【日本料理若菜】松山市中心街で宇和島鯛めしを食べられる知る人ぞ知る名店

51番札所石手寺は愛媛県松山市の四国を代表する観光名所「道後温泉」のすぐ近くに位置します。お寺からアクセスしやすい市中心街で郷土料理「宇和島鯛めし」を食べられる、知る人ぞ知る名店「日本料理若菜」をご紹介します。

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51番札所石手寺から松山市中心街へ

51番札所石手寺は愛媛県松山市の四国を代表する観光名所「道後温泉」のすぐ近くに位置し、周辺にホテルや旅館がたくさんあるので、お遍路さんは温泉で疲れを癒したり、食事や宿泊の拠点とされる場合が多いと思います。
市中心街にもアクセスしやすく、お店やビジネスホテルが多く、交通手段も充実しているので、しばらく滞在して立ち寄り観光を楽しむお遍路さんもいることでしょう。

石手寺から松山市中心街の観光名所「松山城」を目指して行くと、松山城がある山の麓は飲食店や観光客向けのお土産屋などが立ち並ぶ商店街になっています。その商店街と路面電車も通る大通りに囲まれた一角の小道を進んだ先にひっそりと佇むのが、今回ご紹介する「日本料理若菜」です。
石手寺から徒歩だと約30分、自動車や路面電車・路線バスなら10分程度で到着する場所ですので、お遍路道中の、特にランチでぜひ立ち寄っていただきたいお店です。

日本料理若菜_外観

繁華街や大通りから一本入った静かなエリアにひっそり佇むのが「日本料理若菜」です。

 

口コミで評判の知る人ぞ知る名店「日本料理若菜」

日本料理若菜は、近海で獲れた季節の魚介類や旬の野菜などを使った日本料理のお店で、ディナーでは多種の一品料理や懐石、鍋料理などとお酒を楽しめますが、ランチでは定食メニューが充実していて、ディナーでも定食を提供しているので、お食事利用のお客さんも多く、お遍路さんが移動中に立ち寄るのにとてもおすすめです。

実は公式ホームページやInstagramなどのSNSでのお店からの情報発信は一切なく、口コミで評判が広がっている知る人ぞ知る名店で、旅行者やお遍路さんも人づてに評判を聞いて来店する人が多いのだとか。
今回私がお遍路道中にお店を訪れたときにも、私の他にもお遍路さんがいらっしゃって、以前お遍路をした友人夫婦に勧められて訪れたとおっしゃっていました。

店内はカウンター席とテーブル席でこじんまりしており、落ち着いて食事ができます。席数が多くないので、開店と同時に埋まってしまうことがよくあるようです。お店を営んでいるのは素敵なご夫婦で、旦那さんが調理、奥さんが料理を提供してくださいます。
店内に入ると鰹節やわかめの良い香りが広がっていて心地よい気分になりました。

日本料理若菜_調理場

ご主人がおひとりで手際よく調理されています。

 

愛媛県の郷土料理「鯛めし」

新鮮な海鮮などを使った手の込んだ定食メニューが多種揃う中でも、お店の看板メニューになっているのが愛媛県の郷土料理「鯛めし」です。

鯛めしと聞くと、鯛を一尾まるごとご飯に炊き込んで作ったものをイメージされる人が多いと思います。皆さんがイメージしている鯛めしは「北条鯛めし」とも呼ばれていて、主に愛媛県の中でも中央部の中予地方と呼ばれている地域に根付いている食べ方です。

一方で、日本料理若菜で提供される鯛めしは、愛媛県の中でも宇和島市や西予市などの中西部の南予地方で、鯛の生の切り身を、醤油、みりん、卵、ゴマ、だし汁をあわせたたれに漬け込み、たれごと熱いごはんにかけて食べる方法で「宇和島鯛めし」とも呼ばれます。
その昔、大分県や宮崎県の沖では海が荒れて揺れが激しい船の上で火を使うことができなかったため、火を使わなくても食べれる方法として考案されたいわれ、九州と海を挟んで向かい側の南予地方でもこの食べ方が広がったそうです。
食べ方が生まれた地域名から「日向飯(ひゅうがめし)」と呼ばれることもあり、日本料理若菜でもメニューに、炊き込みの鯛めしと間違わないように日向飯と注意書きもあります。

