歩き遍路の必需品といえば「地図」です。私は電子書籍で発刊されている「大きな地図で行く「四国遍路」八十八ヶ所巡り徹底ガイド」で歩ききることにチャレンジしてみました。
あえての「電子書籍」でのチャレンジ
歩き遍路を出発するにあたって、まず必要だと思うのは「地図」です。
これだけインターネット社会になってきたとはいえ、どこを歩いていけばよいのかを明確に示してくれる情報を便利に簡単に入手できるものは、私はWEB上では見つけられませんでした。
※本サイトはそこを少しでもお手伝い・補完できればとのおもいはありますが、完成形にはまだまだ到達できそうもありません…
※遍路後にGoogleマップ上に遍路道を示してくださっているサイトを発見しました。これは便利かもしれませんのでリンクをはっておきます(詳細内容は検証できていません。基本的に1ルートで、複数から選択が可能なところの表示はないようです。また、旧遍路道ではないところが表示されているところもあるようです。)。 http://gpscycling.net/tokaido/henro.html
ということで、多くの歩き遍路さんが頼りにするのは「へんろみち保存協力会」が発行している「四国遍路ひとり歩き同行二人[地図編]」です。
歩き遍路道中で出会ったお遍路さんの多くが、この本を開きながら歩いていましたが、私はなるべくデジタルでチャレンジしようと思ったのと、ちょうど新しい電子書籍リーダーを購入したので、なんとかそれを活用したかったおもいから、電子書籍で発刊されている「遍路地図」を探し、唯一見つけたのが私が遍路道中で使った「四国路おへんろ倶楽部」著の「大きな地図で行く「四国遍路」八十八ヶ所巡り徹底ガイド」です。
※「四国遍路ひとり歩き同行二人[地図編]」は遍路結願後の振り返り資料として購入しました。詳しくは以下記事もぜひご覧ください。
【四国遍路ひとり歩き同行二人[地図編]】歩き遍路さんにおすすめの地図といえば必ずこれ
電子書籍のメリット
私が購入したてだった「電子書籍リーダー」は「kobo aura H2O」です。
そもそも歩き遍路中に、紙書籍の地図ではなく、電子書籍で、しかもこのリーダーを使うメリットだと思うのは
●防水・防塵仕様なので、野外や雨の日でも使用可能
●バックライトがつくので、電気がない暗い環境でも見ることができる
→バッテリーは、時々地図を見る程度であれば、遍路中に充電が必要ないぐらい持続可能 ※1日30分閲覧で約7週間もつ
●サイズが小さいので収納しやすい
→それでいて画面は閲覧に十分な大きさで拡大縮小も可能なので閲覧の不自由はなし
あたりです。
デメリットだと思うのは、何か情報を書き込んで記録しようとする場合は、それができない(私が書き込み機能を見つけれらていないだけかも…)ところぐらいでしょうか。
そもそもは「kobo aura H2O」を遍路道中にフル活用して、夜は遍路関連を中心にいろいろな本を読みながら進もうと思っていたのですが、歩きの疲労からくる睡魔と、意外と夜もやることがたくさんあって、それどころではありませんでした。
遍路が終わってからは、もっぱら入浴中の読書に活用しています。
「kobo aura H2O」は2022年9月現在で廃版になっているので、koboシリーズで防水仕様の他商品の詳細情報のリンクもはっておきますので、ご興味ある方はご覧ください。
私のように遍路中に活用しようとするのは、少々ハードルが高いかもしれませんが。
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大まかな方向と主要道路、ルート選択はこの一冊で十分
肝心の「大きな地図で行く「四国遍路」八十八ヶ所巡り徹底ガイド」の内容ですが、歩き遍路全道程のかなり縮尺大き目の地図(細かい分岐点や周辺情報はわかりづらいです)が102パートにわかれて掲載されているほか、遍路の基礎知識や札所や宿泊所、交通案内などが網羅されていて、情報量としては十分だと思います。
ただし、前述のように細かい分岐まではわかりづらいので、この地図では大まかな方向と通る主要道路、複数ルートがあるときはそれの選択と分岐目印の確認に使用していました。
これだけはさすがに不安・不十分なので、私があわせて頼っていたのが、へんろみち保存協力会が設置してくださっている「道標(みちしるべ)」と、スマホの「Googleマップ」です。
分岐点や道がわかりづらいところには、基本的には「道標」がありますので、それに従って歩いていけば、大きな問題はないです。
しばらく「道標」が見えなくなったり、明らかに違う方向にそれてしまったというときは、「Googleマップ」のGPSで現在位置を確認し、方向修正をしたり、周辺の休憩や買い物ポイントを確認していました。
ということで、この地図で私が歩き通すのには十分でしたが、「四国遍路ひとり歩き同行二人[地図編]」と比較して、情報が少ないところを上げると
●別格霊場や番外霊場の情報がほとんどない
●休憩所情報が少ない
●目印になるランドマークの情報が少ない
●道途中の距離がわからない(距離情報があるのは札所間距離のみ)
あたりなので、これらの情報を重視する方には、この地図はオススメしません。
また、少し残念だったのが、数ヶ所誤植や落丁があり、他の媒体で確認をすることがあったことですが、遍路に関するデジタル媒体での情報が十分でない中で、いち早く電子書籍発刊にチャレンジしていただいたことは、たいへんありがたく思います。
これから、遍路関連のデジタル情報がどんどん充実し、遍路文化の維持・発展につながるように願いながら(本サイトもそれに少しでも貢献できれば)、あえて電子書籍版地図で歩き遍路を敢行したレポートとします。
紹介した書籍の詳細情報は以下をご確認ください。
大きな地図で行く「四国遍路」八十八ヶ所巡り徹底ガイド[電子書籍版]/「四国路おへんろ倶楽部」著/「メイツ出版株式会社」発行
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