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87番札所と88番札所の間に位置する「前山おへんろ交流サロン」には、四国八十八ヶ所巡礼に関する貴重な歴史的資料が展示されています。四国全域の札所の位置を示すジオラマもあり、遍路の全体イメージをつかむのに便利です。

 

88番札所への中継地点に位置する「前山おへんろ交流サロン」

札番順に巡礼するお遍路さんにとって結願寺となる88番札所大窪寺は標高445mに位置し、巡礼最後の山登りの道になります。87番札所長尾寺から大窪寺までは約15kmの距離。その道の途中の前山地区には「前山おへんろ交流サロン」と「道の駅ながお」があり、お遍路さんは休憩も兼ねて最後の準備をここで整えていきます。

結願寺へと向かうお遍路さんの最後の憩いの場となる前山おへんろ交流サロン。どんな施設なのか、入ってみることにしました。

※長尾寺からの道のりや、道の駅ながおについては以下リンクの記事でも触れています。

昔の遍路文化の名残が色濃く残る結願への道【87番札所「長尾寺」→「前山ダム」】

結願に向かう前の腹ごしらえはあっさりジューシーな「讃岐黒豚ハンバーグ」【道の駅ながお ほしごえの里】

前山ダムのすぐ横に位置する「前山お遍路交流サロン」。ここからが山道本番。

 

「へんろ資料展示室」とお接待スペース

入り口をくぐり、まず目に入るのは四国全体を模った巨大なジオラマ。その奥に休憩スペースがあり、ボランティアの人からお接待を受けることができます。ジオラマには四国全体の札所の位置が示されており、道程の高低差や距離感などが一目でわかる作りになっています。

幅6メートルにも及ぶ四国八十八ヶ所ジオラマ模型。高低差はデフォルメされていますが、お遍路の全行程を俯瞰的に見ることができます。

 

併設された「へんろ資料展示室」には、貴重なお遍路の歴史的資料がずらり。江戸時代の古地図や往来手形、天明年間(1781年〜1789年)から現在に至るまでの納札(おさめふだ)の変遷や、17世紀後半に四国八十八ヶ所の札所番号を定め「四国遍路中興の祖」と呼ばれた真念のコーナーなど、遍路をテーマに様々な資料を見ることができます。

所狭しと貴重な資料が並ぶ「へんろ資料展示室」。人間国宝の手による刺繍や各寺院の鳥瞰図など、寄贈されたものも数多くあります。

 

前山おへんろ交流サロンの館長さんにお話を伺う

この日は館長さんがいらっしゃったので、前山おへんろ交流サロンの現状とその役割、お遍路さんに対する想いなどについてお話を伺ってみることにしました。対応してくださったのは六車正徳館長。約2年前に館長に就任されて以来、こちらにいらっしゃるとのことです。

88番札所大窪寺へと向かう複数のコースについて説明する六車氏。

 

前山おへんろ交流サロンの特徴と来館するお遍路さんについて

−「前山おへんろ交流サロン」はどのような施設ですか?

この前山おへんろ交流サロンは、お遍路の歴史的資料の展示とお遍路さんの交流の場の提供を目的として平成11年に「前山地区活性化センター」として開館しました。「へんろ資料展示室」で見ていただいたように、お遍路関連資料のここまでの集積がある施設は、四国で唯一この場所だけといっていいと思います。

さぬき市所有の施設ではありますが、運営はほぼボランティアの手によって行われています。小学校や各種団体などの、お遍路文化の学習の場としても利用されています。

−ここに来館する歩き遍路さんの人数や特徴について教えてください。

この10年でお遍路さんの数は減ってきているといいますが、この交流サロンに来られる人は年間で歩き遍路さんが約3000人前後、自転車遍路さんが150人前後とあまり変動はありません。外国の方はここ10年の間にすごく増えましたね。今では全体の約15%が外国の方です。半数以上がヨーロッパの方でアジアで多いのが台湾の人です。

今は夏(8月)なので、歩き遍路さんの来館は少なく1日3〜5名程度です。多いのは5月と11月。午前中に20人くらい来たりします。お遍路さん同士が集まると、お互いに情報交換をするなど交流が生まれるようです。

ここでは歩き遍路さんおよび自転車遍路さんで結願した人に対し「遍路大使任命書」「自転車遍路大使任命書」を発行していますが、これは「NPO法人遍路とおもてなしのネットワーク」が発行するものを代理でお渡ししている形になります。

関連:「四国八十八ヶ所遍路大使」に任命されて「同行二人バッジ」をゲット【前山おへんろ交流サロン】

おへんろ交流サロンのパンフレットには、サロンの紹介とともに参拝作法や巡礼用品の紹介など、巡礼に必要な情報が掲載されています。英語版も有り。

 

お遍路全体のイメージを把握するために利用してほしい

−おへんろ交流サロンとして、お遍路に興味がある人に伝えたいことは?

この交流サロンは、四国八十八ヶ所巡礼の全体イメージをつかむために利用していただきたいと思っています。特に入り口にあるジオラマは視覚的に札所の位置関係を把握できるので全体像がわかりやすい。険しい山も表現されているので、大変だなぁという思いも強くなるかもしれませんが、歴史的な知識の習得とあわせて、お遍路の入門編として使っていただきたいです。

また、このサロンが88番札所の手前にある関係で、旅の終盤に立ち寄られる人が必然的に多くなりますが、そういう人にとっても、自分が辿って来た道を確認するのにジオラマが役立っているようです。自分が歩いた道をしみじみと振り返り「また来たい」と思っていただきたいです。

八十八ヶ所の札所それぞれにボタンがあり、押すと該当する寺が点灯する仕組みです。

 

これだけ充実した資料を持つ前山おへんろ交流サロン。館長さんが言われるように、四国遍路の全体像を把握するには最適な施設だと感じました。旅の事前準備にも、終盤の旅の振り返りにもぜひ利用していただきたい施設です。

 

施設名:  前山おへんろ交流サロン
開館時間: 9:00~16:00 ※入館は15:30まで
定休日: 年末年始(12月29日~1月1日)
住所:  香川県さぬき市前山榿936番地
電話: 0879-52-0208
施設HP: http://www.geocities.jp/sanukimaeyamanet/ohenro/

 

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廣瀬美音子

札幌で生まれ育ち、結婚を機に香川に移住。地方自治体勤務などを経て、2019年から株式会社四国遍路(https://shikokuhenro.co.jp/)に入社。自転車でお寺とその周辺をめぐる「ポタリング遍路」など、お遍路文化を通じた新しい四国の楽しみ方を模索しています。日本酒とワインが好き。