松山市から今治市に向かう遍路道は、瀬戸内海が目の前で、海の景色と爽やかな風を楽しむことができます。海沿いでリゾート気分を味わえる老舗洋食店で供される名物カレーは、海に浮かぶ島のようないでたちでした。
瀬戸内海を臨む老舗洋食店
松山市街地の札所密集地域を打ち終え、53番札所円明寺を出発すると、県道347号を今治市を目指して北進していきます。
松山市にある53番札所円明寺から今治市にある54番札所延命寺までは距離約35kmの長距離になるので、道中の「北条エリア」や「菊間エリア」で休憩や宿泊をしながら歩く人が多いようです。
ちなみに「円明寺」と「延命寺」の名前がなんとなく似ていますが、元々は両方とも「円明寺」と同名だったそうで、間違いが多かったため、明治時代に54番が俗称であった「延命寺」に名前をあらためた歴史をもつとのこと。
ちなみに現在の寺名は「円明寺(えんみょうじ)」と「延命寺(えんめいじ)」で読み方も違うのでお間違いのなきようにお願いします。
円明寺を出発して、通っていく県道347号は瀬戸内海がすぐ目の前の海沿い道路で、ちょっと風が強かったり、波が高かったりすると、波しぶきがかかるかと思うほどの海の近さです。
たくさんの島が浮かぶ瀬戸内海の景色と、爽やかな海風を楽しむことができます。
この道沿いの松山市小川地域のこれまた道路よりも海に近い場所に老舗洋食店「CLUB HOUSE(クラブハウス)」があります。
今治市まではまだまだ距離がありますので、のんびり食事でもしながら向かいましょう。
英国調の店内で味わう名物カレー
店内に入ると、外観よりもさらに異国情緒がただよっていて、とても雰囲気があります。
お迎えしてくれた女性の店員さんはとても元気がよくてしゃきしゃきしていて、オープンになっている厨房の方を覗いてみるといかにも「洋食屋のおやじさん」という雰囲気の方が二人忙しそうにされていて、お店の人の雰囲気は「まちの食堂」って感じで、良い意味で敷居は低くて安心しました。
お遍路さんは日本のお寺や風景にどっぷり浸かっている分、時々このような洋風の建物や食べ物を間にはさんでいくと、気分的は変化が楽しめたりもすると思います。
ここで僕が注文したのはお店の名物といわれる人気メニュー「ゴールデンカレー」です。
メニューの補足事項で書かれている「カツのせができる」というのを見逃すわけにはいかず、僕は「チキンカツのせ、大盛」のコメントを付け加えて注文です。
そして提供された「ゴールデンカレー チキンカツのせ 大盛」がこんな感じ。
この「ゴールデンカレー」の見た目の特徴は、なんといってもこの黄色い物体。
これは実はご飯の上に薄焼き玉子が乗っかって、この状態になっているのです。
この薄焼き玉子、見た目を楽しませてくれるだけではけっしてなく、ご飯とカレーと一緒に口に運ぶと、独特のもっちりとした食感がおもしろく、味もカレーのスパイス感をマイルドにしてくれます。
カレールーが固形の具が入っていないソースタイプなので、より玉子が際立っているように感じました。
ルーは具がなくても、いろいろな具材がじっくりと煮込まれているであろうコクと甘味が十分に出ています。
甘味や旨味を強く感じるルーなので、「カレーは辛くなきゃいかん!」という方はメニューの補足事項に書かれていた「辛口」をお願いした方がよいと思います。
時々カリッとしたチキンカツをアクセントにしながら、生玉ねぎとセットでついてくる懐かしさを感じるコールスロードレッシングがかかったサラダで口の中をさっぱりさせて、大盛ゴールデンカレーを瞬時に完食。
どんどんスプーンが進むカレーですし、玉子の島も大きい方が見た目がよいので、大盛注文がおすすめです。
創業20年以上の老舗店「CLUB HOUSE」の「ゴールデンカレー」は、名物になるのがよくわかる逸品でした。
見た目から楽しませてくれて、味はもちろんトッピングやセット内容など計算されつくされている感じもして、地元の人にもファンが多いことにもうなづける内容です。
瀬戸内海をながめる海沿いの長距離移動の途中で、ぜひ一息ついてゆったりとお遍路を楽しんでください。
店名: | CLUB HOUSE(クラブハウス) |
営業時間: | 11:00~24:00 ※ラストオーダー23:30 |
定休日: | 年中無休 |
住所: | 愛媛県松山市小川18-29 |
電話: | 089-994-0007 |