香川県民のソウルフードとして近年全国的に知名度が上がっているのが「骨付鳥」です。骨付鳥を生み出した元祖といわれるお店が「一鶴」で、創業の地である「丸亀本店」で堪能しました。
香川県民のソウルフード「骨付鳥」の元祖「骨付鳥一鶴丸亀本店」
香川県の名物といえば「讃岐うどん(さぬきうどん)」が有名ですが、地元の人に愛されるソウルフード「骨付鳥(ほねつきどり)」が近年うなぎのぼりで知名度が上がっています。
骨付鳥とは、骨付きの鶏もも肉を丸ごと1本、香辛料をきかせて焼き上げた香川県の郷土料理です。この骨付鳥を考案したのが、香川県丸亀市で昭和27年(1952年)に創業した「一鶴(いっかく)」です。もともとはおでんとお好み焼きを出す小さな店でしたが、創業者が海外の映画で女優が鶏肉にかぶりつくシーンを見たことをヒントに、骨付鳥を作り上げたといわれています。以来70年以上、その味は変わらず受け継がれ、今では香川県を代表する味として全国に知られるようになりました。
現在では香川県内の多数の飲食店で骨付鳥が提供され、一鶴も香川県内はもちろん県外にも複数の店舗を展開していますが、やはりここは元祖の味を楽しみたいと思い、創業地である丸亀市の「骨付鳥一鶴丸亀本店」を訪れました。
お遍路道中においては、多度津町にある77番札所道隆寺と宇多津町にある78番札所郷照寺の中間地点に骨付鳥一鶴丸亀本店があります。丸亀市には四国八十八ヶ所霊場の札所はないのですが、香川県西部の中核都市で、JR丸亀駅周辺には宿泊施設や飲食店がたくさんあり、移動拠点として滞在するお遍路さんも多いです。
お遍路道中での立ち寄りにもとてもおすすめなので、私の訪問実体験を詳しくご紹介します。

JR丸亀駅近くにある骨付鳥一鶴丸亀本店は、平成4年(1992年)にリニューアルされ、料亭のような品のある高級感がありました。
一鶴の骨付鳥が大人気の3つの理由
骨付鳥一鶴丸亀本店は、JR丸亀駅から徒歩3分ほどのアクセスが良い立地で、周辺には飲食店が点在しています。
ランチ営業もありますが、私は今回は夜ごはんの時間帯に訪れました。お店に到着した18時頃には店舗前にすでに長蛇の列ができていました。回転はよく、約40分ほど待って入店することができました。滞在時間が限られる場合は、昼・夜の食事のピーク時間帯を外して訪問するのがおすすめです。
店内に入ると威勢の良い掛け声が響き渡り、活気にあふれる雰囲気でした。メニューは名物の骨付鳥のほか、お酒によく合う小鉢やサラダ、シメにぴったりのご飯ものまで幅広く揃っており、骨付鳥に合うお酒もたくさんの種類がラインナップされていました。

