【栗林公園】紅葉(ライトアップ)の名所の魅力・見どころ・見頃を徹底紹介

香川県高松市にある「栗林公園(りつりんこうえん)」は、約400年の歴史を有する回遊式大名庭園で、香川県を代表する観光名所です。庭園の造作と多種多様な木々が創出する四季折々の景観を楽しむことができますが、特に秋の紅葉の名所で、期間限定のライトアップイベントは大勢の見物客でにぎわいます。

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栗林公園とは

香川県高松市にある「栗林公園(りつりんこうえん)」は、約400年の歴史を有し、国の特別名勝に指定されている回遊式大名庭園(日本庭園)です。

江戸時代初期に作庭が始まり、大名庭園として本格的に整備が開始されたのは寛永19年(1642年)に高松藩初代藩主として松平頼重(まつだいらよりしげ)が讃岐国(現在の香川県)に入国して以降と伝わっています。約100年、5代藩主の時代までに、御殿や茶屋などの充実、薬園の設置などが進められ、現代に続く栗林公園(当時は栗林荘)の礎が築かれました。高松松平家の下屋敷として、200年をこえる期間、11代にわたって使用されてきました。

明治維新を経たのち、明治4年(1871年)の廃藩置県により敷地は官収され、県に払い下げられた後、明治8年(1875年)3月に栗林公園として開園、一般に開放されました。

南庭と北庭で構成される栗林公園の敷地面積は約75haで、文化財庭園としては国内最大の広さを誇ります。南庭は江戸時代初期の大名庭園の姿をのこし、北庭は檜御殿が建ち元々は鴨場(鴨猟を行う場所)でしたが、大正時代初期に近代庭園のスタイルを取り入れた宮内省の市川之雄の設計で改修されました。

栗林公園の庭園美は、すぐれた地割と石組を有し、木石の雅趣に富んでいるとされ、明治43年(1910年)に文部省が発行した「高等小学読本 巻一」の第六課「公園」の末文では、「木石の庭の美しさは日本三名園(金沢・兼六園、水戸・偕楽園、岡山・後楽園)より優れている」と記載されるほどです。

文化財庭園としてのカエデ・ツツジ・約1000本の手入れマツなどに加え、都市公園としてのウメ・サクラ・ハス・ショウブ・ハギなどが植わっていて、庭園の造作と多種多様な木々が創出する四季折々の景観は「一歩一景」ともいわれています。

四季を通じて景観を楽しむことができ、日本人観光客はもちろん、近年では外国人観光客にも認知が広がり、にぎわっている栗林公園ですが、特に秋の紅葉が美しいことで知られています。
本記事では、栗林公園の紅葉の魅力・見どころ・見頃などを詳細に紹介します。

栗林公園_南庭

南庭の池・築山・伝統的建造物が織り成す大名庭園は、栗林公園を象徴する景観です。

栗林公園_松_商工奨励館

専属の庭師さんによって観賞価値が高まるように手入れされた松が立ち並んでいます。

 

栗林公園の紅葉の魅力と見どころ

多種多様な樹木がある栗林公園には、気象庁が指定したウメ・サクラ・カエデの3種類の標本木があります。高松地方気象台のウメ・サクラの開花・満開とカエデの紅葉の宣言は、この標本木に基づいて行われます。
栗林公園は、高松エリアの紅葉の基準にもなるほどの紅葉の名所なのです。

園内のいろいろなところでカラフルに色づく紅葉を楽しむことができますが、やはり一番の見どころは、南庭の池を赤や黄色の葉が取り囲む様子でしょう。
南庭の南湖の南側の岸にはカエデが立ち並ぶ「楓岸(ふうがん)」、南湖の浮かぶ小島のひとつにカエデの木と岩が絶妙に調和している「楓嶼(ふうしょ)」があり、カエデの紅葉を楽しむことを意識した作庭がされています。
水面に鏡のように映る紅葉も、栗林公園ならではの景色です。

栗林公園_紅葉_南庭

真っ赤に燃えるようなカエデが池を取り囲む様子は必見です。

上の写真の南庭の紅葉ですが、庭園部分にばかり目が行きがちですが、ぜひ広い視野で景観を眺めてみてください。実は庭園の背後の紫雲山(しうんざん)も借景として庭園の景色の一部になるように設計されていて、紅葉のシーズンになると背景の山もカラフルに色づき、大名庭園を包み込むような景観をみることができます。

栗林公園は現代では高松市の中心市街地に立地していて、周辺には大きなビルやマンション、幹線道路も通っていて自動車の往来も激しいですが、園内の景観は時代も場所もワープしてきたかのような異世界感を味わうことができると思います。

 

栗林公園の紅葉ライトアップ

栗林公園の紅葉の魅力をさらに高めているのがライトアップイベントです。

栗林公園では毎年の春(3月下旬から4月上旬)のサクラの時期と、秋(11月下旬から12月上旬)の紅葉の時期の10日間前後の期間限定で、夜間のライトアップイベントが開催されています。

令和5年(2023年)は、令和5年11月23日~12月3日の11日間で開催されました。
11月・12月の通常の閉園時間は17:00ですが、ライトアップ期間中のみ夜間開園され、17:00~21:00(最終入園は20:30)の間、光に彩られた紅葉を楽しむことができました。
ライトアップイベントでは、和楽器の演奏会や伝統工芸品の展示、園内レストランでの期間限定メニューの食事などがあわせて催されました。

令和6年(2024年)は、令和6年11月22日(金)~12月1日(日)の10日間の日程で、秋のライトアップが開催されます。毎年開催されている秋のライトアップは令和6年で24回目になるそうで、今では高松の秋の風物詩として定着しています。

