高知県の独特の食文化のひとつにオーロラソースがかかったチキン南蛮があります。高知県民のソウルフードともいえる一品を、高知市内にある鳥料理の有名店「鳥心」の豪快な定食スタイルでいただきました。
高知県民のソウルフード「オーロラソースのチキン南蛮」
「チキン南蛮」といわれて、皆さんが思い浮かべるのは、宮崎県が発祥の、揚げた鶏肉を甘酢たれに漬けて、タルタルソースがかかった料理だと思います。
高知県でもチキン南蛮を提供する飲食店がたくさんあるのですが、皆さんが思い浮かべる料理とは様子が違って、以下の写真のようなチキン南蛮が高知県では一般的なのです。
また、上の写真のように鶏の一枚肉を豪快に揚げて提供するお店が多いのも高知県の特徴です。他のエリアでは、唐揚げのように一口大にきってから揚げるスタイルのチキン南蛮も一般的かと思いますが、このあたりも高知県のチキン南蛮の独特なところです。
高知県のチキン南蛮の歴史
高知県内でなぜオーロラソースがかかったチキン南蛮が一般的になったのかというと、高知県民ならだれもが知るお弁当ローカルチェーン「くいしんぼ如月」が、このスタイルのチキン南蛮を開発し、販売していったからだといわれています。
今から30年以上前に、くいしんぼ如月の先代社長が宮崎県でチキン南蛮を食べてたいへん気に入り、高知県のお弁当屋でも提供できないかと考え、でもそのまま全部パクるのも嫌だったので、当時のパートのおばちゃんが独自のソースを開発したという、うそのような本当の話があるそうです。
これがきっかけで、高知県のチキン南蛮はオーロラソースが一般的になり、いろいろな飲食店で提供されるようになりました。
高知県は他地域と海と山で隔てられていて、一昔前までは他県との行き来もたいへんだったので、独自の食文化が誕生し県内だけに広がりやすかったという事情もあるかもしれません。
高知県のチキン南蛮の名店「鳥心」
このチキン南蛮を味わうために訪れたのが、高知市にある豪快な鳥料理で有名な「鳥心」です。JR高知駅から東に約2km、徒歩だと約25分ほどかかりますが、歩けない距離ではないですし、お店があるエリアは、多様なライフスタイルを提案する蔦屋書店や、高知県内最大級の産直市・とさのさとなどが新規出店し、そのほかにもたくさんの話題の飲食店や、大型の公園などができている注目エリアなので、ぜひ立ち寄ってみていただきたいです。
お遍路さんであれば、30番札所善楽寺を打ち終えたあと、31番札所竹林寺に行く途中のエリアで、高知市中心市街地で宿泊したり観光を楽しまれる人も多いと思いますので、立ち寄りやすい場所だと思います。
デカ盛りのチキン南蛮定食
いろいろな鳥料理を楽しむことができる鳥心ですが、一番人気で名物なのはもちろんチキン南蛮です。
さっそく注文し、ほどなくして提供されたのが以下のチキン南蛮定食です。
鳥心のチキン南蛮の特徴は、なんといっても顔よりもでかいのではないかと思えるような鶏の一枚肉を揚げた豪快なスタイルであること。チキン南蛮なのにナイフとフォークが出てくるのも独特です。鶏の一枚肉を揚げてそのままお皿に載せた状態で提供されるので、お客さんがステーキを食べるかのように、ナイフで切りわけて食べます。切るのが苦手だとか、面倒だとかいう場合は店員さんに事前に切りわけてほしいとお願いしておけば、やってくれるようです。
肝心のオーロラソースはというと、まず見た目的に色合いが良くおいしそうで、味は揚げた鶏をさっぱりとしてくれて、とても食べやすく、巨大な鶏肉がどんどんなくなっていきます。他地域から高知県に移住した私は、オーロラソースのチキン南蛮に初めは戸惑いましたが、タルタルソースよりこちらの方が当たり前になってしまいました。
定食についてくるご飯も大盛りで、普通のお茶碗だと2杯分以上はあるかなと思う量ですが、オーロラソースのチキン南蛮がご飯ともとても合うので、ご飯もどんどん進んでちょうどよいバランスです。
さらに鳥料理屋さんならではの鶏出汁がきいたコンソメスープもついていて、これも隠れた人気の一品だそうです。
高知県民のソウルフードともいえる「オーロラソースのチキン南蛮」をご紹介しました。このような四国各地の独特な食文化を体験できるのもお遍路の醍醐味だと思いますし、鳥心の豪快なチキン南蛮定食は、腹ペコなお遍路さんを必ずや満足させてくれるはずです。
店舗名 | 鳥心(とりしん) |
住所 | 高知県高知市南川添15-3 |
電話 | 088-883-8501 |
営業時間 | ランチ:11:00~13:45 ディナー:17:30~21:00 水曜定休 |
ホームページ | http://kochi-torishin.jp/ |