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第84番屋島寺からの下り遍路道を下りた地点に、第81代安徳天皇が祀られている神社があります。一時的とはいえ、讃岐のこの地に臨時の皇居があったと考えることができます。

屋島道路沿いの新しい標石

背後に見えている山は屋島東側

 

安徳天皇社

安徳社正面

静かなお宮に「安徳天皇社」の額が掲げられる

先ほどの写真の新しい標石がある地点を左斜めに進入すると、程なくしてこの場所に到着です。自家用車で来る場合は逆打ちの方向。
第84番屋島寺(やしまじ)から歩き遍路道を下山してきて、中務茂兵衛標石がある交差点を右折し、順打ちの方向に進むとこちらの場所に到着します。
※屋島寺から歩き遍路道を下山してきた先に残されている標石に関しては、以下リンクの記事でご紹介しています。

源平合戦の舞台となった地に残されている標石【84番札所「屋島寺」→85番札所「八栗寺」】

 

悲運の幼少天皇

安徳天皇社の案内

讃岐のこの地で約2年の時を過ごされたことが記されている

第81代天皇である「安徳天皇(あんとくてんのう)/1178年2月-1185年4月」は、父・高倉天皇(たかくらてんのう)、母・平徳子(たいらのとくこ)の間に生まれた第一皇子。

1178年11月…誕生
1180年2月…践祚(せんそ)
1180年4月…即位
1183年…都落ちの後、屋島に行宮(あんぐう)が置かれる
1184年7月…第82代後鳥羽天皇が即位
1185年2月…屋島合戦の敗北により壇ノ浦へ逃れる
1185年4月…壇ノ浦の戦いに敗北。入水により崩御
※この時代の元号は太陰暦のため西暦・太陽暦で表示

母である徳子は平清盛の娘で、第80代高倉天皇に嫁ぎ安徳天皇を生んだ。それによって平清盛は天皇の祖父に成り得たわけで、「平家にあらずんば人にあらず」の文言で有名な絶対的権力を有するに至ります。安徳天皇自身は3歳で即位したと記録されていますが、これを満年齢に換算すると満1歳4ヶ月で即位したことになります。また満6歳5ヶ月での崩御は歴代天皇で最も短命で、未婚の天皇も安徳天皇を最後に存在しない。源義仲(みなもとのよしなか、木曽義仲)の入京によって屋島へ逃れたため、京では1184年に新たに第82代後鳥羽天皇が即位することになりますが、この後約9ヶ月間は正史以来初めて2人の天皇が存在したことになります。

京を追われた安徳天皇と平家の一行は太宰府に逃れた後、少しづつ勢力を盛り返しながら東進し讃岐屋島の地まで復帰。この地で約2年の時を過ごしました。讃岐の地に臨時の皇居が存在したともいえます。しかし平和な日々はそれほど長くは続かず、一の谷の戦い(1184年3月、現在の神戸市西部)に勝利した源氏は海を渡り阿波國経由で四国に上陸。平家が拠点を築いていた屋島で合戦が勃発。敗北により海上に逃れもう一つの拠点である長門國彦島(ながとのくにひこしま)へ移り、壇ノ浦の戦いを最後に平家は滅亡。安徳天皇は母方の祖母である平時子(たいらのときこ)に抱かれ関門海峡に身を投じて崩御した。

 

安徳天皇生存伝説

安徳社の扁額

徳川幕府以前の朝廷は権力争いに明け暮れていた歴史を有する

安徳天皇の時代は白河法皇(ごしらかわほうおう、第77代後白河天皇)という権力者が存在する中に武家の平清盛が現れ、混沌をきわめていた時勢でもあります。生まれた時代が悪かったといえばそれは選ぶことができないものですが、幼くして亡くなった安徳天皇を悼む民衆心理が「実は難を逃れていた」という落ちのび説を生み、各地に伝わっているものと思われます。

四国でいえば徳島県山中、蔓(かずら)で組まれた吊り橋で有名な「祖谷(いや)地方」や、高知県中部の越知町(おちちょう)など。源氏の追手が来ないよう「嫌(いや)=祖谷」や、「落ちのびた=越知」と名付けられた説が存在します。

平家の落人伝説や安徳天皇の落ちのび説は遠く九州の山奥や、鹿児島から南に連なっている絶海の孤島にも一部伝わっていて、鹿児島県硫黄島(いおうじま)には安徳天皇のものと伝わる墓所があります。

※私が飼犬と硫黄島を旅した時のことを書いた記事に、その場所が登場します
硫黄島一望の岬と続源平合戦を伝える場所<薩摩硫黄島/鹿児島県三島村>
http://soraumi-doggie.com/island-iojima-koibitomisaki-antokutenno/

 

【「安徳天皇社」 地図】

 

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野瀬 照山

四国遍路案内人・先達。四国八十八ヶ所結願50回、うち歩き遍路15回。四国六番安楽寺出家得度。四国八十八ヶ所霊場会公認先達。 高松市一宮町で「だんらん旅人宿そらうみ(http://www.sanuki-soraumi.jp/)」を運営。