今回のミニベロ遍路ではGarminを使用し、ルートを計画し走行したが、計画ルートから外れ、裏道を走りたい場合もある。そんな時には想定よりも時間がかかったりその他のリスクも伴ってくることがある。
予想より遠回りをして苦労した1.5時間
ミニベロ遍路では、比較的大きな国道や整備された県道を走ることが多く、もっと自然豊かなルートを走りたい気持ちになる場合もある。
足摺岬を目指す道中、四万十市竹島から四万十川を渡り国道321号の走行を続けていたが、車やトラックが多いことに加え、かわり映えしない風景に飽きてしまったため、ふと別の景色を眺めながら走りたい衝動に駆られた。そこで国道を降り、県道343号を走ることにした。地図上で確認した際には、海沿いを走るようなルートに見え、本来設定していたルートと比べてもたいした距離の差は感じられなかったため、景色と海沿いの気持ち良いライドを楽しみにしながら県道へと入ることにした。
初めのあたりの区間はとてもよい感じで、予想通りに海も見え、かつ道も綺麗で走りやすかった。しかし、初崎トンネルと名鹿海水浴場というビーチを通過したあたりからルートの様子が一変、突然山道となった。ここから大変なアップダウンが始まった。山に入っていく道で、周りは木がたくさんで海も見えない。地図上のみでの判断は、結果的には坂道しかなく海もまともに見えない1時間半の走行という結果となった。坂道を自転車を押して登り、また乗って坂道を下っての繰り返しだった。
感覚的にはこれが永遠に続きそうで、既に時計は午後3時を指していたため、暗くなる前に目的地の足摺岬周辺まで到着できるのかどうかとても心配になった。トイレはもちろん、お店など全く存在しない道で、例えば次のコンビニまでの距離を調べても、地図上ではあと少しに見えるがたどり着くまでにかなりのアップダウンをクリアしなければならないなど、かなり苦労してしまった。車もほとんど通らず集落や人もほとんど無い道で、もし怪我をしたり何かあった場合を想像すると不安になった。予想していた走破時刻と比べると、結局1時間ほどロスしてしまった結果に、ルート設定時の下見にはもっと気をつけなければならないと反省した。
1時間半ほど経ち、最後の坂道を下り土佐清水に差しかかったあたりで待ちに待った念願のコンビニが出現した。そこに到着したのがおおよそ16時ごろ。そこでトイレを借り、おやつを食べ、その晩の宿に到着が少し遅れる旨を電話した。コンビニの外で一休みし、ルート設定の決定について考えた。
結論としては、ナビがおすすめしていないルートを走行して冒険するのは確かによい経験になるけれど、アップダウンと距離について事前によく確認することはとても大切ということを認識した。
ミニベロ遍路の旅にはこんなちょっとしたアクシデントはつきもので、それもまた旅の楽しさのひとつであることは確か。最後にはよい思い出になったり、たいへんであればあるほど強く印象に残る経験となる。しかし、私が通ったこのルートを他の人におすすめするのはやはり躊躇する。