ライトアップの演出の仕方や、ライトアップにあわせて行われる催しは、毎年趣向がかわるので、どのようなイベントになるのか楽しみですね。

料金は、通常入園料の高校生以上410円、小中学生170円、未就学児無料のみで、ライトアップの別料金がかかるわけではないので、期間限定の特別な景色を楽しんで、得した気分にもなりますね。

栗林公園_紅葉_ライトアップ_南庭

ライトアップされた夜の栗林公園は、昼間とはまったく違う表情をみせてくれます。

栗林公園_紅葉_ライトアップ_カラフル

様々な色の光で演出された紅葉は幻想的な雰囲気です。

栗林公園_紅葉_ライトアップ_和船

南庭の池の和船遊覧はとても人気で、ライトアップ期間は夜間運航もあります。

 

栗林公園の紅葉の見頃

栗林公園の紅葉は、例年11月中旬頃に色づき始め、11月下旬頃から12月上旬頃のライトアップが行われる時期に見頃を迎えることが多いです。

ただし、気候条件や年によって変動がありますので、訪れる前には最新の情報をチェックしてください。紅葉の進行は、一般的に気温の変化に大きく影響されます。秋が深まり、朝晩の冷え込みが強くなると、紅葉が一気に進みます。

色づき始める前の緑豊かな時期や、徐々に色づき始め、緑と赤・黄が混ざり合う時期も美しいので、秋シーズンに複数回訪れて、それぞれの時期の風景を楽しむのもおすすめです。

また、日中と夜間の寒暖差が特に大きい時期に紅葉のピークが訪れるので、この時期は最も鮮やかな紅葉を楽しむことができるとされています。また、朝の光が差し込む時間帯や、夕方の柔らかい光が紅葉を照らす時間帯は特に美しいので、これらの時間帯を狙うと良いでしょう。

 

栗林公園への公共交通機関でのアクセス

栗林公園への公共交通機関でのアクセスは、JR栗林公園北口駅から徒歩3分、ことでん栗林公園駅から徒歩7分、ことでんバス栗林公園前バス停から徒歩1分と、アクセスに便利な複数の公共交通機関があります。

商店街がある瓦町エリアから徒歩で15~20分程度でアクセス可能なので、商店街で宿泊や飲食をされる観光客さんは、お散歩がてら栗林公園に向かうのもよいと思います。

 

栗林公園への自家用車でのアクセス

栗林公園への自家用車でのアクセスは、高松自動車道・高松中央ICから約15分、高松西ICから約20分で、高松市中心市街地の立地なので、自家用車でのアクセスも便利です。JR高松駅からは約2.5km・約10分、高松空港からは約15km・約30分です。

駐車場は、県営の東門駐車場30台、北門駐車場32台がありますが、駐車台数が少ないので、紅葉シーズン、特にライトアップ開催中はすぐに満車になってしまいます。栗林公園周辺に民営のコインパーキングが点在しているので、そちらを利用することになる場合もしばしばです。
周辺コインパーキングも栗林公園に距離が近い場所は、トップシーズンだとすぐにうまってしまうので、少し離れた場所にある駐車場を利用せざるをえない場合もあるでしょう。

紅葉シーズンは、駐車場待ちや栗林公園まで距離がある駐車場にとめてからの徒歩を避けたいのであれば、公共交通機関の利用がおすすめです。

 

栗林公園訪問時の注意事項

秋の栗林公園は、日中は穏やかな陽気に包まれ、紅葉を気持ちよく楽しむことができる日が多いですが、朝晩の冷え込みが強くなることがあり寒暖差には注意が必要です。特に夜間のライトアップに行く人は、防寒対策をしておくと安心でしょう。脱ぎ着しやすいはおりものやマフラー、手袋、携帯用カイロなどを準備するのがおすすめです。
また、園内は未舗装で凹凸のある場所や石段・石畳などがあり、特に雨の日や落葉時期は足元が滑りやすくなりますので、履き慣れた歩きやすい靴で散策されることをおすすめします。

また、紅葉シーズンにはたくさんの見物客が訪れます。広大な園内ではありますが、特にライトアップの期間・時間帯は、場所によってはすれ違うのが難しいぐらいの混雑も発生します。フォトスポットでは写真愛好家の順番待ちが発生するような場合もありますので、他の訪問者への配慮を忘れずに、栗林公園の紅葉を安全に気持ちよく楽しんでいただければと思います。

 

栗林公園の紅葉は、江戸時代の大名庭園文化の造形美と、景観を計算して繊細に手入れされている紅葉の見事なマッチングが魅力で、香川県の紅葉の景色の代表例ともいえる美しさです。その紅葉の魅力をより引き立てるライトアップの演出も必見ですので、秋の時期はぜひ何度も時期・時間帯をかえて栗林公園を訪れて、紅葉を堪能してみてください。

※香川県の紅葉の名所を以下リンクの記事でまとめてご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

香川県の紅葉の名所5選(栗林公園・屋島・大窪寺・雲辺寺・白峯寺)

※栗林公園に関する情報は、以下リンクの記事でもご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

【栗林公園】四国を代表する庭園はなぜ「公園」と呼ばれているのか

【栗林公園】正門に架かる石橋からみる歴史あれこれ

 

【「栗林公園」 地図】

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この記事を書いた人

四国遍路情報サイト「四国遍路」を運営する株式会社四国遍路(https://shikokuhenro.co.jp/)の代表取締役。四国遍路の文化をより良い形で引き継いでいくために、四国遍路に新しい付加価値を生み出すべく日々奮闘中。