけて、訪れた方々も多数、穴の開いた石は大小様々です。
お礼参りで奉納する石の大きさは問われません。けれど、自然界で狙ってそのような石を発見するのはわりと難しい。それも含めて、病気平癒のための修行ということでしょうか。
28番札所大日寺へ参拝に訪れた際は、本堂・大師堂参拝の他に、少し足を伸ばして 奥の院・爪彫薬師堂をご参拝下さい。
【「28番札所大日寺奥の院・爪彫薬師」 地図】