【愛媛県宇和島市】領民から慕われた「山家清兵衛公頼」を祀り石造り日本一の大鳥居がそびえる「和霊神社」

愛媛県宇和島市にある「和霊神社」は、「和霊さま」の愛称で親しまれる、宇和島市を代表する神社のひとつです。領民から慕われた「山家清兵衛公頼」を祀り信仰をあつめてきた歴史や、石造りでは日本一の大きさとされる大鳥居や空襲の跡が残る太鼓橋などの見どころをご紹介します。

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領民から慕われた「山家清兵衛公頼」を祀る「和霊神社」

愛媛県宇和島市にある「和霊神社(われいじんじゃ)」は、かつての宇和島藩の家老・山家清兵衛公頼(やんべせいべえきんより)を御祭神とする神社です。漁業を中心とした産業の神として中国・四国地方に広がる「和霊信仰」の総本山とされ、地元では「和霊さま(われいさま)」と呼ばれて親しまれています。

和霊神社の歴史は、御祭神である山家清兵衛公頼と深く関わっています。
清兵衛は、江戸時代初期に宇和島藩初代藩主・伊達秀宗(だてひでむね)の家老として政務を担い、租税の軽減や産業の振興、藩費の節約などに取り組みました。その功績から、領民にあつく慕われたといいます。しかし、藩政改革をめぐって一部の藩士から反感を買い、元和6年(1620年)6月29日に襲撃され、命を落としました。
清兵衛の死後、事件に関わった人物が相次いで亡くなるなど、藩内では凶事が続きました。人々はこれを清兵衛のたたりと恐れ、その霊を慰め、和らげるために神として祀ったのが和霊神社の始まりとされています。「和霊」という社名には、清兵衛の霊を和らげたいという願いが込められているといわれています。
そして承応2年(1653年)に藩主・伊達秀宗によって「山頼和霊神社(やまよりわれいじんじゃ)」が建立されました。享保20年(1735年)には現在の地へ移され、清兵衛を慕う人々の信仰は、伊予国から四国一円、瀬戸内海沿岸へと広がっていきます。現在では、境内社も含めた末社は約150社にのぼるとされます。
しかし、昭和20年(1945年)の宇和島空襲によって社殿が焼失してしまいます。その後、戦災復興奉賛会を中心に復興が進められ、現在の本殿は昭和26年(1951年)に竣工したそうです。現在では宇和島を代表する神社として、多くの参拝者に親しまれています。

和霊神社_入口

私は小雪が舞う冬の季節に和霊神社を訪れました。

 

和霊神社の見どころ「大鳥居」「神幸橋」「お多福面・鼻高面」「大絵馬」「大銀杏」

和霊神社を訪れると、まず目に入るのが高さ12m余りを誇る大鳥居です。
日本最高級の花崗岩と名高い香川県庵治(あじ)産の石で昭和13年(1938年)に建てられたこの大鳥居は、石造りでは日本一の大きさとされています。間近で見上げるとその迫力に圧倒され、印象に残ります。

和霊神社_大鳥居

圧倒的な迫力の大鳥居は和霊神社の最大の見どころです。

大鳥居をくぐった先には、和霊公園と和霊神社の間を流れる須賀川(すかがわ)に架かる太鼓橋「神幸橋(みゆきばし)」があります。
昭和7年(1932年)に架けられた神幸橋は、宇和島空襲の際にも奇跡的に崩れずに残りました。欄干などには焼夷弾の跡が今も残っており、戦争の記憶を静かに伝えています。社殿は空襲で焼けてしまいましたが、当時の姿をとどめる神幸橋のエピソードを知ってから渡ると、何気ない参道の景色も少し違って見えてくるはずです。

橋を渡ると神門が現れ、社殿へと参道が続きます。神門の内側の左右には、日本一とされる「お多福面」と「鼻高面」が掲げられているので、くぐる前にぜひ見上げてみてください。

和霊神社_神門

立派な神門をくぐり、境内へと歩を進めます。

和霊神社の境内で注目したいのが「大絵馬」です。境内には干支を題材にした大きな絵馬が奉納されており、毎年異なる絵柄を楽しむことができます。
この大絵馬は、平成2年(1990年)から設置されているもので、近年は松山市出身の墨絵アーティスト・茂本ヒデキチ氏の作品が、毎年12月下旬に奉納されています。その年の干支の絵が描かれているため、初詣の時期には写真を撮る人で大行列ができています。

境内には、樹齢450年以上とされる御神木の大銀杏もそびえています。
お遍路道中に和霊神社に立ち寄って、その年の大絵馬や大銀杏を眺めながら、旅の無事を願ってみてはいかがでしょうか。

 

お遍路道中の立ち寄りにもおすすめの立地と大勢が訪れる祭事

和霊神社は、JR宇和島駅から徒歩約10分の場所にあります。
四国八十八ヶ所霊場巡礼においては、40番札所観自在寺(かんじざいじ)から41番札所龍光寺(りゅうこうじ)へ向かう道中にあたり、JR宇和島駅からすぐの場所には四国別格二十霊場の6番札所龍光院(りゅうこういん)もあります。宇和島市街地で宿泊や食事をするお遍路さんも多いので、お遍路道中の立ち寄りもしやすいです。

毎年7月23日・24日には例大祭「和霊大祭」が行われ、悪魔祓いや厄除けの意味がある牛と鬼を融合させた姿の巨大な山車「牛鬼(うしおに)」が名物の宇和島の夏祭り「うわじま牛鬼まつり」も併催され、多くの人でにぎわいます。
また、宇和島市では巨体の牛同士が体をぶつけあう伝統文化「宇和島闘牛」が受け継がれていて、和霊大祭の開催にあわせた奉納行事としても開催されており、タイミングがあえばぜひ一度ご覧になってみていただきたいです。

和霊神社_JR宇和島駅_闘牛

JR宇和島駅前には「宇和島闘牛」のモニュメントが設置されています。

 

藩政に尽くした家老の無念を鎮めるために始まり、空襲を乗り越えて今に続く和霊神社。大鳥居を見上げ、焼夷弾の跡が残る神幸橋を渡ると、宇和島の人々が和霊神社を大切に守ってきた歴史を肌で感じることができると思います。お遍路さんも、ぜひお遍路道中に立ち寄ってみていただきたいおすすめスポットのひとつです。

 

【「和霊神社」 地図】

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この記事を書いた人

旅行や観光の分野を中心に記事制作している愛媛県出身のライターです。四国の魅力や読者さんに役立つ情報をお伝えできる記事を制作することを心がけています。