メインの骨付鳥が提供されるまで、「アジの三杯酢」と「かわ酢」でお酒が進みました。
そしていよいよ骨付鳥の到着です。

骨付鳥は「ひなどり」と「おやどり」の2種類があり、食欲をそそるビジュアルがたまりません。
連日多くの人が行列を作り、並んでも食べたくなる一鶴の骨付鳥の人気の理由は主に3つあります。
①「ひなどり」と「おやどり」の異なる味わい
一鶴の骨付鳥には「ひなどり」と「おやどり」の2種類があります。ひなどりは若鶏を使っており、肉質が柔らかくジューシーなのが特徴で、初めて骨付鳥を食べる人にも食べやすい仕上がりになっています。一方のおやどりは、成鶏(親鳥)を使用しており、しっかりとした歯ごたえと噛むほどに広がる濃い旨みが魅力です。どちらもそれぞれ違った美味しさがあり、この2種類を食べ比べられるのも一鶴ならではの楽しみ方です。
②香川に根付く「鶏文化」
創業間もない小規模な飲食店であった一鶴が作り出した骨付鳥が、香川県全体に広まりソウルフードとなっていった背景には、もともと香川に根付いていた「鶏文化」があります。香川県には穀物を輸入するのに適した港があり、養鶏用の飼料工場が整備され、大阪など大消費地にも近かったため、卵を生産するための養鶏業も盛んでした。さらに、昔から鶏を飼う農家が多く、卵を産まなくなった親鳥をお祝いの日のごちそうとして食べる習慣もありました。
香川県民にとって鶏肉はもともと身近な食材だったため、そこに骨付鳥のお酒との相性の良さも加わり、キャベツなどのシンプルな付け合わせと一緒に楽しむスタイルが定着し、日常的に親しまれていきました。
③専門店ならではの焼き方のこだわり
一鶴では、鶏肉に独自にブレンドしたスパイスをすり込み、高温の鉄板でじっくりと焼き上げます。皮はパリッと香ばしく、肉はジューシーに仕上げる火加減の調整には、長年の経験が必要です。焼き上がった後に旨味たっぷりの鶏油をまとわせるのも骨付鳥を仕上げる欠かせない工程です。この工程があるからこそ、パリパリの皮と溢れ出す肉汁の魅力がより引き立ちます。
私は、ひなどりとおやどりの両方を食べてみたかったので、同行者とシェアしました。焼きたてのジュワジュワという音と、骨が付いた豪快なビジュアルにまず感激しました。実際に食べてみると、絶妙なスパイスの味付けにお酒がどんどん進み、ひなどりとおやどりの食感や旨味の違いも楽しく、1本ずつでは足りず、追加注文してしまいました。
そして締めは、「むすび」と名付けられたおにぎりに、骨付鳥の旨みがたっぷり溶け込んだ油だれをつけて食べると、これがまた手が止まらない美味しさで、写真を撮ることを忘れるほど、無我夢中で食べ進めていました。
「一度食べると、また食べたくなる」そんな中毒性のある美味しさと、今では香川県を代表する食文化にもなった独自の製法とサブメニューを含めた飲食スタイルが、一鶴の骨付鳥が多くの人を魅了する理由であることを実感することができました。
いろいろな場所・方法で味わうことができる一鶴の骨付鳥
一鶴ではお店の味を自宅や旅先でも手軽に楽しめるように、ホットタイプとレンジタイプから選んで骨付鳥を持ち帰ることができます。また、公式サイトのオンラインショップから全国発送で取り寄せることもでき、旅の余韻をもう一度味わいたい人におすすめです。
また、私が訪問した創業地である丸亀本店の他、丸亀市内に土器川店と中府店、香川県の県庁所在地である高松市には高松店・屋島店・太田店の3店舗と、香川県内に計6店舗を展開しています。さらに香川県外にも、横浜・大阪(心斎橋・西梅田)・福岡と店舗展開が広がっています。
香川県への旅の道中はもちろん、四国外にお住まいの人も元祖の骨付鳥を味わう機会が意外と身近にあるかもしれませんので、ぜひ一度食べてみてください。
骨付鳥一鶴丸亀本店は、今や全国的に知られるようになった香川県民のソウルフード「骨付鳥」が生み出された元祖のお店です。お遍路道中でも立ち寄りやすい立地ですので、ぜひ地元の味を体感し、遍路旅にスパイスを加えてみてください。
| 施設名 | 骨付鳥一鶴丸亀本店 |
| 住所 | 高知県土佐郡大川村船戸239 |
| 電話 | 香川県丸亀市浜町317 |
| 駐車場 | 普通車10台 |
| 営業時間 | 平日:11:00〜14:00(L.O.13:45) 17:00〜22:00(L.O.21:30) 土日祝:11:00〜22:00(L.O.21:30) 火曜定休 |
| ホームページ | https://www.ikkaku.co.jp/index.html |










