既に通過した香南市赤岡で見かけた「中日そば」の看板がなんとなく気になっていたのですが、33番札所雪蹊寺の手前の商店街でまさかの再会。そこは「中日(ちゅうにち)」の元祖のお店「竹村食堂」でした。
香南市赤岡の「中日そば」と33番札所雪蹊寺手前で再開
28番札所大日寺の手前の香南市赤岡(こうなんしあかおか)を歩いているときに「中日そば」という看板があり、はじめて見る「そば」だなと思って気になったのですが、その時は日が落ち始めて、しかも足の痛みに苦しんでいたので、スルーしてしまいました。
そのあと、この看板のことは記憶から消えていたのですが、32番札所禅師峰寺から渡し船を使ってたどり着いた33番札所雪蹊寺の手前の長浜の商店街で「中華麺 ちゅうにち/元祖」の表示があるお店を発見し、あの時の記憶が鮮明によみがえりました。
この時点では「ちゅうにち」というのがどういうものなのか知らなかったのですが、「竹村食堂」の店頭に新聞記事がパウチされたものが掲示されていたので、それを読んでみると、うどんだしに中華麺を入れたという世にも奇妙な食べ物だそうじゃないですか。
しかも、この竹村食堂のご主人が赤岡で食堂を営んでいたときに考案し、それが赤岡周辺の他店にも広がっていった、いわゆる「元祖」がこのお店なんだとか。
中華麺の「中」と日本のうどんの「日」で「中日」と名付けたという秀逸さ。
このB級感(C級?)と怪しげな店構えは、わたし的にはどうやってもスルーできません。
ということで、勇気を出して入店です。
「ちゅうにち」の元祖は現役バリバリ
お店に入ると、いわゆる昔ながらの食堂という雰囲気で、女性の店員さんとカウンターで食事をする年配の男性の後ろ姿が。
店内にはメニューの写真が所狭しと貼り付けられており、「ちゅうにち」以外にもいろいろな定食やセットメニューが並んでいて少々戸惑いましたが「ちゅうにち」の一択なので、「ちゅうにちとミニオムライス」のセットを注文。
女性の店員さんに注文を告げると、カウンターで食事をしていた年配の男性がおもむろに動き出して、厨房に入っていくではありませんか。
そうなんです、このおじいちゃんが「ちゅうにち」に生みの親である竹村さんだったのです。
調理中の厨房の中をのぞいてみると、オムライス調理に大きな中華鍋を振るう竹村さんの姿がありました。
この姿を見られただけで、オムライスを頼んで正解だったと思いました。
洗練されたレトロ感の「ちゅうにち」
もうここまでのストーリーだけでお腹いっぱいになりそうですが、肝心の「ちゅうにち」を実食です。
「ちゅうにち」は、うどんだしとの前知識でしたが、魚介系のすっきりした香りがする、とりようによっては今風のあっさりラーメンスープともいえるような味わいです。細めの縮れ麺とよく合っていて、「中華そば」として完成度が高いものだと思いました。
オムライスは、見た目も味も「昔はこういう食べ物がハイカラだったんだ」と思えるようなもの。
やっぱり元祖の年季は一味違います。
ある意味計算されているのではないかと思うような洗練されたレトロ感があり、大満足でした。
竹村さんにお遍路結願の応援のお言葉もいただき、また「ちゅうにち」の謎も解明し、お腹も心も満たして、いざ雪蹊寺に向かいます。
店名: | 竹村食堂 |
営業時間: | 10:00~17:30 |
定休日: | 日曜 |
住所: | 高知県高知市長浜612-4 |
電話: | 088-841-2275 |