高知県黒潮町大方地区の入野海岸を望む丘の上にある「ネスト・ウエストガーデン土佐」は、遍路ルート至近でお遍路さんの宿泊も多いホテル。常務取締役の森田さんに、ホテル経営と黒潮町のまちづくりについてのお話を聞きました。
ホテル経営から黒潮町のまちづくりへ
ネスト・ウエストガーデン土佐は、高知県黒潮町の地域の核となる宿泊施設を求める地元有志の発案からはじまったホテルです。太平洋に面する「土佐西南大規模公園」の一角にあり、1997年(平成9年)にオープンしました。
今回インタビューに応じてくれた常務取締役の森田さんはホテルの経営母体である建設会社の社員でしたが、会社がホテル経営を引き受けると同時にホテル運営にも携わるようになったそうです。
建設業界からホテル業界へ異例の転身を遂げた森田さんは、就任当初「黒潮町には名所旧跡といったわかりやすい観光地がなく、ホテルの経営状況は厳しかった」といいます。そこで森田さんは「ホテル単体ではなく公園エリアや黒潮町全体に人が訪れる仕掛けが必要」と発想を切りかえ、周囲の人と連携し、施設や環境を有効活用しながら、町の活性化のための活動を展開していったそうです。
【森田さんが関わった事業の一例】
● 眼前の入野海岸を自然のアートとして見立てる「砂浜美術館※1」との連携・協力
● "日本で最も高い津波が来る町※2”という評価を逆手に取った防災視察の誘致
● 公園内にある多目的グラウンドを人工芝化し、サッカーを中心としたスポーツ合宿を誘致
● 高知県内の遍路ルート上にあるホテルと連携した「縁(えにし)の会※3」の結成
…etc.
※1 砂浜美術館: https://sunabi.com/
※2 2012年内閣府「南海トラフ巨大地震被害想定」
※3 土佐歩き遍路御用達宿泊施設「縁の会」: https://henro-yado.jp
ホテル経営の話からまちづくりの大きい範囲の話になり驚きましたが、森田さんの町全体を視野に入れた事業の発想がとても面白く、引き込まれてしまいました。「良いホテルサービスのためには、従業員の満足度(給料)を上げることが大切」という信念から、ホテル経営の安定化=地域活性化を考えていく、地に足のついた現実的なお話が印象的でした。
お遍路さんひとりひとりに寄り添う宿に
遍路ルートから至近に立地していることも宿の強みになると話す森田さん。
高知の遍路道中は和食が多いからなのか、ネスト・ウエストガーデン土佐で提供される洋食に喜ぶお遍路さんが多いなど様々なエピソードを聞かせてくれました(食事は和洋選択可)。また、ひとりの時間を大切にしたい人、誰かと話をしたい人など、お遍路さんが求めていることは人それぞれいろいろだと感じるそうです。
「当宿は全部で15室の宿です。ひとりひとりに目が届く規模だからこそ、それぞれの希望に寄り添える宿でありたいと思っています。大浴場もあるので、お遍路さんには波の音を聞きながらゆっくりと疲れを癒して欲しいですね。」と話してくださいました。
【ネスト・ウエストガーデン土佐 基礎情報】
名 称 | ネスト・ウエストガーデン土佐 |
宿の形態 | ホテル |
住所 | 高知県幡多郡黒潮町入野184 |
「ネスト・ウエストガーデン土佐」の詳細情報とご予約はこちらから↓
四国宿泊予約サイト「お遍路さん家」【ネスト・ウエストガーデン土佐】
ネスト・ウエストガーデン土佐は、施設内に洋菓子店(おいしいお菓子 tutu)をオープンさせたり、グランピング施設を新設したりと新しい取り組みを重ねています。町全体の活性化を視野にいれた様々な取り組みにチャレンジされている姿が印象的でした。