四国八十八ヶ所霊場15番札所の阿波の国分寺にあるお堂に「烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)」がまつられています。トイレとゆかりがあるといわれる理由やご利益について解説します。
「烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)」とは
烏枢沙摩明王は「トイレの神様」といわれることがあります。仏教的解釈では不浄を清浄に変える力を持つ神様です。
新しい家にやってくる7人の神様
新しく家が建つと、そこに7人の神様がやってきます。神様なので乗物に乗って来るわけではありません。みんな徒歩です。
でも、7人みんな到着する時間が違う。
一番最初に到着する神様は、何を差し置いてもまず行かないといけない。責任感が強い方なのでしょうね。
二番目に到着する神様は、ちょっと手土産でも…と準備をする分少し出遅れてしまう。
三番目、四番目… となるにつれ、徐々にお土産が増えていく。
新しい家に到着された神さまは それぞれ、
一番目…応接間
家の中で最も豪華な場所
二番目…玄関
家の顔ですから ここも立派な造りです
三番目…寝室
家主たちが安心して休むための場所
四番目…居間
みんなが集まる場所
五番目…台所
お料理を提供する場所ですが、不要のもの(ゴミ)も出る場所
六番目…お風呂
身体をきれいにするための場所
基本的に神様は不浄を嫌うので、家の中で綺麗にしている順に入っていかれます。
で、七番目。もうあそこしか残ってません。
七番目…トイレ
基本的にきれいなことをする場所ではありません
どうして七番目になるのか。
その神さまが手を抜いて訪れるわけではありません。むしろ、新しく家を建てた家主さんのために 持てる財産と力を駆使して袋いっぱいに宝物を詰めて、さながらサンタクロースのような姿で家にやってくるのです。
だから用意に時間がかかるし、荷物(=宝物)が重たいので走ることができない。新しい家に到着した時には、もうトイレしか空いていないのです。
その方がすなわち 「烏枢沙摩明王」さまです。
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烏枢沙摩明王をまつるお堂がある第15番阿波国分寺
通常は烏枢沙摩明王はお手洗いや水場など、片隅の目立たないところにいらっしゃることが多いのですが、15番札所国分寺には烏枢沙摩明王をまつるお堂があり、手厚くまつられています。
この札所では近年まで大師堂が再建されていなかったこともあり、お大師さまが烏枢沙摩明王と同居されていたのですが、開基1200年の年に大師堂が建立され、同居が解消されました。
それによってこちらのお堂に手を合わせる人がいなくなってしまった感がありますが…
烏枢沙摩明王のご利益とは
「トイレを掃除すると、いいことがある」
トイレをきれいにすると、そこを守ってくれている七番目に到着した神様(=烏枢沙摩明王)が喜んで、持参した宝物をわけてくださる…
このお話はお寺に行かなくてもいい。トイレを掃除するだけでいいんです。
家で今日から始めることができます。騙されたと思って実践してみてください。
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【15番札所】 | 薬王山 金色院 国分寺(やくおうざん こんじきいん こくぶんじ) |
宗派: | 曹洞宗 |
本尊: | 薬師如来 |
真言: | おん ころころ せんだり まとうぎ そわか |
開基: | 行基菩薩 |
住所: | 徳島県徳島市国府町矢野718-1 |
電話: | 088-642-0525 |