高知県須崎市には今や全国区になったご当地B級グルメ「鍋焼きラーメン」があります。「まゆみの店」は、発祥の店の味を追求し、食べ方のアレンジも楽しめる人気店です。
ゆるキャラ®グランプリ2016第1位の「しんじょう君」
別格5番札所大善寺がある高知県須崎市は2016年に一躍有名になりました。
なぜかというと、いまや全国各地で無数のものが存在する「ゆるキャラ」の日本一を決める「ゆるキャラ®グランプリ2016」で、第1位になったのが高知県須崎市のご当地ゆるキャラ「しんじょう君」なのです。
2012年に絶滅種に指定されたニホンカワウソが最後に目撃されたのが須崎市の新荘川(しんじょうがわ)で、そのニホンカワウソをモチーフに2013年に誕生したのがしんじょう君です。
このキャラクターの特徴が頭の上にのった帽子で、これは須崎市のご当地B級グルメ「鍋焼きラーメン」をイメージしています。
この投稿をInstagramで見る
「鍋焼きラーメン」は、須崎市で50年以上愛されているご当地グルメで、市内で約40軒ほどが提供していて、その中でも人気店の「まゆみの店」に行ってきましたので、ご紹介したいと思います。
親鳥スープが特徴の「鍋焼きラーメン」
鍋焼きラーメンとは、須崎商工会議所が発足させた「須崎名物『鍋焼きラーメン』プロジェクトX」の定義によると、
1.スープは、親鳥の鶏がら醤油ベースであること
2.麺は、細麺ストレートで少し硬めに提供されること
3.具は、親鳥の肉・ねぎ・生卵・ちくわ(すまき)などであること
4.器は、土鍋(ホーロー、鉄鍋)であること
5.スープが沸騰した状態で提供されること
6.たくあん(古漬けで酸味のあるものがベスト)が提供されること
7.全てに「おもてなしの心」を込めること
に合致したものが須崎の鍋焼きラーメンであるとのこと。
起源は、戦後間もなくの食糧難の時代に「谷口食堂」というお店が店舗近くの鶏屋でわけてもらった鶏ガラや廃鶏を使ってラーメンが作ったことだそうで、土鍋が使われるようになったのは、出前の際にも冷めないようにとの心遣いからとのことです。
食糧事情が悪い中で、工夫して生み出した料理が、長く地域に愛されているというのは素晴らしい地域文化だと思います。
これだけ長くの間愛されているということは、もちろん味もよいはずで、期待がふくらみます。
訪れた「まゆみの店」は、元祖の谷口食堂の味を追求した人気店なのです。
熱々のスープと親鳥スープは雑炊でしめ
まゆみの店には、塩鍋焼きラーメン、カレー鍋焼きラーメン、キムチ鍋焼きラーメンと味のバリエーションがあるのですが、ここは当然定番の鍋焼きラーメンを注文です。
この時点ではなんの変哲もない鍋が運ばれてきただけなのですが、ふたをあけると通常の鍋あけた先に見える光景とは違うものがみられます。
湯気がふわっと立ちのぼり、眼鏡をかけている人は確実に視界不良におちいります。
スープをひとくちすすると、見た目通りの熱々です。
熱さばかりが印象に残るわけではなく、スープの旨みと醤油の香りがぐっと口の中に広がって鼻にぬけます。
これが親鳥からでる強いだしの旨みですね。
そして、ラーメンだけでなくおすすめのメニューが「雑炊」です。
麺を食べた後にスープを残しておいて雑炊を注文すると、一回鍋を厨房にひいてくれて、ごはんとたまごときざみねぎを投入した雑炊を調理してくれます。
雑炊にすると、ごはんにスープがしっかりしみこんで、たまごの甘味もあいまって、中華麺とはまた違った味を楽しむことができます。
酸味が強めのたくあんも雑炊にこそベストマッチだと思いました。
失礼ながら、僕は「鍋焼きラーメン」よりも「鍋焼き雑炊」を売り出した方がよいのではとひそかに思ったのですが、雑炊はラーメンを完食したあとでしか調理はしてもらえないようです。
メニュー表をよくよくみてみると、「先入れ雑炊鍋焼きラーメン」というものがあり、これは何なのかお店の人に聞いたところ、鍋に中華麺とごはんが初めから一緒に入っているとのこと。
これはこれでとても興味深いメニューですが、やっぱりごはんだけは入れてもらえないんですね。
次回はぜひ試してみようと決意しました。
高知県須崎市で長く愛される鍋焼きラーメンは、地域文化を感じられる独特の提供スタイルと、強い旨味のスープを味わえる、お遍路中におすすめのご当地B級グルメです。
ぜひしめの雑炊までふくめて、鍋焼きラーメンを堪能してみてください。
店名: | まゆみの店 |
営業時間: | 月・木~日 11:00~21:00 火 11:00~17:00 |
定休日: | 水曜 ※祝日の場合は営業 |
住所: | 高知県須崎市栄町10-14 |
電話: | 0889-42-9026 |