お店がある松山市では地域的に炊き込みご飯の鯛めしを提供する方が主流ですので、宇和島鯛めしを松山市内で食べられるという意味では珍しく希少です。

どちらの鯛めしも愛媛県の郷土料理として地域で親しまれているので、お遍路道中で違ったタイプの鯛めしの食べ比べをするというのも、四国中を巡っていくお遍路旅ならではの楽しみになるのではないでしょうか。

 

日本料理店ならでは手の込んだ仕事の数々

今回私がランチでいただいた「鯛飯定食(日向飯)」をご紹介していきます。

注文してから、お味噌汁とお漬物がまず先に提供されました。
お遍路道中でたまった疲労困憊な身体に沁みわたる赤味噌のお味噌汁で、身体にたまった疲れが抜け落ちていく感覚が今でも忘れられません。
ほどなくして、メインの鯛めしと小鉢が運ばれてきました。

日本料理若菜_鯛飯定食(日向飯)

「鯛飯定食(日向飯)」は、お味噌汁とお漬物、小鉢が付いた定食スタイルで提供されます。

この日の小鉢は「ナスのおひたし」と「大根と湯葉のおひたし」でした。
ナスのおひたしはしっかりと出汁の風味がきいていて、大きめサイズで食べ応えがありました。
大根と湯葉のおひたしは、とても優しい味で大根と湯葉の相性が抜群でした。
小鉢といえど、丁寧な仕事がされていることがよくわかります。

いよいよメインの鯛めしです。
ご飯の上に隙間なく敷き詰められた生の鯛の切り身は、瀬戸内海で獲れた鮮度抜群の鯛です。最初の一口は鯛そのものの味を楽しもうと醤油をつけずにいただきました。身がとてもひきしまっていて、鯛からでる甘み成分が口の中に広がりました。
次に、真ん中の卵の黄身をつぶしてあわせると、鯛との相性がとても良く、全体的にまろやかな味わいに変化します。また、ネギと細くきった海苔の薬味がアクセントとなり、エネルギーがわいてくる味で、漁師さんに昔から好まれている理由がよくわかりました。

日本料理若菜_宇和島鯛めし

宇和島鯛めしは、鯛の生の切り身が敷き詰められ、卵の黄身や薬味がのった豪快な丼スタイルです。

私が実践したおすすめの食べ方は以下の方法です。
①最初にお醤油なしで鯛だけを食べる
②次にお醤油を全体にかけて鯛とご飯を一緒に食べる
③最後に卵の黄身を割ってからめ、鯛とご飯を一緒に食べる
この順番で、鯛の甘味や旨味を深く感じることができ、味を変化させながら楽しむことができました。

 

松山市の中心街にある「日本料理若菜」は、丁寧な仕事が光る知る人ぞ知る日本料理の名店です。お遍路道中でも立ち寄りやすい立地で、地元の新鮮な食材や宇和島鯛めしなどの郷土料理を定食スタイルで気軽に味わうことができる、お遍路さんにもおすすめのお店ですので、ぜひ一度訪れてみてください。

 

店名:  日本料理若菜
営業時間: ランチ:11:30~14:00
ディナー:17:30~22:00
定休日: 日曜
住所: 愛媛県松山市歩行町1丁目13-4
電話: 089-934-9111

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この記事を書いた人

東京都出身。現在はIT企業でデジタルマーケティングに従事しているかたわら、廃校・空き家・空地を利活用して新たな学びと遊びを融合したプログラム「曽爾プレイフルジャーニー(https://playfulljourney.studio.site/)」の立ち上げメンバーとして活動したり、地域に寄り添うライティング活動にも取り組んでいる。今後は日本の土地と海外の土地を繋げる活動を模索中。